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紙の本
誰にも教えなかった、私だけのお話。
2003/08/14 17:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫サイズの絵本。
あっという間に読めるのだけれど、それが惜しくて。
ずっと持っていたい。何度も何度も繰り返して読みたい。
そんな、絵本を手にした幼い頃の懐かしい“喜び”が味わえる。
ダヤンのわちふぃーるど物語外伝とはいうけれど、実は本筋を知らなかったりする。
というのも昔、テレビで放送されていた「ヨーヨーのちょこっと猫つまみ」を見たことがあっただけだから。
週に1度、たった5分だけれども、その絵とストーリーがずっと心にとどまっている。
ヨーヨーから入った私は、だからダヤンをいまだに知らない。
本書には、残念ながらダヤンの登場はない。
けれど、魅力的な人物(猫)ばかり。
居酒屋・海猫亭の気が利くマスター・ヨーヨー。
そして、ヨーヨーの店に集まる常連は“気のいい仲間”。
クールなドク。
いい女・ナーシャ。
お騒がせ者の騒儀屋。
海の男・提督。
元気な“お母さん”キキと、愛らしいココ。
彼らの日常に、ちょっとしたエッセンスを加えた、素敵な物語が収められている。
季節ごとの楽しいイベント。
それに合わせた料理がおしゃれ。簡単なのがまたいい。
レシピ付きなので、思い立ったらすぐに作ることができる(はず)。まだ作ってはいないのだけれども。
エピソードとエピソードの間には、カレンダーに使われた絵が挿まれている。季節ごとの彼らの姿に、心が和む。
ヨーヨーの名前の由来を私は知らない。
けれど、“ヨーヨー”でまず思い浮かべるのは、彼。
あったかい、人を心ごと包んでくれそうな雰囲気の、ヨーヨーと海猫亭。
早く私もそういう場所を見つけたいと思う。
本書には収められていないけれど、ずっと記憶に残っているエピソードがある。
ヨーヨーの店に提督がやってくる。
提督はいつものように、海の話をしている。
大海原で波にもまれる話。ピンチを切り抜けた話。あれやこれやの自慢話。
そんな横で、騒儀屋は逆立ちをしている。
たまに彼は、突然逆立ちをすることがあるのだった。
逆立ちをするときは、決まってこうつぶやく。
「今、俺が地球を支えている」
誰にも教えない、自分だけの自慢なのだった。
(紫微の乱読部屋)