紙の本
享楽と頽廃の文化文政期の江戸を舞台に愛の姿を鮮烈に描いた有吉佐和子氏の代表作です!
2020/11/08 12:29
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、日本の歴史や古典芸能から現代の社会問題まで広いテーマをカバーし、読者を惹きこむ多くのベストセラー小説、例えば、『紀ノ川』、『華岡青洲の妻』、『恍惚の人』、『複合汚染』、『鬼怒川』、『青い壷』、『悪女について』など次々に発表してこられた小説家、劇作家、演出家であった有吉佐和子氏の作品です。同書は、ひっそりと家訓を守って育った材木問屋の娘お峰はある日炎の女に変貌するという物語で、享楽と頽廃の渦巻く文化文政期の江戸を舞台に、鮮烈な愛の姿を描いた長篇小説です。
紙の本
究極のラブストーリー
2017/05/31 16:52
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
奢侈禁止令の出ている江戸時代、将軍家よりも豪華な花見で島流しになったお峰。
この夫婦が本当に良い夫婦で・・・
見た目は地味だけど高価な紬の着物だったり木綿の帯の芯に金襴を使ったりと江戸っ子の粋が感じられる描写も良いです。
そして島流しになっても食道楽w
あと火事の多かった江戸時代の経済についてもわかりやすかったです。
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有吉佐和子著。本棚にある母の私物の本を拝借し読んだもの。江戸の木材問屋の夫婦の話ですが、江戸っ子の心意気がところどころに盛り込んであって、読み進めるうちにその魅力の虜になる1冊。本屋ではもう置いてないみたいなので、それが残念です。
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私はこういう話しを読むと暗くなってしまう。
贅沢できない身分の女の人が読むと楽しいんでしょうかねー。(もちろん私も贅沢できる身分じゃないけど)
戦時中に書かれた話なんでしょうか?だとしても戦時中にこんな本が出版できたとも思えませんが。
女の見栄心をくすぐる話、好きじゃないなあ。書かれていることは、つまりは「強欲」だけで、人の欲望ってすごく嫌だと思ってしまう。
けど、贅沢な服やものに憧れるのも分かる自分も悲しいですね。
ストーリーは買い物しまくってローン地獄に陥るOLの話と大差なくて嫌いなんだけど、江戸の粋とか江戸の暮らしがよく描かれていてそういうところはよかったと思います。
私の中で賛成意見と反対意見が衝突している作品。綺麗にまとまった作品よりも、こういう賛否両論あるような作品が人の心に残る作品だとも思いますが。
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堅実な商法で財を築いてきた、江戸に200年続く材木屋
お峰と甚三郎の夫婦は若くしてその大店を継ぐのだけど
世の中は変化して、今までどおりの商いができなくなり、
財産をねらう親族には苦しめられる。
壁にぶつかったふたりが出した答えは
なんと真砂屋を「潰す」こと。
途中どうなるのかわかんなくてハラハラするけど
読み終わったあとはとてつもなく爽快で
お峰と甚三郎の夫婦仲のよさもほほえましい。
火事と喧嘩は江戸の華、の意味もやっとわかった
そして何より、出てくるきものがとにかく美しい。
贅に贅を尽くして織り、染め、仕立てた豪華絢爛な着物たち
有吉作品に出てくる着物にはほんとにあこがれる。
読み進めるのがもったいないような美しい文章なのに
続きを読みたいからどんどん読んでしまう、という
幸せなジレンマに陥らせてくれる
すばらしい小説。
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江戸時代に生きる御新造、お峰と婿入りの甚三郎が様々な困難を乗り越え本当の幸せをつかむストーリー。
人物描写においてはどの登場人物も語るに奥深く、現代社会と重ねてみるな中で、人間の変わらぬ本質を垣間見れます。
激動する時代の中、賢くブレない彼らが今この時代に生まれていたら、どんな生き方をしたのだろうと想像してしまいます。
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2010/08/01
読書会の課題本のため読了。
はじめは、お米のような女性は
極めて特殊な人間なのかと思っていましたが、
湯山さんの話を聞いて納得。
この時代、女性が社会で活躍する場も
ストレスを発散する方法も少なく、
抑圧された状況の中で感情が捻じ曲げられてしまったのだと。
そして、現代の女性にもお米に通ずるものは必ずあって、
上記の場が取り除かれた場合、
お米のようになる可能性が誰にでもあるとのこと。
このことからも、近年、女性の社会進出が進んだことは、
確実に女性にとってプラスに働いているのですね。
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有吉作品にこれから入りました。江戸時代の羽振りのいい大店の若夫婦の話。ちゃっきちゃきの江戸の粋が感じられます。また昔の本?江戸時代?と敬遠することなくすんなり話に入り込めます。最後までひきこまれ、また最後がふるってる。とにかく面白い。着物好きさんも楽しめる作品。
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初の有吉佐和子作品。
江戸時代に生きた材木問屋の夫婦の物語。
石屋の三男坊の甚三郎と材木問屋の一人娘お峰の純愛を中心に江戸時代のの閉塞感を描きながら、たくましく生きる町人を描き切った長編。
ひとつひとつのディティールが非常に素晴らしく、江戸の空気感を非常に濃く感じる。
特にセリフ回しは素晴らしく、耳からテンポのイイ江戸弁が聞こえてくる感じが心地よい。
ただ・・・・
物語としては破綻している。
前半は甚三郎・お峰をとりまく江戸の日常だが、後半からはサスペンス調の展開に。
お峰の描き方も前半の少女を思わせる透き通った感じが、後半では男っぷりを感じる江戸女に。
お峰の変化について、原因・心理的変化の描写が少ないため、読者側が非常に混乱する。
なぜ?のままラストへ一気にスパートをかけるが、謎は謎のまま、よさげな雰囲気で物語は終結。
う〜ん残念。
この一点だけでもクリアされていたら、間違いなく
後世に残る傑作になったのにな。
余談だが、物語の重要人物のひとりである七兵衛は圧倒的な存在感!
生き方・思想共に学ぶことが多かった。
デフレの今こそ、七兵衛の生き方が見直されるかも。
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江戸の材木商の一人娘が婿取りして、切り盛りしていく話
時代劇でも江戸の下町の話などはありますが、火事がこんなに生活に影響していたのは知りませんでした。
当時の風俗などもよくわかります。
歌舞伎の役者買いなんて全然知らず。。。
当時は役者の子もいっぱいいたんでしょうか。
最後の衣装比べも華やかで、とても戦時中に書かれたとは思えない作品です。
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題名にもある峰。
有吉作品には珍しく、大人しく従順なヒロインだと思いきや、中盤からだんだんぶっとんでいって、有吉佐和子的な女性になるさまになぜか安心感。
終着点は粗方想像できたけど、それでも峰の行動にはらはらさせられた。
後半は確かに強引で無茶があるが、破茶目茶な幕引きもたまにはよいかなと。
ただ途中から真砂屋そのものをどうするのか?というテーマに移っていくのだが、個人的には初めのほうの真砂屋の仕事っぷりにワクワクしたのでそこをもっとメインで読みたかったという気はする。
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期待を裏切らない面白さ。着物がとても素敵。満開の桜の下で衣装競べなんて一度でいいからやってみたい。江戸で都の桜が舞う場面も素敵だった。うっとり。
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有吉さんにしては・・・
というか、お峰の意図はわかるけれど、ただただお金を使うために苦労して贅沢するような人かな?と違和感。
最終的に誰かのためになるように使うような人かと思うのだけど・・・。