紙の本
運動不足の悩める現代人へ捧げる任侠コメディ決定版。
2001/02/04 23:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日下 夏海 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく「痛快」とか「小気味の良い」という形容がぴったりな悪漢小説である。
魅惑的な登場人物をぱんぱんにちりばめた素敵な小説なのである。
やくざの鉄砲玉、官僚出身の政治家秘書、マッチョな自衛官という肩書き以上に際立っている主役3人衆。入れ替わり立ち代り登場するアクの強すぎる脇役たち。彼らが、次から次へとまあ、勢いよくなだれ込んでくるので道中はいつも酸欠状態だ。加えて事件あり、人情話あり、どたばたの展開。こう落ち着かなくては『鉄道員(ぽっぽや)』はなんだったのだ、とつぶやきたくもなる。が、そんな思いとうらはらに爆走は止まらない。読み始めたら最後、本書の世界に引きずり込まれて一気に読破するしか道は残されていないのだ。
走りっぱなしで息苦しいのだけれど、ピスケンの迫力に気圧されてか、途中で一休みする間も惜しくなってしまう。後押ししてくれるのは気のきいたセリフと笑いの嵐。文庫2巻にさしかかると「血まみれマリア」なる女傑が登場。花を添える(ふう、一息つける)かと思いきや、これまた大暴れの活躍ぶりである…。このあたりでランニングハイの到来。へらへらと怪しい笑いを含みながら、どうにかこうにかゴールが見えてくる。さて、待っているのは怒涛のエンディングなのか、本当にこれでゴールインなのだろうか。
読者を全力疾走させたあげくスカッとした読後感を残すというのは、非常に高度な技だ。人を描く術に長けた浅田次郎の真骨頂である作品。
紙の本
3人のキャラキラリ
2016/05/06 15:34
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投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヤクザのピスケン、元自衛隊の軍曹、元政治家秘書のヒデ。この3人が定年の向井刑事にお膳立てされ、それぞれの仇討の体をとることに。
3人のキャラが独特ではっきり際立っており、これ以上分かりやすい3人はないな、と感心する。さすが浅田次郎。物語の展開も軽快にスピードも迫力も、ユーモアもバランスよくちりばめられて、これぞザ・エンターテイメントだ。このシリーズ、早く次読みたいと思う。
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すべてはここから始まった。金キラのどぎつい表紙だけど、よく手に取った、自分!とあの時の自分を褒めてあげたい。
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ピスケン(ヤクザ)、軍曹(自衛隊員)、ヒデさん(政治家秘書)が巨悪に立ち向かう、と。
ピカレスク書かせたら右に出るものはいないと思ってます。
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長編悪漢小説『きんぴか』シリーズの第一巻だ。この題にある『悪党』、確かにそれぞれに『悪党』と呼ばれる経歴ではあるのだが、読了後にとても好印象が残る。この三人はそれぞれに直交するような、全く別々のアイデンティティを持っているように思えるが、芯の部分には同じ物があるのかもしれない。三人とも共通して純粋なのだ。純粋すぎて、今の時代にそぐわない。ユーモアたっぷりに描かれているが、そこはかとなくもの悲しさが漂ってくる。浅田次郎らしい作品だと思う。
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多分、一番最初に読んだ浅田次郎作品。
主役3人が大好き。というより、出てくる人間全て大好き。笑いあり、涙ありで十分に楽しめます。何度読んでも面白い!
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実は浅田さんファンで本はほぼ持っているのですがその作品の中でも一番好き。
痛快コメディに近い気がするが終わりが切ない。
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おもしろかった!浅田のおもしろさがすごい出てると思う!
切ない部分もあって、そんで笑える!大好きです☆
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社会の汚い部分によって社会的に抹殺された3人が自分を抹殺し
た人・組織に対して復讐を繰り広げていく.簡単に書いてしまう
とあれですが,この辺はさすがは浅田次郎で3人のキャラがすご
い立っているので面白いです.
軍曹の笑い話の所は,笑いが我慢できず電車の中でクスクス笑っ
てました.
2008.08.15(Fri)読了
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立場も性格も事情も何もかもが違う、汚い心の人間に陥れられた3人の悪党。
こんな3人を引き合わせた向井刑事。
4人ともそれぞれの価値観、譲れない信念をもっているけど、根っこのところは共通して純粋なんだと思う。だからばらばらの4人だけど1つになれるんだなぁ。あと、世の中に一発かましてやろうというスタンスが好き。
それぞれの仕返しはどれもこれもスケールがでかくて、かといって利益や名声に関しては潔くてとても清々しい!一気に読める作品。
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知人に薦められ読んでみることに。曰く、
「漫画みたいですらすら読める。それで
いて考えさせられるところがある」との
ことですが。
シリーズ物なので(3冊ある)考えさせ
られるところはまだ少ししか出てきてい
ないような気はしますが、確かに漫画の
ようにさくさく読めます。
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ピカレスクロマンはいいね。
なんか、すごくかっこいい。
一芸だけに秀でた者が集まってなんかやらかす。
いいね。
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昔かたぎのヤクザ、海外派遣反対の自衛官、汚職事件の罪をかぶった政治家秘書の3人が
超法規的立場で勧善懲悪を行う小説。
勧善懲悪といっても、第1巻は本人の恨みを晴らすだけで終わってしまってるけど。
ウケを狙ったドタバタ劇が多いんやけど、笑のツボが違うのかあまり笑えなかった。
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元ヤクザと元官僚と元軍人 そして3人を集めた元刑事
おまwww
こんな化学反応危なすぎるwwww
面白すぎてガシガシ読めちゃいますwwww
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軽快にさっくりと読める娯楽性の高い小説だと思います。一般的に楽しめる部類の作品。
ただ…私のツボには合わなかった。おもしろいね、だから?それで?ってかんじにとらえてしまう。
一般的にここで感動して笑えてっていうのはわかるんだけど、どーも私は浅田さんの作品は微妙に肌が合わないらしい。
続きを読むかどうか迷い中。