「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
デフレスパイラル、出版不況が喧伝されるなか、驚異の躍進を続ける書店・ジュンク堂。元大番頭が語る「変わった本屋」急成長の秘密。専門書の充実、椅子の設置…街の書店が生き残るための、小売のヒントがここにある!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
渡辺 満
- 略歴
- 〈渡辺満〉ジュンク堂書店立ち上げに参画して三宮店店長、統括本部長、総務部長を歴任。ジュンク堂の躍進を支えた。2001年同社を定年退職。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ジュンク堂だいすき!!
2003/01/14 16:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タジー - この投稿者のレビュー一覧を見る
池袋にジュンク堂ができてから,ボクの行動範囲は東京・神田・新宿から池袋中心に変わった。ジュンク堂とその周囲にあるお店を回れば,新刊で手に入るほとんどの専門書はそろうからだ。
特にジュンク堂は増床する前から,落ち着いたインテリア,大きな窓,詰め込みすぎず,余裕のある棚の配列などで居心地がいいなあ,と思っていた。もちろん,「座り読み大歓迎!」のコンセプトにもやられた。時間のある学生時代には,一度ジュンク堂に入ると,半日は出てこなかったものだ。大学を卒業してからも,どんなに忙しくても一月に一回はここを訪ねるのが習慣になっている。とにかく本が良くそろっているし,居心地がいいのだ。
この本は,専門書に特化し,なおかつ上質な空間を作ることで人々が集まることのできる「本屋文化」創りに取り組んだ商人たちの,果敢な挑戦記である。良い本をそろえるために版元や取次店と地道な交渉をする苦労話,優秀な店員を確保するための戦略(実際,ここの店員は本をよく知っている!),悪質な万引き犯や詐欺師たちとの行き詰まる攻防,そしてオンライン書店や新古書店などの従来の本屋にとって,強力なライバルの出現とそれに対する積極的な対抗策の提言など,本好きであれば傾聴に値する情報が盛りだくさんである。
最近はこのBK1のような便利なオンライン本屋が出来て,私もその恩恵にあずかっている。むしろ,利用頻度から言えば,こちらの方が多いくらいである。しかし,実際に本の森の中を歩き,自分の要求にぴったり合う本を探し出す,あの宝探しにも似た興奮は,リアル本屋にしかないものである。この本を読んで,その「本屋さん」というお仕事をよく理解できたような気がする。「一業者の成功話なんて…」という偏見を持たずに読んで欲しい。ジュンク堂を知らない読者の視点から見ても,満足度は決して低くはないはずだ。あ,もちろん,ジュンク堂マニアは必読!(^^)
紙の本
ジュンク堂ってこういう所なんだ!
2002/11/19 02:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:furu - この投稿者のレビュー一覧を見る
何故人はジュンク堂書店に集まるのか
という以前に私は、自分が住んでいる地域に、
ジュンク堂がない点で、ジュンク堂ってなんだ!!
というレベルだったりしました(爆
読んでいくと、ジュンク堂の創設秘話や、
以外と旧態な出版業界の仕組みなどが
よくわかりましたねー^^
専門書のジュンク堂かぁ。
あー、囲碁の本も専門書になるのかな?
もしそうなら言ってみたい!
近くの本屋にはないおもしろそうな本が
たくさんありそう。くわー!!!(≧Д≦)丿
だから、これを読んだ後、へー、ほー、となり、
ジュンク堂に入ってみたいなと思うようになったりしました^^;
あと、ジュンク堂でアルバイトしたい!(爆
それと、この本にしても、
いろんな本やらTVやらで情報収集していくうちに、
やっぱり成功するのは人次第。と、いうか、
良い人材の豊富さ次第ですね
それを忘れちゃだめですね。
地元の北九州市小倉にもジュンク堂OPENしないかな〜^^!
紙の本
ジュンク堂という会社の組織論
2002/08/21 15:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chita - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジュンク堂と言えば、店内に椅子とテーブルを設置した“座り読みの元祖”であり、そういう意味では変わった本屋ではなく革新的な本屋だという印象を持っているが、その元大番頭(元総務部長)が語るジュンク堂という会社の組織論。
なぜ人が集まるかという顧客の視点からの記述は少ないが、従業員へのインセンティブの付与(平等な扱いと成果主義)と権限委譲(仕入れ担当者なし)の仕方等から、従業員としての人がジュンク堂に集まる理由は十分に読みとれる。
社長についての記述もかなり多く、前半ではカリスマ性が強調されているが、後半ではかなりビジネスライクな一面が紹介されている。
ジュンク堂の名前の由来だけでも面白いが(サンリオの社名の由来は初めて知った)、万引きと詐欺の話はノンフィクションなだけにかなりの迫力有り。警備員の質の低下によって検挙率が落ちたので、アウトソースではなく自前で抱えたというのは笑えない話ではあるが面白い。
出版不況の原因としての新古本屋と図書館、オンライン書店等についても著者の意見は明確に述べられていて、最後は紀伊国屋書店に追いつくための課題としての人材育成の必要性で閉じられていて、読み応えのある一冊であった。
紙の本
終わりなき棚つくりが命です。
2002/11/23 12:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は去年まで池袋のジュンク堂内を散歩するのが楽しみであった。今は西の淀川沿いに逼塞している。【本屋散歩】は小さい本屋と古本屋とレコード店と地元図書館を結ぶエリアになったが、今年に入って本屋を始め3軒も廃業になった。ネット書店サーフィンを始めたが、やっぱし、生の感触が懐かしい。時たま、京、大阪のジュンクに行くが〔一万歩の散歩〕には狭く感じる。ならばと中央図書館に出入りしても開架のスペースは小さく閉架棚の間を散歩出来ない。大学図書館も利用出来るようになったが、新刊好きの私にとって日々の新聞を読むように新刊の姿形を見たいのです。触りたいのです。
出版業界全体売り上げ減が続く閉塞状況の中でジュンクだけは何故ゲンキなのだろうかと、その秘密を知りたくてこの本を手に取ったしだい。WEB上でもジュンク店員田口久美子が『“池袋風雲録”“http://www.webdokusho.com/frame-shoten.htm”』を発信しているし、福島聡さんは『劇場としての書店』(新評論)を発刊し現場からの裏支えのパブリシティは見事なものである。ところで、『越境する知5 文化の市場:交通する』(東京大学出版会)で作家の森まゆみさんと田口久美子さんが対談していますが、ちょいと引用してみます。
田口「ええ、だから二大取次のそれぞれの取引量というのはすごいと思うんですよ。流通の問題はほとんど取次の問題といってもいいくらいです」
森「業界全体としては出版業界はそんなに大きくないでしょう。マーケットとしては2兆円ぐらいですね。一方、私たち物書きも書くだけでは生活できないからテレビに出たり講演をしたり。評論家の方々はたいてい大学で教えています」
田口「ええ、日本全体でもトヨタ一社の1/3です」
森「書店さんのマージンは2割位でしょう」
田口「いまは22%ですが、大きい書店は24%以上は取っています」
森「取次はどれくらい取るんでしたっけ」
田口「いちおう8分口銭といっているんです。8%。大きいところや古いところからはもっと少なく、小さいところや新しいところからはもっと多く取っていますけど」
森「出版社側から言うと、22%と8%で30%取られるとなかなか本はつくれない」
何とも利幅の少ない業界だと判る。渡辺さんも書いているように出版業界全体の売り上げが前年度対比減にも拘わらず、新刊出版点数は増えているのだ。年間7万点である。兎に角、本を納入すれば、今のところ金融機関に信用のある取次の手形を貰えるから、取次主体の財務でヤリクリしているらしい。しかし、ここに来て銀行自体の体力もなくなり、そんな【本を擬装した偽札つくり】は通用しなくなるであろう。恐らく、ジュンクの元気良さは【偽札の本】でなく【専門書】をメインとした棚構成、財務において現金主義の手堅さと、人材の採用においても、何かに拘って生きる【変人度合い】を見る等、虚業でない実業を信じている強さがジュンク堂の社員達にあるのだろう。地道な実業の心が棚表現に現われる。その力を信じて〔無限の速度で終わりなき棚作り〕に励んで下さい。新刊書店は明日何が飛び出して来るか判らない面白さがあります。次なる生成を更新を期待します。