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紙の本
1人の女性の歩んだ道
2004/01/03 00:20
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投稿者:きよか - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品は、1人の女性の生涯とその子供達の生い立ちを描いたものです。登場人物は、誰も名家出身で女性の読者なら、そのシンデレラ・ストーリーに胸を熱くさせるでしょう。
ニューヨークで育ったセーラは、若さゆえに最初の結婚で相手に恵まれず、廃人同様になり、サウザンプトンの別荘で毎日1人、離婚の成立を待つ日々を送っていた。それを見兼ねた両親が、気分転換にとヨーロッパ旅行に連れ出す。
人間、誰しも味わったことがあると思うが、精神がどん底まで陥った時などは、人の親切大きなお世話である。だが後々セーラは旅行に連れ出してくれた両親に感謝することになるのだが…
セーラは両親が親身になって立ててくれたプランをうざったく思い、戻った暁には1人片田舎に農場でも買い、人生を送ろうと考えていたが、その旅行中に運命の男性と出会う。
半ば人生を諦めていたセーラにとっては信じられない展開であり、そして、かけがえのないパートナーとなる。
ここまでの主人公は、なんとなく陰気でパッとしない女性という印象があるが、この運命の人ウィリアムと出会ってからの彼女は、見違えるように華やかで、知的、そして人の興味を惹きつける女性へと変身してゆく。
2人はそうなるようにあったかのように結ばれ、フランスのシャトーで暮らすようになる。そこで英仏連合軍対ドイツ・ナチの戦争が勃発し、ウィリアムは自ら戦いに出向く。戦争中の合間に子供が次々と生まれ、行方不明になり諦めかけていたウィリアムも見つかり、またおだやかな日々が流れてゆくが、物心つくまで父親を知らなかった子供達の中には父親に不信感を抱くものもいた。
片親で育った子供とは、自分がある程度大人にならないと、親のそうした事情というのは、わからないものである。だがこの本のセーラの長男は、父親がこの世を去るまで、心を通わせることはなかった。よほど、憎しみが根深かったのだろう。
子供達は、それぞれ天真爛漫に成長し、親の手に負えなくなり間違った人生を歩んでゆく。だが、最終的にはそれぞれに合った方法でそれぞれの道へと進んでゆく。セーラという母親を中心として…。
セーラの苦悩そして幸せに、とても心打たれる作品でした。幸せであったけれど、それにも増して辛い日々が多かった人生だとは思うが、私もセーラのような人生を送れるものならば、幸せだと思う。