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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.8
- 出版社: 京都大学学術出版会
- サイズ:20cm/231p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87698-310-0
紙の本
大雪山のお花畑が語ること 高山植物と雪渓の生態学 (生態学ライブラリー)
様々な草木が美しく咲き競う夏山のお花畑。しかしそこは1年の大半を雪で覆われた、極めて過酷な世界である。そんな場所で植物たちはいかに生き抜いているのか。可憐な花々の意外なし...
大雪山のお花畑が語ること 高山植物と雪渓の生態学 (生態学ライブラリー)
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- 税込価格:27,720円(252pt)
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商品説明
様々な草木が美しく咲き競う夏山のお花畑。しかしそこは1年の大半を雪で覆われた、極めて過酷な世界である。そんな場所で植物たちはいかに生き抜いているのか。可憐な花々の意外なしたたかさを鮮やかに描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
工藤 岳
- 略歴
- 〈工藤岳〉1962年東京都生まれ。北海道大学大学院環境科学研究科博士課程修了。同大学大学院地球環境科学研究科助教授。著書に「生態学から見た北海道」など。
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紙の本
生態学の第一線
2000/08/30 07:48
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投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
植物は戦っている。この本を読んでつくづくそう思った。
勿論、動物の様に激しく争うわけではない。静かに、黙々としかし、着実に.よりよい場所を確保するために、光をめぐって、花粉を運んでくれる昆虫を奪いあって。そして、その争いは環境が厳しければ厳しいほど激しさを増す.本書で扱われている高山環境では、雪どけが遅く、雪がとけたらもう真夏、すぐやってくる秋までに花を咲かせて実をつけないといけなかったりする。しかも、ほんの100メートル離れただけで雪解けの時期は一ヶ月も違ったりする。当然のごとくそこには複雑な戦略が錯綜し次世代への生き残りをかけて、激しい競争がまきおこる。
本書はそんな植物の生存競争のすばらしさに目を奪われてしまった一人の生態学者の研究の記録である。同時に彼の半生についての回顧録でもある。
同年配の研究者としてこんなに打ち込める研究対象にめぐり合えた著者がつくづくうらやましいと思う。用語が難しいけれど、生態学と進化学に興味がある人々に向けて一線の研究者が書いたこれは良質のモノグラフである。
(田口善弘/中央大学 理工学部 物理学科 助教授 http://www.granular.com/tag/index-j.html))
*****目次*****
はじめに
第一章 雪解け時期の違いが高山の環境を形づくる──風衝地と雪田
1 初めての調査
2 風衝地と雪田という環境
3 雪解け傾度の生態学的役割
第二章 まず植生パターンを見てみた──雪解け傾度と植物の分布
1 高山帯と高山植物群落
2 雪解け傾度と種の分布
3 大雪山の人と生活
第三章 お花畑は動いている──開花・結実のスケジュール
1 高山植物とフェノロジー
2 お花畑の花暦
3 気温変化が作り出す開花パターン
第四章 花粉媒介を巡る植物と昆虫の相互作用──高山植物の繁殖生態学
1 キバナシャクナゲの開花時期と結実成功
2 訪花昆虫の季節性と植物の繁殖特性
3 両性花の性分配変異
4 繁殖を巡る種間相互作用
5 発芽の生態学
第五章 どんな葉っぱを作ればよいのか──葉っぱの生態学
1 葉っぱの寿命の延びるわけ
2 個葉特性の相互関係
3 落葉性と常緑性と窒素と寿命
第六章 山の上での温室実験──高山植物と温暖化
1 一通の招待状
2 二人で始めた国際プロジェクト
3 そして得られた結果
第七章 季節のない世界へ──熱帯高山植物の開花スケジュール
1 キナバル山での一斉開花
2 熱帯高山植物の開花パターン
あとがき