「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
一乃は、夫・鉄幹と四歳になる幹太郎と三人で富岡八幡宮の近く、冬木町の長屋に暮らしている。大店の跡取り娘でありながら、駆け落ちして鉄幹と一緒になった一乃は、貧しくても幸せな日々を過ごしていたが…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山本 一力
- 略歴
- 〈山本一力〉1948年高知県生まれ。都立世田谷工業高等学校電子科卒業。「蒼竜」でオール読物新人賞、「あかね空」で直木賞を受賞。他の著書に「損料屋喜八郎始末控え」「大川わたり」がある。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
読んでいるうちに熱くなる本です!
2002/06/28 08:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:斑鳩の里より - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の山本一力さんに興味があってこの本を読みました。
日本橋の両替商本多屋の跡取り娘一乃が、駆け落ちした鉄幹と息子の
幹太郎とともに富岡八幡宮近くの冬木町の長屋で苦労しながらも生き
生きと生きていく様子にとても勇気づけられます。
徳川11代将軍の家斉の時代に貨幣の改鋳があり、それを悪用した贋金事件
や人さらい事件などに一乃が首を突っ込み、長屋の住人との連帯感でみんなが
命がけで問題を解決していくさまはとても感動的でした。
あとでタイトルの牡丹というのは花火とわかったのですが、この大きな音の
花火がうちあがって問題が解決した時は痛快でしたね。
これぞ時代小説という作品で、多くの人に読んでもらいたいです。
紙の本
主人公が暴走していく姿があまり好きではありません。でも、これを可愛いと思う男性も多いんでしょうねえ。金にまみれた男たちの姿は、このころから頻繁に登場していたんですね
2006/06/25 21:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日本橋の両替商本多屋の一人娘 一乃は結婚を父に反対され、家を飛び出し、今は冬木町の八兵衛店に夫の鉄幹と息子の幹太郎と幸せに暮らします。一乃が農家の山で見つけた一分金が招く悲劇」時代小説。
直木賞受賞後初の作品だそうです。巻頭に大判と一分金の図が載っていますが、意味があるのでじっくり味わってください。
一乃が店の番頭頭取の嘉兵衛と楓川沿いを歩いていて、因縁をつけられて困っていたときに助けたのが鉄幹です。口こそ達者で頭はよいのですが、腕のほうはからっきしダメな男。しかし2人はこれが縁で結ばれます。納まらないのが一乃の父親で両替商本多屋の主 木三郎。伝家の宝刀、勘当を持ち出したのですが一乃はあっさりこれを受け入れ、家を出てしまいます。
文政4年の江戸が舞台です。彼女と鉄幹が住んだのが冬木町の八兵衛店。そこに住んで既に五年が経ちました。暮らしは決して豊かではありません。鉄幹は子供たちに学問を教えてお金は得るものの、それは僅かなもの。
そこで一乃が始めたのが野菜の行商、通称棒手振です。仕入先がいいこともあって、商売は順調でした。ある時、仕入先のおせんの家で旬の筍を掘る羽目になりました。その時彼女が見つけた一分金。
彼女が暮らす八兵衛店。産婆のお加寿が開く産み屋。一乃が手伝う加寿のもとで、出産真近のおかねが夫 清吉の来るのを待っています。しかし、姿が見えなくなってかなりの時間が経ちます。心配になって様子を見に行った兄妹が男達に襲われました。
タイトルの意味は、読んだら分かるので楽しみにしてもらうしかありませんが、後半、一乃が暴走していく様が、私にはたまらなく嫌でどうにかならないものかと思いますが、案外ここらを可愛らしいと喜ぶ向きも多いのでしょう。
時代と経済を話の展開に上手く取り入れ、如何にも味な終わり方をします。甘めの部分は、藤沢周平が暗い作品で直木賞を受賞して変化して行ったのと対照的です。むしろ、今の作品では男たちが金につかれた姿ばかり。その萌芽はこのころから合ったんですね。ま、上手いと思ったら、1948年生れですから当然かもしれません。