紙の本
ひとことで表現できない面白さ
2004/11/18 18:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うさしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
さあ、読もうっととページを捲っていきなり引いてしまった。
こ、こんなに多いの? 36も名前があるよ?
とりあえず、買ってしまったのだからと途中で挫折するだろうと覚悟しつつ読み始めた。
結果、登場人物の数の多さなんて物ともせず、みごとに読破してしまった。
ネタバレになってしまうので、あらすじには触れませんが、とにかくみっちり中身の詰まった物語です。
国を想うこと。
家族を想うこと。
人が生きること。
一人の人間として考える機会は意外とあると思いますが、国家という単位になるとそうはないと思います。
特に今は戦争を知らない世代がほとんどですし、またイラクへの自衛隊派遣の問題もあります。
今だからこそ日本という国単位でちょっと考えてみるのも良いのではないでしょうか。
とりあえず難しいことは抜きにして、陰謀もので、アクションもので、人間ドラマで…
読んで絶対後悔しない面白い物語です。読んでみて下さい。
電子書籍
幾つもの人生がぶつかり合うヒューマンドラマ
2017/10/11 00:26
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投稿者:読人不知 - この投稿者のレビュー一覧を見る
泥臭く抗う仙石さんがひたすらカッコいいです。おっさん萌えの人に自信を持っておススメできます。
女房子供に愛想を尽かされて捨てられた小太りで何者にもなりきれなかった冴えないおっさん……と言うないない尽くしが仙石さんの自己評価ですが、如月君との関わりの中で「自分」を再発見して行きます。
選択を誤って一度は信じるモノを見失っても、自分の過ちを認めて信念の為に一命を賭して戦う……宇宙レベルのスケールの大きい行動に胸が熱くなります。
如月君が「生きた命」を見極める基準が、視覚ではなく嗅覚だと言うのが上巻のエピソードと繋がって切ないです。
これを読んでいる自分は、生きながらにして膿腐っていないだろうか……そう問われているような気がしました。
宮津艦長が行動を起こした理由――亡国のイージス。
1999年に書かれた作品ですが、2017年現在、現実の日本社会は同じ問題を抱えたままで、政治と自衛隊、国民の関係をこれからどうすべきなのか、考えるきっかけにもなりそうです。
本作は、大きなカテゴリではミリタリものですが、硬直化した大きな組織に翻弄される人間ドラマ、人生の折り返し地点に差し掛かった大人の成長物語でもあります。
戦い終わって、それぞれの人生にどんなエピローグが用意されているのか……最後まで読んでほろ苦い笑みが浮かびました。
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『いそかぜ』がテロリストの手に落ちたあとも二転、三転するストーリーの中、ベテラン伍長の仙石の無器用な実直さが心地いい。また忘れてはならない行の存在。若くてかっこよく、それでいて陰をもつ男の子が好きな方はきっとお気に召すかと思います。
読み応えのある素晴らしい作品でした。
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自らの掟に従い、15歳で父親を手にかけた少年。
一人息子を国家に惨殺され、それまでの人生をなげうち鬼となった男。
祖国に絶望して叛逆の牙をむく、孤独な北朝鮮工作員。
男たちの底深い情念が最新のシステム護衛艦を暴走させる
「現在、本艦の全ミサイルの照準は東京首都圏に設定されている。 海上自衛隊護衛艦《いそかぜ》。その弾頭、通常に非ず」・・・
極みです。まさに極みです。
圧倒的なスケールで描かれた作品でした
ヒューマンドラマも満載です
これも最後のほう泣きまくりでした。
2度目読んだときはプロローグで泣きました。
もうね、、いろんなものが心に残りましたよ
イージスとは護衛艦(イージス艦)を指しています
その名前の由来はギリシャ神話で戦の女神がもつ最強の盾から名付けられています
名前の通り海上においてはあらゆる攻撃に備えた盾になりうる攻撃力を持っています
前回よりテーマを絞ってきていますね
知ってますか?
もし明日某国からミサイル攻撃を受けても
法律上の問題により、この国は一発も打ち返すどころか、守る事も出来ません
(現実には総理大臣の下で内閣安全保障会議にて閣議決定が必要です
有事法の見直しなど進められていますが)
それでも自衛隊のもとで毎年軍備を強化しています
決して使われる事のない兵器たち
この国の矛盾・・・舵を失った国家はどこにいくのでしょうか?
盾は守るべき主を失っています
ダイスシリーズ3作目で12の続きです
ミステリー色が豊かになりました
良い意味で騙された感が沢山あると思います
勿論エンターテインメントもバリバリの作品です
読んだ方は江戸川乱歩賞アンソロジー「白の謎」を是非読んで下さい
第2回大藪春彦賞。第18回日本冒険小説協会大賞日本軍大賞。第53回日本推理作家協会賞長篇
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上巻の冒頭での主要人物三人の年齢も然り、一見なんの接点も無いような生い立ちストーリーが巧みに交差した瞬間この物語から逃れられなくなっている自分に気付くはず。
自衛隊・護衛艦・弾道ミサイル・工作員等々近年世の中を騒がせている言葉の数々に恐怖すら沸いてきます。
人間の尊厳とは?個人とは?国とは?後半はただただ泣きっぱなしでした。
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とにかく読み応えもあり、十分に楽しめる作品です。今年、読んだ中では最高の作品と言ってもいいでしょう。またしても、読んだと言う充実感のある一冊、「亡国のイージス」。これまた長い小説です。文庫本にして1冊600ページ近く。それで上下があります。「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」と言う帯のように、壮大なスケールで日本人の覚醒を呼びかける小説になっています。どうしてこんな作品が書けるのか不思議でなりませんが(プロだから当たり前かもしれませんが)、デビューして間もないはずなのに、この作品で3賞受賞と言うのですから、福井晴敏氏の名前は印象に残りました。過去の作品を見るとターンエーガンダムの小説も書いているみたい。弱腰外交、有事立法など、興味のある方はぜひ一読を。ラストで涙しないなんてつまらない人間にはなりたくない(笑)。
2002.8.20
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海上自衛隊の誇るイージス艦のミサイルが首都圏に設定され、政府が混乱を極める中、艦内に取り残された人間が立ち上がる。
映画さながらの迫力で読者を引っ張る。下巻は涙なしでは読めません。
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二転、三転していくストーリーも破綻がなく、最後まで引き込まれました。丁寧すぎるまでに描写されていて、それをくどい、読みづらいと思う人もいるだろうけれど、わたしは長文も気にならずに夢中で読み続けることができました。
行、宮津、仙石の三人の人生と夢と信念と、その他もろもろが交差されていく様子が丹念に描き込まれています。脇を固める登場人物もそれぞれがちゃんと人間の形をしていて、読んでいて情景が目に浮かびました。
メディアが報道するものごとが全て真実とは限らないということ。
頭でわかっていたはずなのに改めて目の前に突きつけられた感じです。
また、自衛隊や政治、外交について知らなさ過ぎる自分を痛感させられました。この国で生きていく上で知らなければならないことのはずなのに。
もっと色々なことやものを見て、学んでいくべきことがあまりにも多いなあと思う昨今です。
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自 衛 隊 は な ん の た め に 存 在 す る の か ?
日本人なら一度は考えたことがあるはず。
ない? んぢゃ、ぜひこれを読んで一緒に考えましょう。
漢字が多くて挫折した? んぢゃ、ぜひ夏に公開される映画を観にいきましょう。
熱いですよ。
今のご時世、こんな熱く語っちゃってるのってすごいですよ。
今、この本が売れていること、
映画化が試みられたこと、
そして世界中の32カ国から配給オファーが来ていること、
これらすべてのことが、日本人として、嬉しいです。
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ローレライキャラとの類似が大変気になるものの、これはこれで立派なダイハード物の小説。 ローレライが南方、ナチスドイツ、原子爆弾と現実の三大悲劇をなめ回すのに対して、イージス艦の周囲から一切ぶれずに物語が展開する分だけ内容が凝縮している。 感動的なラストが用意された下巻は是非お薦め。
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読むのが遅い人なので、時間だけはたーっぷりとかけて読む日々。上巻の続きが気になり4章に入るもお偉いさん方の話なので、つまらない。話自体(4章)はおもしろいんだよ。ただ、このお偉いさん方が進める会議に何の意義も見出せないものだから、その会議に付き合っているようで退屈な気分になってしまう。上巻では現場の緊迫感が上手く表現されていたけれど、この4章では会議室の中での時間さえ流れていないような暢気な空気がよく表現されていて、お偉いさん方には苛立ちを覚えつつ防衛庁の渥美という男に同情しながら、どっぷりと本の中にいるような感覚で読んでた。 「亡国のイージス 下巻」の大半を占める5章へ。長さも何のその、なぐらいにおもしろく、終局へと一気に動きだす。人物達の心情も丁寧に書かれているから、それぞれの感情に触れつつ読む。 結末の後、3つの話からなる終章。5章よりも深く心情が綴られていた。短編として終章だけを読んでもいいと思ったぐらいで、この物語には絶対に必要な章。心情というものがあるからやっかいでもあり、人でもあるんだろうと思える作品だった。お話からして大よそ出てこないだろうと思っていた所もあって、5章後半の水中での如月行の甘美な心情だとか艦底での宮津の想い、終章での渥美の感情といったものにすごく魅かれた。話の精巧さもあるが、見えない心までもとても繊細に書かれている作品だったからこそ、すごくおもしろかった!
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最終兵器GUSHOは、●●だった!?裏切り、信頼、情熱、交錯する思惑。真実はどこにある?どんでん返しの連続で最後の瞬間まで目が離せない「いそかぜ」。ローレライとは一味違う読後感を保証しましょう。
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一気に読めた。多少作りこみすぎ?か、そこがどうにも嘘臭く、せっかくの現実味を損なっているような気はしたが、最後まで破綻なく纏まっているのは凄い。読み返ごとに違う味が出そう。
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日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞のトリプル受賞。
「よく見ろ、日本人。これが戦争だ!」まあ、ハードボイルド・アクション活劇が好きな私はもう止まりませんでした。はい・・・
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読み終え。
感動の嵐。後半半分は、ほぼ泣きっぱなし。
今年読んだ中で、NO.1小説です。
単なる戦争(?)ものじゃないです。そんなものはどうでもよくて、人と人との関わりあい方を真正面から書いてる、素晴らしい作品だと思います。
みんなそれぞれに自分なりの考え方や生き方があって、それを尊重しながら一緒に生きていく。
そういう普通なんだけど、気付きにくいことを、この小説で改めて教えられたような。
あと、自分にできることは、最大限ヤル!ってことも教えられたかな。
中心人物の1人、如月くん。超かっこいいです。女子なら絶対惚れる。
ちなみに、映画は見てないです。私のイメージとキャスティングがあまりにもかけ離れているので、見る気もないですっ!