電子書籍
ミステリーと言っても。
2022/05/04 22:07
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投稿者:michaq - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者のミステリーは少年漫画的なトリックありきのミステリーではなく、事件の周りにいる人の言動でその被害者や加害者など人間関係が明らかにされていくという人間ドラマだとつくづく思います。そしてタイトルが上手く、毎回タイトルで釣られあらすじで惹かれてしまうのです。
紙の本
まさにプリズムのよう
2018/05/29 22:35
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
貫井徳郎という人の本を読んだのは、この作家が私の愛読する加納朋子の夫だと知ったから。
『プリズム』というタイトルの本格ミステリは、楽しめました。
一つの殺人事件をめぐって、いろんな人がいろんな立場から犯人を推理します。
ミステリなのでそれ以上は書けませんが、まさに光をいろんな色に分けるプリズムのように、一人の人物でも、見る人によっていろんな見え方をするのだなあ、と思いました。
紙の本
ミステリーファンだけに読ませておくにはもったいない
2003/06/09 23:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
創元推理文庫の図書目録には、表題の横に一回り小さな文字で〈本格〉〈ミステリー〉〈倒叙推理〉などといった分類が付されている。どうやらミステリーファンには重要な記号のようだ。その記号がよく分からないがために、自分が中途半端なミステリー読みでしかないことを思い知らされて、少し不快でもある。それでもミステリーを手に取ってしまうのは、本書のような作品に出会えるからだ。
ある小学校の女性教師の死を巡る推理小説である。自殺か、他殺か? 他殺であれば真犯人は誰であり、その動機は何か? といった問いをもって私のようなミステリ初心者は読み進める。しかし、本書はその問いに対して直線の物語で答えるわけではない。語り手と文体そのものも変えて、それぞれのやり方での真相の探求がおこなわれていく。
そこで明らかになるのは、実は「真相」ではなく、亡くなった女性教師とその語り手との関係である。そして、その関係にもとづいて多様な物語が紡がれていく。このことをもって、「所詮人間は真相には近づけないのだ」「自らの見識の範囲でしか頭が働かないのだ」と思うのか、それとも「いかに人間の想像力は多様であるのか」と感じるのかは、読み手の自由である。もし、後者のように感じるのであれば、その人は「物語ファン」である。
ミステリーはミステリーファンのためだけのものではなく、私のような物語ファンのものであって欲しい。
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一番最初に読んだ「修羅の終わり」が、なんだかなぁ・・・な感想だったので、その後の読んだ「慟哭」そしてこの「プリズム」も色眼鏡な感じで読むことになってしまった。「修羅の終わり」を読まなければ、この2作品もより面白く読めたかも(なんちゅー感想だ)。
で、この作品。一つの殺人事件に対し四つの視点から事件を推理しています。そして、その四つの推論の結果はそれぞれの結果によって崩されます。それをどう解釈して自分なりの結論に作り上げるかは、読者次第?!
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小学校の女性教師が殺されちゃいまして、生徒やらお友達やら
いろーーーんな方々が推理するです。お話しがループのような感じがすてき。
犯人がどうしても知りたい方には、お勧め不可なお話しでございます。
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探偵役は一人で事件のヒントを集めて解決するのではなく、同じ事件を別の立場の人間が考えて別の結論を出す。最後まで読んで結論がわかってあーすっきり!という訳にはいかないので、事件解決してめでたしめでたしというエンディングは期待できないけど、それぞれの探偵役が推理を展開していく過程は面白い。
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最初小学生の視点から見た事件とその(一応の)解決を見せた後その「犯人」が探偵役を務めると言う方法で読者を驚かす。まあこれが最後まで続くんだけど最後は小学生が犯人なのではないかと言うところでまとまる。きれいに円になっちゃうわけです。「毒入りチョコレート事件」とはまた違った面白さがある。髪の視点がないことで被害者が見る人によって印象が全く変わると言う点も面白かった。論理展開もしっかりしてるし、かなりの良作だと思う。
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小学校の女性教師"ミツコ先生"が、自宅で死体となって発見された。
死因はアンティーク時計による頭部打撲。
事故の可能性も有ったが、部屋には、他殺を示唆するような材料も。
ガラス切りで開けられた窓、そして、テーブルの上には、睡眠薬入りのチョコレート。
果たして、ミツコ先生の死は、事故なのか、殺人なのか?
そして、犯人は? 事件の真相は!?
"『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。"
…確かに、ある意味、問題作ですよ。
だって、結局のところ、犯人が誰なのか、分からないんだものっ!!<えー!?
おかげで、何度も読み返しちゃいましたよ(苦笑)。
しかも、衝撃の展開。
あっさり解決しちゃって、納得も出来るし。<…とか思ったのが大間違い(笑)。
最後に示される真犯人には、「…まさか!!(それは無い)」と思いつつも、背筋が寒くなりました。
いや、彼らが、真犯人だとは思いませんけどね。
"なぜ、担任の先生が亡くなっても動揺しないのか。なぜ、悲しみや驚きを見せないのか。それは誰が犯人なのか知っているからではないか。"
それは、Scene1の結論からすると、彼らの中では、桜井先生が真犯人だって事で、落ち着いているからで。
更に、南条が、無実の罪で陥れられても、心が痛まないからって事ですよね。
面白いけど、私には不向きな1冊だったかも(苦笑)。<でも、好き。
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慟哭の次に読んだ貫井作品。事件の犯人が曖昧なラストに賛否両論あるみたいですが、ワシは好きですねー。物事を見る立場からすれば、色々な見え方がある訳で、色んな人の推理や関係が入り乱れるさまは面白かったなー!
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結末がない小説。
読み終わった後、少しモヤモヤしてしまうけれど。
一つの殺人事件をきっかけに、4つのパターンから真犯人を探していくという話。
1人の人に対する人物像の見方が、こんなにも関わる人で違うものかと思った。
でも、それこそが「プリズム」なのかもしれない。
最後の可能性は、思いつかないくらい驚きだった。
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4人の視点を持って、殺された女性教師の犯人を追う。それぞれの推理が覆されるのは小気味良いが、はっきりしないラストにがっかり。文体もあまり好きではなかった。
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まず「プリズム」と言う題は、なかなか素晴らしい命名だと感じました。
推理小説では、最後には犯人が確定すると言うのが決まりのような感じを漠然と思っていますが、その結末は作者の意図した結末と言うことで、重要なのは途中経過で、結末ではないと言うことを示した作品です。
もうひとつの要素は、人間と言うのは普通は一筋縄ではいかないくらいに、多面的な面をもっているのでしょうけど、推理小説に登場する人たちは、二面性くらいはあるとしても、それも、犯罪を隠すための犯人のポーズであったり、被害者の意外な面を示すことで、推理が意外な方向に飛ぶことが目的であることが多いでしょう。
しかし、この作品では、本当に万華鏡のようにくるくる変ります。
明るく生徒にも人気のあった山浦先生が殺されます。この本は、4章からなる構成ですが、それぞれの章は、「教え子」「同僚」「元恋人」「不倫相手」の4人の視点で書かれています。その視点の違いが、人間の多面性をかなり際立てています。
それで結末は、、、それは、なんていったらいいのだろう。こうした内容も面白いです。解説にも書かれているように、「毒入りチョコレート事件」など複数推理を楽しむものがあります。また結末は、東野圭吾の「どちらかが彼女を殺した」「私が彼を殺した」などを思い出すような感じでした。
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読み始めの第1章では、ジュブナイルの雰囲気で、作者が路線変更でもはかっているのか、と疑いたくなった。しかし、その子どもの視点が出発点になっているからこそ、読み終わったときに、本書の構成の巧妙さと、事件の真相の衝撃が際立って見えるのだと思う。本書に関しては、賛否両論あるようだけれど、私は素直に楽しめた。
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小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。
傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。
事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。
ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。
彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…
『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。
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面白くて、一気に読みました。この人のは
慟哭とかが有名だけど、それよりもこっちの方が
面白かったなぁ。これが正しいと思ったら、あっさり
裏切られて、いい意味で期待を裏切られるので、
読んでいて楽しかった。