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商品説明
幼少期より強迫神経症に悩まされながら、単身アメリカに渡り、ハプニングの女王として時代を席巻した天才芸術家・草間弥生による初の瞠目の自伝小説。今も前衛として世界に発信する比類なき才能の軌跡。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
草間 弥生
- 略歴
- 〈草間弥生〉1929年長野県生まれ。京都市立美術工芸学校で学ぶ。シアトル、ニューヨークを拠点に創作活動を展開、現在は東京に本拠地を移し活躍。著書に「すみれ強迫」など。
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著者/著名人のレビュー
強迫神経症に苛まれ...
ジュンク堂
強迫神経症に苛まれながら、50年代後半に単身アメリカに渡り、ダリやウォーホルらとの交流の下にハプニングの女王として一斉を風靡。今も前衛として世界に発信する、国際的造形作家の軌跡。乱交パーティと芸術創造の日々を赤裸々に描く、瞠目の自伝。
【目次】序/第一部・ニューヨークに渡って――前衛アーティストとしてのデビュー 1957~1966/第二部・故国を去るまで――画家としての目覚め 1929~1957/第三部・反戦と平和の女王となって――前衛パフォーマンスの仕掛け人 1967~1974/第四部・私の出会った人、愛した人――G・オキーフ、J・コーネル、A・ウォーホル他/第五部・日本に帰ってから――日本から発信する世界のクサマ 1975~2002
「人生は真実素晴らしいとつくづく思い、体が震えるほど、芸術の世界は尽きることなく興味があり、私にはこの世界しか希望のわく、生きがいのある場所は他にないのだ。そして、そのためには如何なる苦労をしても悔いはない。私はそのようにこれまで生きてき、これからも生きてゆく」
出版ダイジェスト:2006年1月
テーマ『独立独歩にして異能異才 もうひとつの自伝・評伝』より
紙の本
反復強迫を芸術へと転化
2004/11/26 11:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:arte - この投稿者のレビュー一覧を見る
草間は女学生のころから、「物体の周りにオーラが見えたり、植物や動物の放す言葉が聞こえたり」、といった幻覚や幻聴をしばしば経験したという。そうした幻覚を形にするためにスケッチを始め、やがて絵ばかり描くようになったそうだ。やがて、自然界や宇宙、人間や植物、不思議や怖れや神秘的な出来事が彼女を追い掛け回し、半狂乱の境地に送ることになる(後に強迫神経症と病名がつく)。それらを描きとめることが「唯一の逃れる方法」であったと彼女は言う。「絵を描くことは切羽つまった自らの熱気のようなもので、およそ芸術とは程遠いところから、原始的に、本能的に始まっていた」。
彼女は28歳でニューヨークに渡り、60年代には画家から前衛芸術家へと変貌を遂げ、パフォーマンスの形態をとった「クサマ・ハプニング」などで評判をとっていく。その間、裸の男女を使った「ボディペインティング」などでも、トレードマークの網目や水玉模様を一貫して描いて行く。保守的で箱庭的な日本から開放され、当時の世相や社会体制に訴えるパフォーマンスを熱に浮かされたようにアメリカで展開していく過程が、生き生きとして興味深い。「死に至る反復強迫を逆手に取って芸術へと転化し、自己治癒を図る」彼女が、やがて造ることに没頭し、創造が生きる目的のようになっていく。
70歳を過ぎた今もエネルギーのつきない彼女は、芸術家という名にふさわしい生き方をしてきた数少ない人だと思う。
紙の本
前衛芸術家としての自信と,原点としての少女時代
2012/04/27 22:29
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
前衛芸術家としての自身と,これまでおこなってきた 「ハプニング」 などのパーフォーマンスにつよい自信をもっていることがわかる. 著者を評価するおおくの評論が引用されていて,それが自信につながっているようだ. この本における自身に関するいいまわしは,驕りともうけとれる. しかし,驕ってつぶれていく作家とはちがうことは,これまでの著者の活動からわかる.
この本では,ひとを裸にする 「ハプニング」 や特異な創作物が著者の少女時代の経験に由来していることもしめされている. これまで不可解だった部分が,この本によってわかってくる.
紙の本
生きることは描くこと
2002/10/31 15:35
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:penerope - この投稿者のレビュー一覧を見る
もうかれこれ10年前、自分は絵描きになってやると息巻いていた20歳の頃。休日にはたった独りで美術館巡りをしてた時期、品川の原美術館ではじめて彼女の作品を知った。
狂おしい程の反復、点、黄色と黒に彩られたかぼちゃがなぜそんなに僕の興味をかき立てたのかはわからないが、とにかく僕は夢中になって彼女のことを知ろうとし、いろんな本を買いあさってはどんどんのめりこんでいった。もちろん彼女の小説も読みまくった。
この希有なアーティストは精神を患っているようだ。彼女自身のビジュアルもそうとう過激だが、本書に書かれている事実をまのあたりにして僕はひどく動揺してしまう。
「人生のスピードを上げるのよ!」といったのは鈴木いずみだったろうか。高速回転しながら爆走する鉄の塊のイメージは草間弥生にもあてはまるだろう。とにかく自分の欲望にこれだけ忠実になれなければいいものが創れないのだろうかと僕は不安になるけれど、この、決して自分では体現できない猛スピードの人生は僕をとことん魅了してやまない。生きることそのものは創造することでしか成り立たない、その究極がこの本には記されている。みんなも驚いてほしい、岡本太郎のシンプルなメッセージが多くの芸術家の卵たちに愛されているのとは対局の表現で、草間弥生は発熱し続けている。
僕の携帯電話には黄色いかぼちゃがぶら下がっている。生きることに無関心になった瞬間にはこのかぼちゃをぎゅっと握りしめ、「まだまだだ」とつぶやいてみる。どこまでも生きてやろう、創ってやろうという声が胸の内で反響する。
紙の本
2002/04/28朝刊
2002/05/24 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一九六〇年代から前衛アーティストとして活躍してきた草間彌生の自伝。二九年に松本市の名家に生まれたが、十代になって幻覚幻聴に悩まされた。絵を描くことで苦しみを芸術へと昇華させてきた激しい人生がつづられる。二十八歳で単身米国へ渡り、ニューヨークでデビューと同時に成功をつかむ。六〇年代には裸の男女を使った「ボディペインティング」などのハプニング芸術が社会現象を起こした。網目や水玉模様を一貫して描いてきた創作の理由、親交があったジョゼフ・コーネル、アンディ・ウォーホルら芸術家とのエピソードも興味深い。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001