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紙の本
江戸滑稽化物尽くし (講談社選書メチエ)
著者 アダム・カバット (著)
粋人に憧れる見越入道、幽霊にはめられた「ももんがあ」…。黄表紙に描かれた愛嬌と人情味あふれるアウトサイダー、化物たちの存在を通して、パロディー・駄洒落・風刺に喝采した江戸...
江戸滑稽化物尽くし (講談社選書メチエ)
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商品説明
粋人に憧れる見越入道、幽霊にはめられた「ももんがあ」…。黄表紙に描かれた愛嬌と人情味あふれるアウトサイダー、化物たちの存在を通して、パロディー・駄洒落・風刺に喝采した江戸っ子の心性を考察する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
アダム・カバット
- 略歴
- 〈アダム・カバット〉1954年ニューヨーク市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程を経て、現在武蔵大学教授。共著に「大江戸化物図譜」「江戸の文事」「美女の図像学」など。
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紙の本
楽しい本。性表現氾濫と妖怪ブームとは、文化の爛熟頽廃期。自戒が必要。
2003/10/19 11:41
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
楽しい本である。妖怪化物というと、恐いものであった。子供の頃見た怪談映画の、四谷怪談や鍋島化け猫騒動は、恐しかった。江戸時代のお化けは、恐いものの他に、愛嬌があって滑稽なものもいた、ということは、いくつかの絵で知ってはいた。あらためて外人に教わるということ事態が、滑稽ではある。もちろん日本文化を学んでいない日本人が、日本文学を学び研究している外国人の日本文学研究者から学ぶのは、恥とは思わないし、やぶさかでもない。著者はニューヨークの生まれとのことだが、ルーツは何処か。中近東か小アジアか。その地域のはどのような妖怪がいたのであろうか。なにかそのようなルーツが背景にあり、日本の妖怪変化にも、興味を持ったのであろうか。
江戸時代中期以降の黄表紙に描かれる妖怪達を通して、恐怖が愛嬌と滑稽に変化する操作と過程が、述べられる。江戸時代以前は、妖怪や化物というのは、恐ろしいだけであったようである。江戸時代の都市文化の発展に伴い、愉快で滑稽な化物が登場してくるらしい。都市文化の爛熟期と性文化・性表現と、妖怪ブームとは期を一にしているように、私は感じている。ローマ帝政時代、ビクトリア朝時代のイギリス、1960から70年代のアメリカが、思い浮かぶ。最近の浮世絵春画や妖怪への関心は、日本文化の爛熟、社会規範の 衰退の現れのようにも思われる。個個人の自戒が望まれる。