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紙の本
ちび恐竜・ゴンと一緒に泣いて笑う
2003/09/10 11:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:水品杏子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちび恐竜・ゴンの大冒険、である。せりふも、効果音も、一切ない。トーン一切無しの緻密な画、骨太の構成力、で読ませる。
どこかの森やどこかの海辺で無敵のゴンは縦横無尽に暴れまわる。ライオンのたてがみを手綱にサバンアを書けめぐったかと思えば、森の仲間と蜂蜜採りに出かけたり、地底を探検したり、川を塞き止めて森の動物たちの顰蹙をかうが、氷の世界ではペンギンの子供を襲う鷹に仕返しをしたりもする。
このマンガのいいところは、動物の命を描いているにもかかわらず、説教くさくなったりしないところだ。動物の生死に意味をもたせるのではなく、ただ、そこにあるものとして描く。時には「情」というものを書きながらも、決して押し付けがましいところはない。余計な説明一切なし。解説とは無縁のところで物語りは進行していく。
だから、読者は、ゴンと一緒に泣いて、笑う。それが全てだと思う。ゴンや動物たちが、仲間を失った怒りを爆発させている表情を見ると、私も険しい顔つきになっている。満腹になってよだれをたらし、幸福そうな顔をして眠っているのを見ると、私の心も満たされる。そして満面の笑みを浮かべられると、私も知らず知らずのうちににこにこ笑ってしまっているのである。
落ち込んだ時は、このマンガを読み返してゴンと一緒に笑う。素直に心が晴れる。これがマンガの力だ、と思う。
私は小学生の時、父からこのマンガをプレゼントされたのだが、我が父、なかなかやるな、と今になって思う。
どんな年齢の人でも楽しめる作品だと思うが、小さな子供のがいらっしゃる方、ぜひ一緒に読んでみてはいかがでしょう?
連作の形で、現在7巻まで続いているので、何巻から読んでもいいのだが、お勧めするのは7巻のゴンが雛鳥を育てる話である。ラスト、ほろっとくる。