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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.4
- 出版社: 飛鳥新社
- サイズ:19cm/279p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-87031-457-6
紙の本
ギークス ビル・ゲイツの子供たち
「ギーク」とはコンピュータが興味の中心にある新手のオタクのことで、ちょっと前まではバカにされていた人種。アイダホの田舎町に住む二人の若いギークがシカゴヘ。コンピュータ1台...
ギークス ビル・ゲイツの子供たち
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商品説明
「ギーク」とはコンピュータが興味の中心にある新手のオタクのことで、ちょっと前まではバカにされていた人種。アイダホの田舎町に住む二人の若いギークがシカゴヘ。コンピュータ1台を武器に成功するまでの苦闘の記録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョン・カッツ
- 略歴
- 〈カッツ〉『ワシントンポスト』等の記者・編集者、CBSのプロデューサーを務めた。ジャーナリズムについて教鞭をとる傍ら、メディア評論を行う。著書に「ネットワーク乗っ取り計画」など。
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紙の本
5月9日今日のおすすめ
2001/06/07 17:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
たいした英語力がなくても、下品な単語に限って誰でもすぐ憶えるものだ。コンピュータに関連する分野なら、geek(ギーク)や、nerd(ナード)などの俗語がこの種の言葉に相当する。どちらも、辞書では「いけすかない野郎、変態、下衆、ダサい奴」などと常識的な言葉で解説されているが、この言葉を当てはめる最も適切な日本語は、そのものずばり「オタク」だろう。
さて、日本では「オタク」は、1秒たりとも関わりたくない忌み嫌われる人物として扱われている。しかしきわめて限られた状況(アニメや鉄道ファンの集まり、秋葉原のハンバーガーショップ、理系大学の研究室など)では、オタクであることがその場に参加するための前提となる。このへんの雰囲気は、米国でのオタクも同じらしく、彼らは一般社会とは距離を置き、仲間内で集まってはごにょごにょやっている。
では、日米ともにオタクたちは集まっていったい何をしているのか? そんなこと「オタク」じゃない人は知りたくもないだろうが、実はこれがけっこう社会的な評価に結びつくことをしているのだ。本書は、その「役に立った例」をあれこれ紹介するという本。全体を通じてやや弁解くさいところもあるのだが、米国のオタクである2人のギークが、その独特の能力を駆使して、ポジティブに成功していく(というか居場所を見つけていく)ストーリーが展開される。
著者ジョン・カッツ(サイバー系ライター)は、米国のオタク(ギーク)について、次のようにかなり好意的に説明している。
『ギーク:新たな文化的エリートに属する人々。ポップカルチュアを好み、テクノロジーを肯定的に捉え、社会に不満を持つ。ほとんどのギークは、息苦しく無味乾燥な教育システムを軽蔑して来た。このシステムにおいては、彼らは常に、不快な社会的価値観、悪意ある同級生などに取り巻かれて来た。そこで彼らはこのシステムを超え、地球上で最も自由かつ創造的な文化----インターネットとWWW----を築こうとしている。今や彼らは、世界を動かすシステムを動かしている。
彼らは概して頭が良く、個性的である。そのためしばしば恨みを買ったり、孤独、疎外の状況に置かれる。仕事においても遊びにおいても、彼らは好むものに対して異常なまでにのめり込み、また社会のアウトサイダーとして、辛辣な、あるいは残酷な、研ぎ澄まされたユーモアを持つ。一般に権威に対しては懐疑的。今日においては、「ギーク・アセンション(ギークの成り上がり)」は、肯定的な、嫉妬の対象となる言葉である。』
というわけで、米国におけるオタク(ギーク)の立場や状況、考え方などがよくわかる一冊。
(コンピュータ・ジャンル担当:T.H.)
紙の本
世界を支配しはじめている新しい人種,ギークスに迫る必読のノンフィクション!
2001/05/21 15:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山本 純 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ギーク」とは聞きなれない言葉だが,平たくいえばテクノロジーに強い「オタク」のこと。既存の社会やヒエラルキーを否定し,人付き合いは悪く,プライドや独立心が旺盛で,特定の専門分野において他を圧倒する知識と意欲に溢れている。その代表格なのが、パソコン界の帝王ともなっている米Microsoft社のビル・ゲイツ氏である。
学校や職場で彼らは嫌われ,つまはじきにされ,嘲笑され迫害される。しかし,どのような分野であっても,輝かしい業績を残す一部の人々は,どうしてもギーク的にならざるを得ないし,また過去においても多くの先人がそれを証明している。彼らを嘲笑しながらも,彼らのスキルに頼らずには運営できない職場や企業が大多数ではないだろうか。
本書「ギークス」は,アイダホの片田舎からたった1台のコンピュータを武器にアメリカを横断し,自分を否定しつづける社会と戦い成長する少年の,勇敢なサクセスストーリを収めたノンフィクションである。すべてのギーグ的な人々への応援歌であり,彼らを理解できない人々へのガイダンスでもある本書は,すでに始まっている新しい時代を生きるための必読の1冊である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001
紙の本
疎外者達へのオマージュ
2001/04/20 14:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:joh - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ギークス」という言葉を理解しようとするジャーナリストがいた。同じ時期、周囲とは違う自分を「ギークス」と認め、自由になった若者がいた。
「ギークス」とは、社会からつまはじきにされる永遠の反逆者たちが、インターネットの力を得て繋がりを持ったとき、自分たちを誇りを持って呼ぶ名である。本来は「サーカスで鶏の頭を噛み千切りそれを食らう芸人」という侮蔑用語だが、自分達は他人とは違うことを強調し、侮蔑を誇りに反転させ、自分達の独自性を高らかに謳う言葉だ。
内向的な性格、他人とは違う嗜好、サッカーは嫌いで本を読んだりゲームをするのが好き。米国でよしとされる価値観−スポーツができ、明朗快活−とは外れ、学校からつまはじきにされる若者たち。どの世代にもいた疎外者達が、インターネットにより結び付けられる。持ち前の探究心から、コンピュータを自在に操れるようになった彼らは、社会のコンピュータスキルの必要性から脚光を浴びるようになる。会社のCEO達は、ビル・ゲイツのようなドットコム長者に憧れ、コンピュータオタクを重用しはじめたのだ。
そんな時、「ギークス」という言葉に引かれ、「ギークス」達にインタビューをはじめたジョン・カッツ。彼は一人の「ギークス」に惹かれる。それがジェシー・デイリー。大胆で繊細、寡黙で雄弁。聡明な彼をジャーナリストの立場を忘れ、自分の子供のように思い始める。「ギークスならどこでも暮らせる」というジョンの言葉に、ジェシーは生まれ育ったアイダホから、大陸の半分近い距離を移動して、大都会のシカゴへ移住することになる。シカゴでギークスならではの人々との軋轢を体験し、もっとクリエイティブな仕事をと、難関シカゴ大学への入学を志すことになる。しかし、願書提出期限は四ヶ月前に過ぎ、しかも大学進学能力基礎テストの点はかなり低い。ジェシーはシカゴ大学選抜部長に掛け合うのだが……。
疎外されたもの達の怒りと悲しみ、それに向けられた深い愛情。コランバイン高校銃乱射事件が引き金になった全米的なギークス狩りと、ギークスを擁護するカッツの活動を織り交ぜ、青年の成長が描かれている。読了感は爽快。
紙の本
イジメ問題を解決する手引書だ!
2001/05/14 03:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジョー・駿府 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生のとき、ある朝、学校に行ったら自分の算数の教科書がトイレに捨てられていた。今、思えば、あれは「イジメ」だった。
現在の日本では「イジメ」という言葉で差別が行われている。体育会系=普通の人が一般常識だ。ちょっとでも、専門的な言葉を発すればたちまち「マニア」「オタク」と定義づけされてしまう。だが、よく考えて欲しい。世界の発展は、すべて、それら「マニア」「オタク」が発明などを繰り返すことで発展してきたのだ。しかし、今、そんな彼らのタマゴたちが、学校システムの中で「イジメ」によって排除されつつあるのだ。登校拒否児は10万人を超えている。「イジメ」に耐えている生徒はそれの比ではないだろう。自殺するものも少なくは無い…。このままでは未来の頭脳の損失である。
この本は、「GEEKS」というコンピュータマニアの少年の才能を見出した勇気ある人たちのノンフィクションである。そして、この本は、現在の日本の教育システムに一石を投じる1冊といっても過言ではない。
ぜひ、学校の先生、親、すべての大人、そして、「イジメられていて社会との関係を遮断してしまった子供たち」に読んで欲しい。
私は、この本を読んでいて、久しぶりに涙した…。勇気をもらえた気がする。