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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.8
- 出版社: 青土社
- サイズ:20cm/358p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7917-5904-4
- 国内送料無料
紙の本
日本のアヴァンギャルド芸術 〈マヴォ〉とその時代
著者 五十殿 利治 (著)
イタリア未来派、ダダ、バウハウスなど、西欧の最先端の芸術運動を間近に体験した日本の前衛たち。鮮明な輝きを放つ若き芸術家たちの情熱と創造の秘密を、膨大な資料と緻密な分析から...
日本のアヴァンギャルド芸術 〈マヴォ〉とその時代
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商品説明
イタリア未来派、ダダ、バウハウスなど、西欧の最先端の芸術運動を間近に体験した日本の前衛たち。鮮明な輝きを放つ若き芸術家たちの情熱と創造の秘密を、膨大な資料と緻密な分析から丹念に解き明かす試み。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
五十殿 利治
- 略歴
- 〈五十殿利治〉1951年生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。筑波大学芸術学系助教授。芸術学博士。専攻は近代美術史。「大正期新興美術運動の研究」で毎日出版文化賞奨励賞受賞。
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紙の本
2001/09/30朝刊
2001/10/04 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大正後期は「アヴァンギャルド(前衛)」という言葉が真にふさわしい美術が日本に初めて登場した時期である。「アクション」「マヴォ」「三科」といった先鋭的なグループが結成されては消えていった。彼らの活動には日本の近代美術のイメージを覆すだけのインパクトがあったが、プロレタリア芸術の台頭と都市で進展した大衆化に吸収され短期間で終息した。
本書はそうした「大正期新興美術」の動きを、けん引役を果たした村山知義の行動を縦糸に追い、揺らん期の前衛美術の複雑な展開とその断面を浮き彫りにしている。とりわけ日本の作家たちを前衛へと駆り立てた未来派やダダイズム、ロシア構成主義など、西洋の美術思潮と彼らとのかかわりを具体的に掘り起こしているのが特色だ。
村山らは、絵画や彫刻といった既成の枠を飛び越えて、演劇や建築、デザインといった分野も視野に入れ、パフォーマンスや街頭活動も行った。彼らの行動には、戦後の前衛美術を包んだ熱気を連想させるものがある。その間に二十年以上の空白がある事実は、左翼運動とその挫折、戦争へと突き進んだ時代の閉そく感がいかに深刻だったかを物語っているだろう。
テーマを絞った展覧会の図録に寄せた論文を中心に集めているためか、叙述は個別的で細部にわたり、予備知識のない読者には近づきにくいかもしれない。しかし、可能性を信じ、拙速を恐れず疾走した作家たちの熱い思いは十分に伝わってくる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001