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商品説明
電気通信・電力・ガス・交通などの公益事業は、70年代後半から民営化・自由化を施され、新たにネットワーク産業として再編されてきた。このネット産業の経済分析の基礎を解説する、『経済セミナー』での連載をまとめた論考。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
産業組織論とネットワーク・エコノミクス | 3-18 | |
---|---|---|
コンテスタビリティ理論と規制緩和:理論編 | 19-34 | |
コンテスタビリティ理論と規制緩和:政策編 | 35-50 |
著者紹介
依田 高典
- 略歴
- 〈依田高典〉1965年新潟県生まれ。京都大学大学院経済学研究科修了。経済学博士。京都大学大学院経済学研究科助教授。著書に「不確実性と意思決定の経済学」がある。
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紙の本
2001/07/08朝刊
2001/07/12 18:16
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済に占める情報技術(IT)の比重が増大してくるに伴い、通信のように需要が増大すると雪だるま式に利便性が高まる外部経済性などの特性を持つネットワーク産業の経済分析が注目されている。米連邦高裁判決で、会社二分割などの一審判決破棄となって議論を呼んでいる、マイクロソフトのOSを巡る独禁法裁判もコンピューターソフトのネットワーク性が焦点だ。
もともとマクロ経済学とミクロ経済学の中間領域としての産業組織分析や競争政策の理論は、ハーバード学派とシカゴ学派が対立しながら発展してきた。しかし近年、ゲームの理論などの新しい分析手法の進化で両者とは違う、ネットワーク産業へのざん新な切り口が得られるようになり、研究が大きく進んでいる。
本書はこの新しい産業組織論を解説し、通信、電力、交通など、経済システムのインフラを形成することが多いネットワーク産業の持つ特性を経済学的に解明する。これらはNTTの分割・再編問題や電力の自由化など具体的な規制改革が議論されるときに必ず出てくる論点だ。どう考えたらよいか参考になる。
経済誌に連載された論文をもとにした著作なので、筆致も比較的分かりやすい。論旨は現在の規制改革、競争政策の議論と交差するが、規制改革論者が強調しがちな「自然独占型産業でも新規参入退出が容易なら、公益事業規制は必要なし」といったコンテスタビリティ論は、理論的には正しいが現実の尺度には不完全とはっきり指摘する。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001