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商品説明
女性の自己表現の一つの手段としてけなげに闘う女子プロレスラーと、彼女らに自己を同一化させていく熱狂的なファンの少女たち。人間くさいドラマを呈示する者とそれを求める者が織り成す強烈な磁場を考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
花も実もあるシュートなプロレス本の誕生だ
2001/02/09 17:14
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投稿者:川村 卓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロレスを観客の存在抜きに語ることはできない。客層の劇的なまでの変化とリンクしながら今日に至っている女子プロレスはとくにそうである。
女子プロレスを広く芸能ととらえ、その興行形態に民俗学的なアプローチを試みるだけでもユニークだが、それは本書の一面にすぎない。一人のファンとしてコアなファンたちの行動に密着するだけでなく、女子プロレスラーとしての自意識のありようをアジャ・コングに、また一人前の女子プロレスラーになっていくプロセスを天野理恵子(現カルロス天野)に直接問いかけ、彼女たちから生きた言葉を引き出したように、接近戦にも強さを発揮。その上で、従来のプロレス論を踏まえつつ、やる側と見る側の相互に関係し合うメカニズムに迫っていく展開は、どこよりもプロレス会場を自らのフィールドワークの地と定めた著者ならではの説得力をもつ。
メディアとの影響関係、ジェンダー、ルーツとしての女相撲など、本書の中で掲げられている諸課題が今後どう解き明かされていくのか、早くも次作に期待を抱かせてしまう、花も実もあるシュートなプロレス本の誕生だ。