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紙の本
思考停止状態を超えるには
2003/06/26 10:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みゆの父 - この投稿者のレビュー一覧を見る
評論家兼小説家の大塚英志が、自分の飯の種である評論や小説の書き方を教えちゃう本を次々に出してるのはなぜか。「ブルセラ」をはじめとするサブカル評論家だったはずの宮台真司が、それこそ大文字文化の中心にある「天皇」を論じるようになったのはなぜか。保守主義者を自称する福田和也が「ぷちナショナリズム」にいらだってるのはなぜか。ポモ研究から入った東浩紀が小難しい言葉を捨て、どうみても「まっとう」な言説を繰り出すようになったのはなぜか。
「宮台真司の『自己決定』、福田和也の『ナショナリズム』、ぼくの『戦後民主主義』は『天皇制』の乗り越えによってしかなされない」(p.273)
彼らが一様にいらだってるのは現代日本社会の思考停止状態であり、「天皇制」はその象徴としてある。では、思考停止状態を超える途はどこにあるのか。おそらく、それは、なんらかの「思想」のなかにではなく、「いま、ここ」つまり「現場」にあるんだろう。
なーんてことを考えさせてくれる貴重な本。ただし、どうして大塚さんの文章は、いつもちょっと読みにくいんだろうか? 読点の付け方に問題があるような気がするんだけど。その分だけ減点。