紙の本
天才の若かりしころ
2002/05/21 18:28
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:瑠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1973年、王妃マリー・アントワネットが処刑されたのちのフランスを描く第一巻。本書はいわずとしれた「ベルサイユのばら」を描きあげた著者が、ふたたび同作品のキャラクター(ロザリー、アラン、ベルナールなど)を用いて、ナポレオン帝国の謎に挑む。まったくの無名だったころのナポレオンにはじまり、己の才能だけで運命を切り開いていく青年の勇敢さや、大胆さが綿密に描き出されている。また、分類からすれば少女漫画にあたるだけあって、ナポレオンの恋愛面も大きく取り上げられているため、比較的幅広い年齢層に愛される作品だろう。
「ベルサイユのばら」のころと画風は多少なりとも変化している物の、その完成度はまぎれもなく男装の麗人オスカル・フランソワを誕生させた著者のものである。「ベルサイユのばら」ファンはもちろんのこと、ナポレオンに興味はあるが詳しく調べるのはめんどうだというかた、そして純粋に面白い漫画を読みたいというかた、すべてのひとにご一読いただきたい。
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大真面目のうぶな男
2017/10/25 22:02
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベルばら後のフランスをナポレオンの興亡を通して描きます。
第1巻は、1795年のヴァンデミエールの王党派暴動の鎮圧からジョゼフィーヌとの婚約まで。フーシェ、タレイラン、ベルナドット将軍といったキーマンが続々登場し、アラン、ロザリー、ベルナールといったベルばらメンバーが脇を固めます。
それにしても、天才的な戦略家ナポレオンは女性を見る目は全くなく、大真面目のうぶな男(現代社会だったらストーカー的な偏愛)だったとは意外です。また、家族の幸せのためなら何でもやるというフーシェの不気味さには目が離せません。
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ナポレオンの偉大さをしみじみ感じます。ヨーロッパ史に大きな影響を及ぼした功績、その時代に生きた人の苦しみがしっかりと伝わります。
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ベルばらの登場人物のファンは必見だなと思った。アランとベルナールの葛藤と生き様そして、時代が流れるということをベルばら好きな人間としてはなんとも言えない気持ちになって考えることができた作品だと思う。
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ほぼ一週間で読み終えました。
ナポレオンの数奇な人生を描いた作品です。
全12巻。
ドロドロ加減が、まさに歴史絵巻という感じで面白かったです。
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http://karikaricookielife.blog118.fc2.com/blog-entry-262.html
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ジョゼフフーシェ
サンクルーの風見鶏とあだ名され、陰謀とその見事までの変節漢ぶりで激動の時代をついに生き抜いた、ただ一人の人物。
バラスに仕え、ナポレオンに仕え、やがてはルイ18世に仕えることになる、近世におけるもっとも完全なマキャベリスト。
もう死ぬことなど少しもこわくもない。どんなことでもやれる。人々が私をどのようにあざけり、歴史が私にどのような罵詈雑言を呈しめようとも。
神の意志というものがあれば、たぶん生き残った者にはなさ寝ればならない何かがあるのだ。
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ベルばらの続編的位置づけで描かれてます。
アラン、ロザリー、ベルナールも登場。
たまにアランの回想シーンでオスカルが登場したり、
アランの部屋にオスカルらしき人の肖像画がかかって
いたりするところが面白いです。
アランは随分格好よくなって、エロイカを読んだ後に
ベルばらを読みなおすとアランがますます魅力的な
キャラとして光ります!
絵が随分変わってしまって、動きが悪いと言うか
スピード感がないと言うか、、、
細部まで書き込まれていて綺麗なんだけど魅力がありません。
ベルばらの時の絵の方が良いです。
ナポレオンの戦いっぷりが事細かに説明されているのですが、
それがつまらない。戦いの詳細よりもストーリーの面白さを
求めてしまうので、ベルキャラが出てなかったらつまらない
個所が結構ありました。
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二百年前,ヨーロッパはナポレオンの支配下にあった。コルシカの貧乏貴族の家に生まれ,しがない一軍人だった彼が,時代の混乱のなか頭角を現し,クーデターで権力を握り,三十五歳で皇帝に即位。周囲の反革命諸国に戦いを挑み,国民兵をもって勝利を重ね,革命精神を全ヨーロッパに輸出する。
しかし四十代で没落,帝位を追われエルバ島へ島流し。一年もしないうちに脱出,再びパリに入るが,ワーテルローで敗北し百日天下に終わる。そして流された絶海の孤島セントヘレナで生涯を終える。最近,この稀代の英雄にはまっていて,いろいろ読みあさっている。
はまったきっかけは,池田理代子の漫画(妻所蔵)を読んだこと。彼女の作品には男装の麗人が無闇に出てくるので,今までの評価はいまいちだったのだが,「栄光のナポレオン」はそんなこともなく,面白かった。
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「ベルばら」で名高い池田理代子が、ベルばらの舞台だったフランス革命に続く、ナポレオンの時代を描くとなれば、いやがおうにも期待が高まる。ところが、こちらにはオスカルのような魅力的な登場人物がいなかった……。
そもそも、ベルばらの魅力は、史実とフィクションの巧みな融合にあるんだけど、この『栄光のナポレオン』はそういった類ではなく、伝記マンガだった。そして、主役たるナポレオンはオスカルのように美しくなかった。ナポレオンは、世間では一応英雄や偉人とされているけれど、これを読むかぎりではそれほど魅力的な人物でもない。ある方面に関しては能力をもち、少しばかりのカリスマ性はあったのだろうけど、結局は軍人であって、戦をしないことには自分の存在の有意性をアピールできない人物だったのではないかと思う。今日的にはそれほど評価されないのだろうし、だから私もナポレオンの名は知っていても、生涯はほとんど知らなかった。
皇帝まで上りつめ、転落し、復活し、もう一度転落するという人生。彼自身が望んだ結果でもあろうが、一方で、持ち上げたのも追い落としたのも市民たちが望んだことでもあった。セント・ヘレナ島で流転の生涯を終えた後、また市民たちが望んで遺骸はパリに戻されたという。フランスのシトワイヤン、シトワイエンヌたちもしっかり軽佻浮薄なその時その時の雰囲気に流される人々だったわけだ。ナポレオンはそうした人々にうまいように利用されたということか。
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とりあえずベルばらを読み返したくなる。
フランス革命後の歴史は複雑すぎてよく分からん。。。
何度も行きつ戻りつしながら読了。
全巻読んだら分かるのだろうか。
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ナポレオン・ボナパルトの一代記のようだが、ベルばらに比べずいぶん大人っぽい作品となったものだ、というのが初っ端の感想。純愛とか一徹愛という言葉の相応しいベルばらに対して、本作は、大人の女ボーアルネ未亡人ジョセフィーヌが、全くもって初心な青年ボナパルトを誑かすことからスタートさせる。この一点で、作品で描く関係性を大きく変えてきたのだなと。良くも悪くも「大人」への階段を上り始めた男の成長物語か。