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商品説明
東欧のパリと謳われたルーマニアの首都ブカレストの地下には冷戦後の真実のルーマニアがあった。マンホールを住みかとするホームレスたちに密着取材し、東欧の現状を活写する。第12回週刊金曜日ルポルタージュ大賞優秀賞作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
早坂 隆
- 略歴
- 〈早坂隆〉1973年愛知県生まれ。ルポライター。東欧、中東問題を中心に取材・執筆を続けている。著書に「素顔のイラク」「僕が遍路になった理由」など。
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紙の本
一人でも多くの方に読んでもらいたい衝撃の書
2004/07/21 06:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヴィア・ノヴァ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり無駄な言葉は使いたくない、ぜひ読んで欲しい、そういう一冊である。
「干からびた鼠の死骸を踏んでしまった不快な感触…、顔の周りを飛び交う無数の小蠅…、むせ返るような湿気、鼻腔の奥を強烈に刺激する糞尿の臭い」「棺桶のほうがよっぽどマシ」想像を絶する環境で生き延びる少年少女たちの現実の前ではどんな言葉も無力である。諦めてしまっている青年、逆に大きな希望を語る少年、厳しい環境でもお互いを深く愛し尊敬しあう夫婦など、どの登場人物も光と影を持ちつつ一所懸命に生きている。
おそらく誰が読んでも心に深いものが残るであろう本書の素晴らしい点を敢えて指摘するならば、取材対象であるマンホール生活者との絶妙な距離を著者が取り続けている点であろう。もちろん深い思い入れを持ちつつ取材しているが、下手な同情はほとんどない。彼らの努力不足、狡賢さや彼らの間でさえある差別、犯罪に対する認識の甘さなども冷静に彼らに指摘している。逆にだからこそ彼らが著者に心を開いている部分が多く見られた気がする。
本書は2002年に賞を獲ったルポルタージュを改題・加筆したものであり、話題にもなった本である。僕ごときが薦める必要もないと思うが、どうしても薦めたいと思わせるくらいすごい本、一人でも多くの方に読んでもらいたい衝撃の書である。