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紙の本
山は、いいなぁ
2003/05/31 17:26
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投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
登山を第一の趣味とする私にとっては、本書を知って手にすることは容易に想像出来るであろう。
本書は、「山と渓谷」に3年間連載されたコラムを単行本として纏めたものである。従って、各章毎の繋がりは少なく、それぞれが独立した構成となっていた。本書を通じて一貫した主張は、山は、「個」というもを確立するのに大きな手助けになる、また、そうでなければならない、という事である。
剣岳や白馬等、実際に登った事のある山々が多々出てきて読んでいて楽しく飽きなかった。
山とは直接関係無いが、「標準語」と「共通語」をちゃんと区別して理解している著者を尊敬する思いである。一般人は、いわゆる「標準語」が正しい日本語であると理解している。「共通語」という言葉さえ、知らない。しかし、本来、正しい日本語は、「共通語」と呼ばれるべきなのである。「標準」とは、ある基準を満たして「標準」なのである。ならば、方言は、基準を満たしていない劣った言葉という事になる。著者は、「共通語」を次のように定義している。「「共通語」というのは、実際あることばを幅広く含む概念です。権威が決めたり定義したりしたものとは全然違う」。
本書の結びとして、著者は、「登山人口一千万というこの日本に、一千万の「なんで山登るねん」が生まれることを、僕は望んでいるんです」と言っている。そこで、私も、私の「なんで山に登るんかのぉ」を書いてみたいと思います。
1.山は人間の偉大さと小ささを同時に体験させてくれる
山という大自然と対峙した時、必然的に自分の小ささを感じる。しかし、山に登って一日の行程を振りかえった時、二本の足でこれだけ歩けたという自分の偉大さを感じる。
2.山は正直である
山は、人に媚びない。真実の姿を我々に提示する。
3.自分の限界を知る事が出来る
本当の意味で自分の限界を知れば、本当の意味の謙虚さが身につく。
4.本当の意味の独立心が養われる
山では、全て自分で判断しなければならない。特に単独行では、その極地である。この事は、自分の決断力を高めるのに役立つ。
5.山小屋に着いての一本の缶ビール
山小屋に着いて飲むビールほど旨い飲み物を私は知らない。
他にも、まだあると思うが、今、思いつくのはこれくらいだ。
会社での昼休みを利用して読んだのだが、昼休みが楽しみになるほど、楽しく読めた。