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商品説明
指しゃぶりにおいて大切なのは、一律に禁止・放置することではなく、発達保障としての営みなのか、発達の歪みのあらわれなのかを的確にとらえて対処すること。様々な具体例を示しながら、強制しないで治す方法を解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
岩倉 政城
- 略歴
- 〈岩倉政城〉1943年生まれ。東京医科歯科大学院修了。74年、宮城子どもの歯を守る会結成。現在、東北大学大学院助教授。著書に「たのしくむしばをへらす本」ほか。
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紙の本
わかりやすくて、おもしろい
2001/02/18 23:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さるさる - この投稿者のレビュー一覧を見る
保育園、幼稚園の先生、歯科衛生士さん等は、ゆびしゃぶりの相談を受けることは多いとおもいます。
歯科検診で、歯並びが悪くなるからやめさせるように言われた。保育園では放っておいて良いと言われたのに。幼稚園でウチの子がゆびしゃぶりしていたら、きつく叱ってやってください。というような、返答に困ってしまう事があるのではないでしょうか。
ゆびしゃぶりについて、今までこれほど丁寧に書かれた本はなかったと思います。
この子のゆびしゃぶりは健康的な発達の現れなのか、あの子の場合は援助を必要とする問題があるのか。この本を読んで具体的に考えて対応したいものです。
紙の本
指しゃぶりを治さずに治す
2001/03/21 11:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りくパパ - この投稿者のレビュー一覧を見る
指しゃぶりは、赤ちゃんの場合には「かわいい〜!」と共感される一方で、少し大きい子になると親の悩みの種になってくるもの。この身近な指しゃぶりであるが、実は奥が深くて筆者も含め世間の理解は不十分であることを感じさせられた。
本書は、歯科医という“口”の専門家である著者が、そのカウンセリング経験を元に心理的問題にまで踏み込んでまとめた本である。まず、小さい子が指しゃぶりをする理由を背景知識から述べられる。口はもっとも敏感な臓器で、生きるか死ぬかにかかわるために最優先で完成される臓器である。そして、手はその次に敏感だそうだ。一番敏感な口で2番目に敏感な手をしゃぶることで快感が得られ、そのことは子どもの発達にとって積極的な意味を持っている。母親のお腹にいる間も含めて、新生児にとっては指しゃぶりはおっぱいを飲む練習でもあるし、乳児にとっては離乳食の準備でもある。指しゃぶりが生じやすい条件もまとめられている。年齢的には2歳がピークで、女の子に比較的多く、母親が育てている子よりは保育園・幼稚園児に多い。乳幼児期から独り寝をさせる習慣を持つ西欧に多いそうだ。大人に共感を与える赤ちゃん期の指しゃぶりは、2歳以降自然に消えていくことが多いが、心理的な影響等で幼児期以降も続いたり(固着)、爪噛みなど別の症状に移行したりする場合に問題視されることになる。大きくなると間接的に発達への影響が出てくるし、歯並びにも影響が出るからだ。著者は、対策を必要とするのは5歳以降からだというが、勧める対応策は「治さずに治す」である。「指しゃぶりにこだわっているお母さんの子育てを修正する」「指しゃぶりの手を抜かない」「決してしからない」方法であり、直接子どもに働きかけるのではなく、根本にある親子関係に働きかけるということだ。
例としてあげられている小学校4年生の女の子に適用した方法は、1)母親が指しゃぶりをしからない、2)寝るときに母親が側にいてあげて、5分間しゃぶらなかったらシールを貼る、3)お手伝いとしてお茶碗を洗わせる、4)この3つができたらほめてあげる、というものである。このような方法で本当に治り、そして同時におねしょも治ったというから、指しゃぶりは心理的課題そのものであることがよく分かる。
同時に、子どもに歯磨きをしつける方法として、口指あそびが紹介されている。0歳より子どもの頬から口の中まで触ってくすぐって親子で遊ぶというもの。これが、指しゃぶりの予防にもなるというから不思議である。