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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.7
- 出版社: 藤原書店
- サイズ:21cm/233p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-89434-183-2
- 国内送料無料
紙の本
新・南北問題 地球温暖化からみた21世紀の構図
著者 さがら 邦夫 (著)
90年代以降急激に加速する地球温暖化により、南北問題の様相は一変した。さらに悪化する経済格差、温暖化の進行による気象災害の激発等、途上国が直面する諸問題を包括的に捉え、世...
新・南北問題 地球温暖化からみた21世紀の構図
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商品説明
90年代以降急激に加速する地球温暖化により、南北問題の様相は一変した。さらに悪化する経済格差、温暖化の進行による気象災害の激発等、途上国が直面する諸問題を包括的に捉え、世界の対応の在り方を問う。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
さがら 邦夫
- 略歴
- 〈さがら邦夫〉1940年東京都生まれ。上智大学文学部卒業。新聞社科学部長、早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員等を務める。雑誌に多方面にわたる論文を執筆するほか、翻訳も手がける。
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紙の本
南北問題を温暖化問題からひもといた異色の書。先進国の発展の裏で苦悩する途上国という構図を鋭く分析
2000/12/01 21:16
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投稿者:木村 智博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先進国と発展途上国の経済格差は益々広がる一方である。これは各種統計類,世界銀行が発行する『世界開発報告』などを参照すれば一目瞭然である。我々はこの状況に慣れてしまったのか,最近ではあまり,「南北問題」という言葉を聞かなくなった。しかし,物質文明をおう歌する一方で,貧困にあえぐ人達がいるのも厳然たる事実。このことを如実に示した書物が出版された。本書はこの「南北問題」を従来の図式とは異なり,温暖化やITなどのキーワードで論述している点で異色である。今,何が問題で,どう解説したらよいのか。この問いに真っ正面から向き合う著者の姿が目に浮かび,熱いメッセージを咀嚼(そしゃく)したい。
温暖化により,多くの途上国が激しい気象災害に見舞われている。1997年のCOP3で取り上げられ,二酸化炭素排出抑制を巡り,先進国と途上国が激しくぶつかり合った。この過程で議論の的になったのが気象災害の頻発,という事象。森林破壊は温暖化に寄与する。荒れ地では土砂が流出し,洪水被害が増大する。また,海面上昇による水没(高潮なども含む),干ばつによる深刻な水不足も懸念される。温暖化が気象災害に拍車をかけるプロセスの解説は他書には見られない。なお,気象学的には温暖化が進展すれば台風,豪雨の増加が懸念される。こうした気象学に加え,食糧問題の観点から農業気象や作物学,さらにIPCCの流れを詳述すれば,より,厚みのある内容に仕上がったものと思われる。
とは言え,本書の構成はしっかりしており,読む者を圧倒する。3部構成で,まず,温暖化による地球規模で生じている異変を解説。次に「南北問題」が旧来の図式ではとらえきれない点を述べる。特にITと重債務国への食糧援助が減っている状況を報告。経済格差が拡大し,同時に途上国内では都市と農村の格差も生まれている。この二重構造をつぶさに観察する。ITが先行しても農業・工業が遅れていればバランスを失う。この問題意識に立脚し,解決策を探る。また,各国の主張,二酸化炭素排出量などのグラフを提示する。
(C) ブッククレビュー社 2000