紙の本
「人はなぜ学ぶのか」という問題を心理学ではどう考えているのか
2001/11/01 03:07
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:remi - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年、「生涯学習」という言葉が注目され、「学習」は学生のみならず、すべての人間の「生き方」に関わっているのだという認識が広まっています。
そのような風潮のなかで、「人間はなぜ学ぶのか」という問いは非常に重みを持っています。避けては通れない問題でしょう。本書は、学習への動機づけの問題を心理学という学問はどのように考えているのかをわかりやすく解説したものです。教育心理学の第一人者である著者が、専門書だけではわかりにくい理論や考え方を、噛み砕いて説明しています。
紹介されている理論はもちろん面白いですが、精神科医の和田秀樹氏や社会学者の刈谷剛彦氏との対談も面白いです。畑違いな方々との対話だけに、見解の違いがよく理解できるからでしょうか。
また、本書を読むことによって、どのようにして自分の勉強のやる気を高めるのか、ということを考える上でのヒントを得ることができます。
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かなり前に読んだ。勉強に意欲を失ったときだった。
内容のほうは教育心理学等で教わるようなものだが、結局どうすべきなのが良いという結論にまでは達していない(というか達せるはずもないが)。著者と苅谷氏の対談は良かった。教師−生徒間のミクロな視点を重視する「教育心理学」と社会構造全体を考慮する「教育社会学」の折り合い等について論じている。
…まぁこれ読んでも意欲はわかない。
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学習心理学の基本的な理論から作者の提唱するモデルまでが丁寧に解説されています。また、さまざまな学者との対談を通じて学力低下問題にも切り込んでいます。
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どうやって動機付けをしたらいいのかよくわかります。
またなんで自分の専攻に対してやる気がでないのかよくわかりました。
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これを読んだからといって学習意欲を自己コントロールしバリバリ勉強に励める、というわけではない。
中身は薄い感じがした。
私がひきこもり・ニート生活を脱し受験勉強を始めたのは自尊志向からか。
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大事なところが太字になっていて、とてもわかりやすくなっていたのでよかった。この本は、精神科医の和田秀樹氏と教育社会学者の苅谷剛彦氏の討論を本にしたものである。学ぶ意欲=やる気をだすにはどうすればいいのか?新しく2人が考えだし、やる気を引き出すヒントをもらうことができる。今の人はやる気がないと言っているのを、よく耳にするが、この本を読んで、是非、勉強することに対する意欲をだす、ヒントを得てほしいと思う。
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[ 内容 ]
子どもの自主性を尊重する日本の教育は世界の潮流に逆行しているのか?
教育心理学が「自律的な個人」をモデルにすることで、社会階層差の拡大などマクロな問題が見過ごされてしまうのか?
本書では、心理学の「動機づけ」理論の基本的な流れを踏まえ、最近の教育改革をめぐる論点を、精神科医・和田秀樹氏、教育社会学者・苅谷剛彦氏と徹底討論。
人間の「やる気」を考えるための新しい枠組みを提示する。
学ぶ意欲、働く意欲など、私たち一人一人の「やる気」を引き出すヒントも見つかる一冊。
[ 目次 ]
第1章 動機づけの心理学を展望する(職場における動機づけ 基礎心理学での古典的研究 動機づけ研究の展開 学習動機の二要因モデル Q&A)
第2章 和田秀樹氏との討論(内発と外発をめぐって 勉強法と動機づけを考える ひとこと言いたい三つの話 和田秀樹氏との対談)
第3章 苅谷剛彦氏との討論(苅谷論文は何を主張しているのか 教育心理学からの釈明と反論 教育心理学からの釈明と反論 教育心理学の見直しをどうはかるか 苅谷剛彦氏との対談)
第4章 自分のやる気を引き出す環境づくりと意識づくり(第一ステップ―内容分離的動機から入る 第二ステップ―内容関与的動機を高める 第三ステップ―二要因モデルを越えて Q&A)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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≪目次≫
第1章 動機づけの心理学を展望する(職場における動機づけ
第2章 和田秀樹氏との討論(内発と外発をめぐって
第3章 苅谷剛彦氏との討論(苅谷論文は何を主張しているのか
第4章 自分のやる気を引き出す環境づくりと意識づくり
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学ぶ動機について。動物から子ども大人まで。
学習の二要因モデル。外発要因、内発要因。その学習効果の違いは?
どちらかだけに分類できるわけではなく、学んでいく過程で後者にだんだんとシフトしていくんじゃないだろうかという考え。キッカケとしての外発要因の必要性。
人間は刺激がないと精神が不安定になっていくという過去の実験に驚くとともに恐怖を覚えた。
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後輩に薦められて買った一冊。大学時代に取り組んでいたことが無駄ではなかったと感じた。私個人の感覚としては、基本的には内発的動機付け重視。なかなかモチベーションを持てない場合は外発的動機付けから内発的動機付けにシフト、というのがよいのかと思う。
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積読の2冊、消化しましたぁ~{/hiyos/}
なんかもう「積読消化試合」になってるな・・・{/hiyo_shock1/}
①「学ぶ意欲の心理学」(著:市川伸一)
これは多分ネットでタイトルに惹かれて買ってしまったと思われる
新書だと手頃だから、ネットで「タイトル買い」しちゃうんだよねぇ
内容は・・・
私は個人的に「対談」ってのを読むのが苦手で・・・
この本は対談が半分収録されてました
私が希望?してた「学ぶ意欲」って感じではなく、サラッと読み流して
しまいました
市川さん、ごめんなさい
②「<勝負脳>の鍛え方」(著:林成之)
うぅぅぅん・・・これもネットでタイトル買いだな・・・
割とスポーツを例にして語られているのですが、個人的には
仕事でとかプレゼンの時とか・・・スポーツの場面でない感じのものを
期待してたのですが・・・結局は同じ説明になると思うんだよ、スポーツも仕事もね・・・
ちょっと個人的には「違うな」って感じでした
もうね、ネットで「タイトル買い」するのは禁止にします{/hiyo_ang1/}
ここ最近外してるから・・・
今日もネット買いしようと思ってたのが、調度、本屋さんにあって・・・
内容見たら「・・・」だった
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子どもの「やる気」に関して、心理学の立場から分析したもの。第1章では、心理学における「やる気」に関する古典的研究から、著者の「二要因モデル」までを解説した章で、心理学の一般的な知識を学ぶことができる。第2章と第3章は他の学者との対談で、第4章がまとめとなっている。全体的に読みやすく、分かりやすい。
第1章の部分は、ソーンダイクとかアンダーマイニング効果、とか教育心理学で学んだ内容が復習できるので良いし、第3章の対談の中でも述べられているが、こういった基礎的な研究を知っておくことはとても大事だと思った。第2章の対談は、学者同士の言った言わないの喧嘩を見ているような感じがないこともないが、著者の理論や、特に「内発的」ということに関して、理解を深めることになるので、良いと思う。第3章の対談は、刺激的で興味深い。特に、対談相手の教育社会学者の鋭い指摘を交えての対談が面白かった。例えば「内発的な学習意欲」という言葉自体に心理学的なニュアンスを持っていて、だから無条件に科学的、学問的だとみなされる(p.189)といったあたりや、「教え込み」が悪いことの象徴とされ、「知識軽視」の傾向が強く文科省に現れる(p.178, 187あたり)、といった部分はとても共感できた。
本文の内容を踏まえて、章末にはQ&Aという形で、著者と素人との対談も載っており、さらに理解しやすいものとなっている。3年前に別の教育心理学者の『ほめるな』という新書を読んだが、同じ「やる気を引き出す」ということを考える材料としては、この本の方が、学術的にしっかりした根拠を持って論が展開されているのが良く分かる点で、断然良いと思う。(11/12/19)
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教育心理学の権威といわれ、中教審の委員などを務められる市川伸一先生の著書です。
教育心理学の観点から、現代の教育を考察しています。
本の冒頭で、教育心理学の基礎知識、市川先生が提唱する「二要因モデル」などを概説しているので、無知な人でも学習しながら読むことができます。
最終章では、やる気や学習意欲を出すためのアプローチ法、環境づくり、意識改革について、さまざまな方法・理論を述べられ、試してみたいものばかりでした。
もちろん、学校の授業で実践できそうなものもあります。
本書のなかで、「東大教授の意見も疑ってかかれ」という節では、なるほど、と思わされました。
私は、この本を読んで、「心理学からみた教育」に関する本を、もっと読んでみたいと思いました。
教育心理学を深く学んでみたい、心理学という観点から教育を考えてみたいという方には、“窓口”となるような一冊だと思います。
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市川伸一という著者を古くから知る人は、口をそろえて「東大の文学部心理学科の中でも、昔から抜群に頭のキレる人だった」という。なるほどそうなのだろう。この人の著作のどれを読んでもその天才ぶりを感じることができる。この人の頭のキレのすごさがよく現れるのは、物事を解釈するときである。世の中にある複雑な現象、世の中にある様々な学説・理論をそれはもう鮮やかに意味づけ、結びつけられるところにこの人の頭の良さが垣間見られる。「あ、一を聞いて十を知るってこういうことか」と頭をガツーンとやられた気持ちになるのだ。本書は人間の学習について「動機付け」との関連から論じていくものである。一般人をターゲットにする新書だけあって、和田秀樹との対談など読みやすく仕上げられている。しかしながら、一般向けのさがか、どうも今一歩という感じは否めない。ってことちょっと辛口の★3つ。
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動機づけ理論の歴史・基礎を振り返って、最近の日本の教育について和田秀樹氏、苅谷剛彦氏と討論しています。外発から内発への移行・ヒドゥンカリキュラム・学習動機の2要因モデルが参考になりました。
学ぶ意味は「なりたい自己」と「なれる自己」を広げること、という考え方は良いと思いました。また、「大人が勉強するような社会になれば、子どもも多少は勉強してくれるんじゃないかと」(P131)いう和田氏の発言に納得してしまいました。