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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.12
- 出版社: 小学館
- サイズ:19cm/661p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-09-356231-8
紙の本
ハンマー・オブ・エデン
インターネットの掲示板に「ハンマー・オブ・エデン」と名乗るグループが、発電所開発の停止を知事に警告。いたずらとして処理されたのだが…。テロリストとFBI女性捜査官との息も...
ハンマー・オブ・エデン
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商品説明
インターネットの掲示板に「ハンマー・オブ・エデン」と名乗るグループが、発電所開発の停止を知事に警告。いたずらとして処理されたのだが…。テロリストとFBI女性捜査官との息もつかせぬ攻防を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ケン・フォレット
- 略歴
- 〈ケン・フォレット〉1949年ウェールズ生まれ。新聞記者、出版社勤務を経て、「針の眼」でデビュー。同作はエドガー賞を受賞し、映画化された。
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紙の本
人工的に地震を起こすって?
2002/11/06 13:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょいかごねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
インパクトのある黄色い表紙、ペーパーバックみたいに分厚い割にはやけに軽い紙質。その外観に裏切られることなく、快速で一気に読みきった。こういう本は面白ければまずマルである。
物語は「人工的に地震を起こす」と脅迫するテロリストと、FBIの美人捜査官の戦いで、まあ、こういう話だからしょうがないけれど最後はFBIが勝つのだが、単なる勧善懲悪的な気持ちのよさが感じられないのは、双方の人物やその背景が詳細に描写され、それぞれに感情移入してしまうからである。同時に、テーマの深刻さがある。都会の飽食に背を向けて自給自足の生活を送るコミューンの人たち、カリフォルニア州の電力事情、そして地震の可能性と恐怖。この3つが物語の屋台骨を形成し、単なるエンターテインメントではない読み応えのある本になっている。
あと、多分これは僕の好みに過ぎないんだけど、この作者、登場人物が心の中で考えたことを(括弧)でいちいち描写してくれるんだけど、これは止めて欲しい。人物がそのとき、どんなことを頭の中で考えているかは、本来前後の描写から想像できるはずなのに、と思う。
紙の本
いい本の造りなんだよね、ページ数の割りに重くないし、紙はザラッとしてめくりやすいし。ちょっと安っぽいけどね。でも私の知る限り黄色いカバーの本に駄作はないしね。フォレット復活とでも言おうか
2003/10/15 21:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ケン・フォレットを知らないという人が、最近では増えた気がする。『針の眼』という小説で華々しくデビューし、その後も作品は書いているものの、方向性がはっきりしないせいか、『大聖堂』が出てからはこの10年、日本での翻訳は細りがちだった。今回は、最近翻訳サスペンスに意欲を燃やし始めた小学館から、厚めのペーパーバックスの形での出版。久しぶりに興味を持って読むことにした。
舞台はシュワルツネッガーが知事になったことで話題のカリフォルニアである。刑事である白人の父とヴェトナム人の母の間に生まれたFBIの女性エージェントジュディ・マドックスは、その有能さ故に敵も多い。彼女の能力を買っていた上司が病気となり、新しく来た上司キンケイドは彼女を目の敵にする。
キンケイドが彼女に仕掛ける数々の罠。それを女性が如何に跳ね返すかというあたり、日本で言えば乃南アサが『凍える牙』『鎖』で描いてきたような設定は、いかにも時代の反映だろうし、こうした問題がそのまま最近の州知事選の争点になるのだから、決して小説や映画の話と思ってはいけない。
そしてこの物語の鍵となるテロの誘因となったのが、新たなダム建設である。山奥で密かに自活の道を歩む集団が、土地を接収されることに対抗する。ここにも環境問題や、マイノリティの問題がある。そして弱者である彼らが選んだ手段がサイスミック・バイブレーターという地殻に音波を当てる機械で人工地震を起こすことだった。
果たして脅迫通りに地震は起きるのか。上司の罠によって捜査から外されるジュディだが、彼女を救うのは、地震の研究をするマイケルとの恋だろう。アレルギーに苦しむ彼の息子のダスティと元妻メラニーとのことなども、如何にも現代アメリカの縮図みたいで、やはりフォレットはこういう現代らしさを取り込むのがうまい。
全体に読みやすい文章で、話のテンポもいい。如何にもハリウッド映画向きで、いやな上司との確執もいい。でもどこか深みが無い。例えばジュディの両親の話は、もっと書きこめばもっと面白くなったはずだ。それから彼女と以前の恋人との話も余りにあっさりし過ぎ。少年ダスティについても描くことはまだある。
映画の原作としてはいいけれど、小説としては弱い。しかし面白い。善悪のはっきりしたストリーのもつシンプルなよさが現れた一作。読んでもいい作家名簿へ、堂々の復帰とでも言っておこう。
紙の本
人為的に「…」は起こせるのか?
2001/06/24 22:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
『針の眼』で有名なケン・フォレットの作品である。
葡萄を栽培しワインを醸造・販売することによって自給自足しているコミューンが、ある日発電所開発のために州から立ち退きを命ぜられる。そのコミューンのカリスマ的存在の“プリースト”と呼ばれる男がこれに反発した。彼にとってはコミューンが人生そのものなのだ。彼とその同士が「ハンマー・オブ・エデン(エデンの鉄槌)」を名乗り、インターネットの掲示板に知事宛ての脅迫文を掲載した。
「発電所開発をやめろ。さもなくば4週間後に…を起こす」
捜査にあたるのはFBIの敏腕美人捜査官“ジュディ・マドックス”。重要な裁判に勝って昇進するはずが、ボスが変わったばかりにイタズラと思われる「ハンマー・オブ・エデン」の事件の担当を押しつけられる。そして、テロリストと化した「ハンマー・オブ・エデン」と白熱の攻防戦を繰り広げるのだ。
“プリースト”には映画『フェイス』のロバート・カーライルを想定して読んでいた。痩せていて、長身で、眼光鋭くてカリスマ性があると来ればうってつけである。映画化されたら是非演じて欲しいものだ。