「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
日本人と中国人は永遠に理解し合えないのか? 中国にまつわる「定説」を逆さまに眺めてわかった恐るべき事実。日本在住15年余の気鋭の政治学者が語る、日本人が知らない現代中国人の驚くべきホンネ。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
趙 宏偉
- 略歴
- 〈趙宏偉〉1954年中華人民共和国遼寧省生まれ。吉林大学文学部卒業後、新聞記者を経て、86年に来日。東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻で博士号を取得。現在、法政大学助教授。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
正論、定説、通説には疑いの眼を
2002/06/26 07:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙には、マンガちっくで愛嬌があるが不敵な笑みを浮かべているようにも見える中国龍(チャイニーズ・ドラゴン)が、椅子にふんぞり返っている絵が描かれている。この本の中身を、たった一枚の絵でズバリ表現していて感心してしまった。
中国政治と東アジア国際関係を研究し、日本在住20年にもなる趙宏偉さんが、中国についての正論、定説、通説を逆さまに論じて、中国の現状を浮き彫りにする。逆説を次々に打ち出して論破する様子は痛快であるのだが、爽快感より悲壮感が占める度合いが増えてくる。読み終わって本をパタリと閉じる頃には、冷汗がじっとりと滲んでいた。
私は中国についてどれほどのことを知っていたのだろうかと考えさせられた。
「made in China」を「粗悪品」と読む。民主化を実現できない遅れた共産国。「一人っ子政策」に見られる自由のない国。文化大革命に見られた国民の結束。
中国四千年の歴史を評価しても尚、遅れや貧しいなどのマイナスイメージの言葉を引っ付けて中国を語っていたように思う。技術援助は不可欠だと思っていた。が、しかし、「技術援助」などという表現は陳腐であることを知らされた。日本を含めて、アジア諸国あるいは全世界が、ブラックホールならず中国のレッドホールに吸い込まれようとしているのである。すでに台湾などはもぬけのからである。
「正論」、「定説」、「通説」などというものにどっぷり浸かっていると、「オハヨ〜、オハヨ〜」と叫ぶオウム、あるいは、「わたし、リカちゃん。わたし、リカちゃん。わたし…」と繰り返す人形のようになってしまうのだろうと感じた。
北朝鮮の亡命者が北京の日本総領事館に駆け込んだところを、中国側が押し入って彼らを連れ去ったという事件は、まだ記憶に新しい。
「日本は中国外務省に断固たる抗議を!」と、オウムのように繰り返す気持ちは、今の私にはない。