恋を何年休んでますか〜ホームページ・トークバトル集〜 Ｙｅｓ ｏｒ ｎｏ？

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投稿者：杉田宏樹　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　人気ドラマのホームページに視聴者から寄せられた投稿を再収録、書籍化した企画本である。このドラマがオンエアーされていた時は、ぼくの周囲でも大いに盛り上がり、留守録をし忘れた友人（女性・バツイチ独身）にビデオを貸してあげた、なんてこともあった。ドラマのストーリーは既婚女性３人のうち２人が、新しい男性と出会い、昔つき合っていた彼と再会し、心が揺れていく様を描いたもので、それが多くの視聴者（圧倒的に女性）からの反響を呼んだ。夫も子供もいる女性（＝妻・母）が、他の男を好きになり、肉体関係に及んでしまうことは、今の社会においては許されない。そんなことは誰だってわかってはいるけど、心と体は理屈通りにはいかないもの。視聴者の投稿は、文字数が限られているが、どれも実生活と照らし合わせたリアルな人生模様が披露されており、ある意味でショッキングと言っていい。いくつか例を出すと、「主婦も恋をしていい」と思う人は、何と86％もいる。「昔の恋人に会いたい」女性は79％だ。「浮気された経験がある」人は71％。いずれも高い割合を示している。彼女たちに共通するいくつかの意見が興味をひく。結婚して家庭を築いたけれど、昔の彼が忘れられない。もし会うことになったら、絶対にダイエットしなければ。最も多い話が、数年あるいは十数年ぶりに偶然昔の彼と再会し、それがきっかけで定期的に会ったり、メールを交換したり、あるいは恋心が再燃したり、といったもの。時間が経てば相手を許すこともできるし、お互い人間的に成長もしている。だから新しくいい関係を作り上げることができるかもしれない。ドラマの中で印象的なセリフがいくつかあった中で、極めつきの名文句だと思ったのが、森尾由美が小泉今日子に投げかけた「恋は、愛に負けるの」。この言葉に対する視聴者の反応は、72％が“Yes”。最終回で黒木瞳が年下の伊藤英明へ走った点だけは意外だったが。　（bk１ブックナビゲーター：音楽評論家／杉田宏樹　2002.04.04）