紙の本
アメリカの詩人であり、児童文学作家でもあるマーク・ストランド氏が描く繊細な意識を散りばめた処女作品集です!
2020/11/05 09:21
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、アメリカ現代詩界を代表する詩人であるとともに、児童文学作家、翻訳者、編者、評論家など多彩な顔を持ったマーク・ストランド氏の処女作品です。同書は、「実を言うとね、僕は以前は犬だったんだよ」、「犬ですって」、「うん、コリーだったんだ」という会話で始まる面白い小説です。実は、同書『ノルウェーの森』などの作品で知られる村上春樹氏が見い出した人物で、その作品には、とことんオフビートで、かぎりなく繊細な意識が散りばめられた秀作です。ぜひ、一度、読んで頂きたい小説集です。
紙の本
不思議な世界
2002/01/30 19:44
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投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語のイディオムで「Dog's life」といえば、困難な人生のことを意味します。この奇妙な味の短編集とそのタイトルとの兼ね合いは理解しかねますが…。マーク・ストランド氏の、詩とも散文ともショート・ショートともつかないこの不思議な文章は、読者を幻想世界へといざなってくれることは間違いありません。美しく、何気ない言葉で、不思議な雰囲気が作られています。赤茶色の表紙もイラストも、なにげにせつなく、また村上春樹氏の訳も秀逸です。
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マーク ストランドという詩人の短編集。本職が詩人なだけに、文章をただ追っていくだけでは、ものすごーく分かりづらい。でも感覚的に理解すると、心にひどく訴えるものがある。村上春樹が以前からひっかかっていて、訳したのも納得。この作品に出会えてちょっとうれしい。
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これは、ひょっとして詩なのか?と思う作品に高橋源三郎の「さようならギャングたち」という作品があるが、これはその雰囲気に似ている。
よく見てみれば筆者は詩人だそうです。成る程。
昔書いたレビュー。
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アメリカの詩人による処女小説集。だそうだが。やっぱり、小説というよりは、限りなく<詩>に近い。ストーリーなんかはほとんど意味がなくて、筋を追おうとするのは無意味。センテンスの流れや描かれているシーンの雰囲気を感じるための<小説>なんだろう。はじめの方の短編は不思議ながらもまだなんとなく小説の体を保ってはいるものの、半分より後ろはもうほぼ理解は不可能。ただ、それを楽しめばよいのだ。(2003 Sep)
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080513(a 080622)
090228(c 090314)
090811(a 090831)
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どの話読んでもメランコリーな気分になるんです。
そして匂いもするんです。
無性に悲しい気分になるのに無性に読みたくなるんです。
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内容(「BOOK」データベースより)
「実を言うとね、僕は以前は犬だったんだよ」「犬ですって」「うん、コリーだったんだ」―とことんオフビートで、かぎりなく繊細、村上春樹があらたに見出した、アメリカ現代詩界を代表する詩人の異色の処女“小説集”。
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人間国宝級の詩人が書いた短編小説です。
詩人だけあって一つ一つの言葉の選び方、切れ味はさすがに良い。
話自体は結構飛んでる設定のものが多い。
蝿に向かっていきなり「お父さん!」って叫ぶ人の話。結婚を繰り返す人(しかも本気の恋愛ばかり)。自分が昔犬だった、という話を妻に告げるべく、然るべき話すタイミングを窺っている夫。
個人的には上に書いた三つの話が好きでした。
実は以前読んでみて「これはついていけない(あるいはついていかなくてもいい)」と思って断念したのですが、最近不意に再読したくなって読んだところかなり良かったです。
ありえない設定に説得力を持たせる文章が魅力的です。
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やっぱ村上春樹はあわん。独特な軟派な文を物足りなく思うのです。それは翻訳でも一緒。好みの問題なのでしょうがない。
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マーク・ストランドの短編集。村上春樹訳。
詩人らしく一行の中にたくさんの言葉がちりばめられている。
はっきりと映像が目の前に広がった「二つの物語」。
たった6ページの中に全く異なる二つのストーリーがある。
こういうとき言葉の持つ力の大きさを感じる。
二つとも、最高に心地よい「生」の時間を過ごす人と
生命あるのものにいつか訪れる「死」が表裏一体となって
展開する短編。この「二つの物語」のインパクトが強く
しばらく頭から離れなくなってしまった。
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夫は妻に言う。「実を言うとね、僕は以前は犬だったんだよ。」
そんな唐突な始まりによる表題作を含む短編集。著者はMark Strandというアメリカ詩人。翻訳はあの村上春樹センセイ。
どの話もナンセンスで、オチがない。読み終えて、どんな感想を持つのか、十人十色で、つかみどころのないな小説たちだ。シュールもあれば、エロもあり、クレイジーもある。翻訳した村上センセイは「散文であり、イメージの羅列」と、あとがきで語っている。
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“合衆国桂冠詩人”の称号を受けた詩人による唯一の短編集。物語というよりは感覚で捉える詩的イメージの羅列が心地よく、時としてそのシュールさに笑わせられることも。「ザダール」が強く印象に残った。
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読みにくいし、個性が強すぎるし、なんなんだこれは、前衛的すぎないかなんて読み始めの頃には感じました。でも、読み終わりが近くなるにつれてそのアクの強い感じなんかに一種の愛着みたいなものを持つようになるんですよ。「あぁ、悪くないわ、これ」っていう。そういうヘンテコだけれど愛すべき短篇集。
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詩人マーク・ストランドの唯一の「短編小説集」。
200ページの一冊に14の短編が収められていることからも分かるように、ひとつひとつが非常に短い、「ショートショート集」のような印象である。
作品は、どれを取っても風変わりなものが多く、軽く読み飛ばす程度では首を捻ってしまうようなものばかりである。メタファーがよく効いていることは分かるのだが、深い意味を追求するのは至難の業であろう。
訳者後書きの言葉を借りれば、この本に収められる作品は「物語性」よりも「語り口」を重視している。
小説にストーリーを求めてしまう自分としては多少難解で物足りなく感じる部分はあったが、作品の「風変わりさ」を楽しめる一冊であったとも言える。