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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.4
- 出版社: 新潮社
- サイズ:21cm/127p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-10-602101-3
紙の本
沖縄島々旅日和 宮古・八重山編 (とんぼの本)
石垣、宮古から、最果ての島・与那国まで、椎名誠、池沢夏樹ら「島の達人」たちが体験した11の離島と13の物語。日本トランスオーシャン航空の機内誌に連載されたエッセイとガイド...
沖縄島々旅日和 宮古・八重山編 (とんぼの本)
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商品説明
石垣、宮古から、最果ての島・与那国まで、椎名誠、池沢夏樹ら「島の達人」たちが体験した11の離島と13の物語。日本トランスオーシャン航空の機内誌に連載されたエッセイとガイド。詳細離島ガイド付。宮古・八重山編。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
この夏、行く人も、行けない人も「南の風」を感じる一冊
2003/07/02 12:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:1969 - この投稿者のレビュー一覧を見る
旅にでるのに、ガイドブックを開かない人はまずいないだろう。良くも悪くも、私たちはそういう時代を生きている。
「私は一切開かない。事前に情報収集するなんて愚の骨頂! 行き当たりばったりが旅の醍醐味!」と言い切る人もいるが、そう言える人はとても幸福な人。誰もが時間的・金銭的に余裕があり、放浪に近いような旅ができる訳ではない。せいぜい2泊3日、長くて一週間が限度。これが現実ではないだろうか?
そんな旅は、必ず目的的になる。「空気の良い高原に行きたい」、「きれいな海で泳ぎたい」、「子どもに自然を見せてやりたい」。理由は様々だが、僕を含めた一般庶民の旅はまずガイドブックに触れるところから始まる(旅行記を読んでその土地に行ってみたくなる場合もある。しかし、大多数の人はまずガイドブックだろう)。初めて行く土地の場合は尚更だ。その土地の風土・交通手段・地図・宿泊・食事・見物先・土産物、ひと通りの情報が満載され見知らぬ土地でも迷子にならないよう配慮が施された本を、私たちは「ガイドブック」と呼ぶ。
しかし、このガイドブックが以外と厄介な存在なのだ。あなたが、この夏「きれいな海で泳ぎたい」と考えたと仮定する。近くにきれいな海がないので、旅行を計画する。本屋に行き、ガイドブックの棚の前に立つ。きれいな海というキーワードから、あなたはまず沖縄の海を連想する。沖縄に関するガイドブックを手にとって眺める。瀟洒なホテルの眼前に広がるコバルトブルーの海、砂浜に立つビーチパラソル、よく日焼けした水着姿の男女が波打ち際に佇み、亜熱帯植物がビーチにやさしい影をおとす。海で泳いだあとは、サンセットクルーズ、オープンテラスでフレンチのコースを楽しみ、ホテルの部屋は全室オーシャンビュー。まさに南の島のビーチリゾート、しめてお値段58,000円也…。そう、あなたが好む好まざるにかかわらず、全ての情報が紋きり型の商業イメージに記号化されているため、自分の旅の目的が陳腐で即物的に思えてしまい、せっかくの旅が興醒め。これがガイドブックの悪いところ。
「じゃあ、どうしたらいい?」とお困りのあなたにお薦めしたいのが本書。夏の旅行シーズン目前なので、この時季にどうしても紹介してみたかった。
JTA(日本トランスオーシャン航空)が機内誌として発行している『Coralway』に掲載された、宮古・八重山(先島諸島)の記事をピックアップして「沖縄離島情報」としてまとめたもの。「え! たかが機内誌でしょ?」とあなどることなかれ。この『Coralway』、実は地元沖縄ッ子(ウチナンチュ—)の間でも評価が高い。わざわざ定期購読している人もいるくらいの人気ぶりで、書店流通はしていないが下手な雑誌よりよっぽっど読み応えがある。情報過多の雑誌編集者は、本書を読んで少し反省してもらいたいぐらいだ。内容をおおまかに言えば、特集コラムと連載記事で構成されていて、コラムで取り上げた島々(地域)の詳細情報、ガイドブック的な「食べる・見る・泊まる」情報もきちんと押さえてある。勿論過不足はあるがそこはご愛嬌。執筆陣も池澤夏樹・椎名誠、写真は垂水健吾と豪華絢爛だが、記事の視点はあくまで「旅人」。そう、ヒト・モノ・風土に対する「出会い」に重点を置いている。だから、テーマをあまり深く掘下げていない。でも思い入れはたっぷり。この辺のバランス感覚が絶妙である。情報量も適当で、「知り過ぎず、知らな過ぎず」。教養主義的ではないので読んでいて楽しい、行ってみたくなる。
この夏、沖縄に行く人は旅のお供として、行けない人は読んで「南の風」を感じて欲しい。