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500年のトンネル 上 (創元推理文庫)
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紙の本
タイムトラベル物ではなくて、普通のファンタジーです。
2006/02/10 19:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読む前は、タイムトラベル物かと思っていましたが
読んでみると、普通のファンタジー小説でした。
一応、500年前にタイムトラベルしますが、歴史的事実を
絡めていたりとか、歴史的人物が登場したりとか、全くしません。
現代との文明差を表すためだけの仕掛けでした。
設定としては、「戦闘妖精雪風」などの、異世界とのトンネルが
あるぐらいで、理解としては、OKです。
プロットは、
一私企業が、タイムスリップが可能な、トンネルを開発します。
その目的は、バリバリの資本主義的な理由で、まだ開発されたり使われたり
していない、資源の確保のためです。
で、産業革命前の英国にいくのですが
そこでは、イングランドとスコットランドの国境に位置する、辺境の地帯に
スターカームと呼ばれる、部族がいます。
イングランドや、スコットランドからも、蛮族の扱いを受けていて、
生活は、きわめてシンプルです。
21世紀の企業サイドは、直接的には、この部族に介入せず、
アスピリンを、あたえて、手なずけている状態です。
ところが、その部族の族長の息子が、21世紀企業側の研究者を
襲う事件が発生して、物語は、展開していきます。
果たして、、、、。
著者も、本文中で、指摘していますが、
この文明の進展度に差がある、異文化交流の雰囲気は、アメリカに上陸した
白人とインディアンの関係に近いです。
一見友好的に見える関係を取り繕っていますが、
21世紀サイドは、優位さは、常に保っていたいと考え、実行します。
野蛮で、暴力的なスターカーム族ですが、我々が文明を進展させる
ことによって、失ってしまった、
人間らしさ、というか、生物としての、動物らしさというのを、
色濃く残していて、活き活きと生活しており、
ある種読み手をノスタルジックな気持ちにさせるほど、
共感ができるように描かれています。
本書実は、英語圏では、YA(ヤングアダルト)ものだとか、
翻訳家の金原さんが、このスーザン・プライスのことを、
「優しい、ファンタジーの世界で孤高に立つ氷山」
と表現されたそうですが、正に、納得。
予定調和や、ファンタジー的な風には、一切描かれていません。
きちっと、理解の違いによる”諍い”は、起こるんだと、
描ききっていて、そこに共感が持てます。
SFというよりは、ファンタジーものとして、読んで欲しいです。
紙の本
内容紹介
2003/09/04 23:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
21世紀の私企業が開発した〈タイムチューブ〉。トンネル様の装置を抜けると、
瞬時に別次元の時空間へ移動できる。調査隊が乗りこんだ、16世紀のイングラン
ド/スコットランド辺境地帯では、戦いに明け暮れる荒くれ者のスターカーム一
族が待ち構えていた。21世紀人は〈エルフ〉として畏れられる存在となり、〈人
の国〉と呼ばれる16世紀側に対し未来の産物である「鎮痛剤」を大量に提供、見
返りに天然資源を要求するのだが? ガーディアン賞受賞作。