「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
歴史ある和菓子の世界を、わかりやすく
2008/01/19 16:20
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mikimaru - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段から目で親しむ機会はあっても、なかなか由来などの詳細については知らずにいる和菓子。それぞれの誕生のきっかけや現在の姿になるまでの道のりを、菓子別や大きな種類別に紹介している。
○ 和菓子綺譚 - 花びら餅、母多餅と萩の花、外郎由来ばなしなど10篇
○ 謎づくし十三題 - 椿餅・桜餅・柏餅、きんとん変身譚、すはまと金つば談義など13篇
○ 記憶の彼方から - べらぼう焼きなど珍名菓子、江戸行商の姿、南蛮菓子など10篇
○ 菓子十曲屏風 - 和菓子のデザイン帳、餡の味きき、中国の故事来歴など10篇
——という構成になっている。
モノクロとカラーの写真が適度に掲載されており、名称として初めて聞く菓子があってもそれがどんなものであるかは想像がつくようになっている。
和菓子づくりはけっこう好きで、ある程度までは学んだできたつもりだが、まだ知らないことがたくさんある。たとえばp.145で紹介されている「すはま(州浜)」と「すあま(素甘)」。わたしは餅菓子の「すあま」しか知らないが、「すはま」は棹菓子で、ときに「すあま」として発音されることもあるので混乱が生じるのだとのこと。
たしかに、ネットで検索すると辞書サイトなどで「州浜」=「素甘」と書いてある場所もあるようだが、和菓子屋さんなどで画像を見る限りはあきからに別物だった。
和菓子の世界は広い。関東で「きんとん」といえば正月の料理を連想する人が多いだろうが、岐阜の「栗きんとん」は秋冬の和菓子だし、見た目はちょっと似ていても食感と材料が異なる関東の「練り切り」と、関西の「こなし」など、用語などもかなり多くて複雑だ。
この本では、そうした地域差についてはあまり言及されていないが、和菓子の世界の広がりを感じさせながらもうまくまとめ、一般の人にも読みやすい文章で解説している。和菓子が好きな人ならば、読んで損はない一冊。