紙の本
軍曹がんばれ
2016/05/30 11:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:端ノ上ぬりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピスケンは、セコハンと知らずに情けをかけてお金を渡す。元新聞記者の草壁が殺されヒデは立ち上がる。歌舞伎町の裏ぶれた所で診療所を開いている尾形。マリアはその確かな技術に驚く。軍曹はピスケンと共にある要塞のような建物を攻撃する。自衛隊の106ミリ対戦車無反動砲搭載。軍曹は西郷どんを心酔し、故郷に帰る。そこで体験したことはいったいなんだったのか。
色々あって笑って泣かせて、いいねぇ。
投稿元:
レビューを見る
「敷居のこちは手前女房が預かるナベカマのシマでございます。どうともお通りになるんなら」女房はやおら腰に手を回すと、肉切り包丁をひらめかせてドスンと床に突き立てた。「主人から預かっておりますこの包丁にかけても、お通しするわけにァまいりません」
投稿元:
レビューを見る
1冊、間に挟んでしまいましたが、きんぴかシリーズ終了。最高に面白かったですね。最終巻は3人が自分自身を見つめなおすことがテーマになっていて、重くなりがちなんだけど、まったくそんなことはなくて、爽快感が漂うのよね(特に軍曹の章なんかはベタベタなオチなんやけど)。また、この3人のお話を読みたいですね。
投稿元:
レビューを見る
プリズンホテルを読んでから、こっちを読んだんですけど、こっちの方がストレートに面白いですね。荒唐無稽ありえない3人の悪党の、それぞれの正義にカンパイ。
投稿元:
レビューを見る
男気と涙と笑い。現代では失われてしまった暖かい気持ちや他人を思いやる気持ちが全面に込められたシリーズでした。
伝説のヤクザ’ピスケン’単独クーデター男’軍曹’末は大臣を約束されてた’ヒデ’世の中を卓越した刑事の’マムシの権左’
この4人を中心に’血まみれのマリア’やインテリ財テクヤクザの福島克也などの脇役からも目が離せない。
感心・笑い・涙。ホントに楽しめた作品でした。
投稿元:
レビューを見る
三人の悪党が出てくるシリーズ第3弾.完結巻だけど,続編が読
みたいっす.第3弾では,元大蔵エリートにスポットが当たった
話が多い.ただ,このエリートが何をするかが見えなかったのが
ちょっと残念.ここは自分の読み込み不足かも.
2008.08.22(Fri)読了
投稿元:
レビューを見る
続けて読みました。今回は少し思いというか総決算
的なこともあるので結末をつけている感じ。
尾形医師がとってもかっこいいと思った。
これだけたくさんの人が出てくるのにそれぞれの個
性を書き分けて楽しませる浅田次郎って天才。
投稿元:
レビューを見る
きんぴかシリーズの第三巻。
一巻、二巻と違って、三人が今後の身の振り方を考え始める展開。
ピスケンがヤクザの大親分にならず、オーストラリアへ逃げ出して
しまうのは、お決まりのパターンじゃなくって良かったと思う。
でも、政治家秘書のヒデさんは、最後まであまり活躍しなかったなぁ・・・
投稿元:
レビューを見る
文句なしの面白さ。流石は浅田氏、稀代のストーリーテラーだ。
三巻全篇を通じて笑わせていただきました。爆笑も幾たびか。
しかし、笑いながらも何故か悲しい。切ない。このあたりが浅田氏の真骨頂である。主人公のピスケン、軍曹、ヒデさん、そして、脇役の血まみれのマリア、緒方清は常識から外れている。はっきり言ってバカである。それも底なしのバカである。少しでも利口ならそんな生き方はしない。
損得勘定ができれば絶対に別の生き方を選ぶ。世間から外れているのだ。それもハンパなハズレ方ではない。そのハズレ方が滑稽で笑ってしまうのだが、切ないと思いながら泣き笑いになってしまう。何故か。浅田氏は損得勘定や要領といったものをそぎ落とした人間を登場させる。生きていく上で誰もが大切にするそのようなものを否定した人物として、否、そうした小賢しさを超越した価値観を持つ人物として三人の主役を登場させる。読者はその滑稽さを笑いつつ、自分が正しいと信じている生き方が本当に正しいのだろうかとふと考えさせられる。そして、本当に大切なものを持っていない自分、失ってしまった自分に気づき落ち着かなくなる。そして、彼らの滑稽さを笑いつつ、いつか彼らをガンバレと応援するのだが、彼らの生き方が今の世の中でうまくいくはずがないことが解っているから切なくなるのである。愛すべき彼らが社会から抹殺されてしまうことが必然と思えるから泣きたくなるのだ。それでも良いのかも知れない。何故なら彼らはそんなこと屁とも思っていないのだから。
「男なら、腹がへってねえってえ嘘は、一生つき続けにゃならねえ」
ピスケンのこの一言が全てを物語っている。
投稿元:
レビューを見る
ピスケン、軍曹、ヒデ。三人の悪漢たちの最後の活躍。
「砦」で人生のつかの間の時間を共に過ごした三人はそれぞれの人生へと帰って行きます。
その後の彼らがとても気になる、続編が読みたくなる作品でした。
個人的には「裏町の聖者」がよかったです。
投稿元:
レビューを見る
きんぴかシリーズ完結編。
3冊目となると流石にちょっと飽きてくるけど、
それは単に1日1冊で3日間ずっとよんでたからかもしれない。。。
銀座の差し押さえ高級ビルを拠点に、人助けというかドタバタを
ずっと繰り返してきた3人も、最後にやっとそれぞれの道をゆきます。
ちょっとまて、その道でいいのか?ってのもあるけど…
ラストがしんみりです。
個人的には福島さんの
「青は進め、黄色は注意して進め、赤は命がけで進め」
が一番ツボでした。
投稿元:
レビューを見る
1,2巻のどたばたという印象が強くって、3巻への魅力が薄かったんだけれども、読んじゃおうと手に取る。
あらーー、こんな3人だったかしら、と新しい印象を持った。軍曹の育ったバックグラウンドと今の家族の裏の顔を知り、人間離れした軍曹が人間らしい純粋な人に見え、気の毒に感じた。ピスケン、マリアがそばにいて本当良かったじゃん。照れなくっていいのに。広瀬、悩んできたんだろうなぁ、好きな親父と母親に対し暴力を振るう親父の狭間で。
全体的に女の存在がないがしろにされるというか、お世話係的にしか描かれず、不浄とまで言われるのは悲しい。
どんな男も不浄な母がいないと生まれないってのに。
この人の本を読むと男になりたかった、と思うんだ。
投稿元:
レビューを見る
とうとう最終巻です
ピスケン、軍曹、ヒデさんの三人が悪者を懲らしめるのがなんとも痛快だったのですが、最終巻は様子が違います
彼らはバラバラに想う所に行ってしまいました
なんだか取り残された様で寂しい限りです
彼らの行く先に幸多きことを!
投稿元:
レビューを見る
ヒデさんも尾形医師も不器用だけど
ものすごく素晴らしい人である。
その二人に愛された奥さんはとても幸せな「ハズ」なのに、
それに気付かない、気付かせないのが浅田先生の技。
やっぱり私は軍曹が好きだな。
投稿元:
レビューを見る
草壁明夫が殺された。広橋をスケープゴートにした大物政治家・山内龍造の悪行を報道した、あの気鋭のジャーナリストが・・・訃報を耳にした広橋は凍りつき、草壁に伝え忘れたセリフを口にするために立ち上がる。一方、ピスケンと軍曹は、ヤクザと悪徳政治家が自己弁護と保身に走る中、正義の暴走を敢行する。三悪漢の破天荒な物語、ひとまず完結!
「チェスト!軍曹」の章がとてもおもしろかった。軍曹は一見無器用で古風な人間だが、そこには独特の人間くささがあって、人を愛するがゆえにまっすぐで、一本気なところに大きな魅力を感じた。
また、どこまでも正義と真実を伝えるために奮闘した草壁のような人間が最近本当に少なくなったことを感じる。「何のために伝えるか」という報道の使命を忘れた現代にあって、彼のような人材を失うことは小説の中の世界であってもとても惜しいことだと思った。