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- カテゴリ:一般
- 発売日:2002/01/08
- 出版社: 小学館
- サイズ:19cm/398p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-09-394233-1
読割 50
紙の本
日本の近代猪瀬直樹著作集 3 マガジン青春譜
著者 猪瀬 直樹 (著)
雑誌の黎明期を駆け抜けた二つの才能と、その哀感を描く、青春小説 ノーベル文学賞作家・川端康成と「マスコミの三冠王」といわれた大宅壮一は、ともに大阪・茨木中学出身。家庭的...
日本の近代猪瀬直樹著作集 3 マガジン青春譜
猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第3巻 マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:17,160円(156pt)
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商品説明
雑誌の黎明期を駆け抜けた二つの才能と、その哀感を描く、青春小説
ノーベル文学賞作家・川端康成と「マスコミの三冠王」といわれた大宅壮一は、ともに大阪・茨木中学出身。家庭的に恵まれず、子供らしい経験のないまま成長していく二人は在学中に顔を合わせることはなかったが、ともに雑誌への投稿に熱中、文学界への憧れを抱く少年だった。紆余曲折を経て上京した二人は、作品が認められない不安や経済的な苦労に追われる無為な日々を過ごすが、同時代を駆け抜けた芥川龍之介、菊池寛、横光利一といった作家たちの交流の中で、徐々にそれぞれの才能を開花させていく。現代の情報化時代の原点ともいうべき、大正時代の雑誌出版草創期の時代精神を背景に、不世出の天才が世に出るまでの闘いを描いた青春小説。【商品解説】
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紙の本
マスコミ関係者必読書
2002/11/17 00:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Winnie - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、マスコミ関係者やマスコミに就職を希望している学生は必ず読むべきである。近代文学史や雑誌ジャーナリズム史を青春小説として面白く読み進めながら、簡単に理解することが出来る。
主人公の川端康成と大宅壮一は同世代で、大阪・茨木中学の先輩後輩にあたる。川端は純文学、大宅はジャーナリズムとまるで別の世界なので文学史では比較されることのない二人だが、実は二人にはいくつもの接点があった。若き日の二人が成長していく過程を実際のエピソードをもとにして痛快に描いている。そこに明治時代の夏目漱石や森鴎外という作家の誕生から、大正時代の投稿雑誌の隆盛、芥川龍之介や菊池寛の世代でのマーケットの成熟などの時代背景を綿密な取材によって事実に即して詳細に説明している。猪瀬直樹著作集のタイトルが「日本の近代」であるのを納得させる一冊である。
著者は当時の原稿料や出版部数に細かくこだわる。「日本の文学史は純文学中心でベストセラーを軽視した。したがって売れ行きについてのデータがほとんどない。それはおかしいのではないか。出版が市場として成立した以上、作家もそれに影響を受けざるをえないのだから」という考えも著者が作家だからゆえである。
一方は孤児であるにもかかわらず生活力に乏しく親戚や菊池寛からの借金だけで食いつないできたやせっぽっちの青年、もう一方は中学時代から苦学しながら家族を一人で養ってきた生活力のあるたくましい男。この二人を対比させながら、「雑誌への情熱」という感情ですべての作家を結びつけつつ、近代文学史を読み解いている。
物語は、二人が芥川の死に接して文壇ギルドの終焉を認識し、自分たちが拓いていく新しい時代を予感するところで締めくくられる。若いエネルギーを感じさせてくれる励まされる一冊である。