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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.7
- 出版社: 平凡社
- サイズ:19cm/189p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-582-83164-8
紙の本
池波正太郎のそうざい料理帖 巻1 (深夜倶楽部)
著者 池波 正太郎 (著),矢吹 申彦 (料理相伴),平凡社 (編)
白魚の小鍋立、カキ雑炊。食通作家の日々の食は、四季折々の味がする素朴で手軽な江戸・東京のそうざい料理。日記や随筆を元に、その献立と作り方を指南する画期的料理帖。全エッセイ...
池波正太郎のそうざい料理帖 巻1 (深夜倶楽部)
紙の本 |
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- 税込価格:3,080円(28pt)
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商品説明
白魚の小鍋立、カキ雑炊。食通作家の日々の食は、四季折々の味がする素朴で手軽な江戸・東京のそうざい料理。日記や随筆を元に、その献立と作り方を指南する画期的料理帖。全エッセイ、作り方イラスト付き。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
池波 正太郎
- 略歴
- 〈池波正太郎〉1923〜90年。東京生まれ。「錯乱」で直木賞を受賞。「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」「剣客商売」の三大シリーズで絶大な人気を得る。
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紙の本
どのような料理よりも家庭料理は一味違う良さがある
2003/11/14 14:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:筑波太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『鬼平犯科帳』などの時代小説で知られる池波正太郎は、妻と母をこよなく愛していたようだ。だからこそ、妻と母が作った家庭料理「朝・昼・夕・酒肴・夜食」を、彼は、味わいを忘れないために食日記として綴っていたのである。さらに、本書ではその料理法「作り方のヒント」を、矢吹申彦がイラストでわかり易く手ほどきしている。
春夏秋冬、その季節によってそうざいの具がいろいろ代わる。春のそうざい7品目、夏のそうざい7品目、秋のそうざい7品目、冬のそうざい16品目が載っている。
私は、春のそうざいの中の「蛤の湯豆腐」料理が美味しそうに感じたので早速挑戦してみた。材料は蛤、豆腐、大根、昆布である。意外と簡単に出来た。湯豆腐の薬味は、醤油に刻み葱と鰹節である。
夏のそうざいでは、「茄子の胡麻風味焙り焼き」に挑戦、これは誰にもできる料理だ。それと、生鰹節(なまり)甘酢和えが美味しく感じるので近々挑戦してみようと思う。酒好家には、たまらない料理だろう。
秋のそうざいには、子母沢寛も食していた「豚肉のうどんすき」がある。食材はうどん、豚肉、酒を用意する。煮あがったらつけ汁(昆布だし、醤油、みりん)で食す。池波と子母沢はこれを食しながら「味覚極楽」の話に夜の更けるのも忘れたとある。私も一度は味わいたい。
冬のそうざいにおもしろい話が出てくる。「忠臣蔵で有名な大石内蔵助が、討ち入りの夜の腹ごしらえに、「間鴨(あいがも)入り生卵のぶっかけ飯」を食した」そうだ。現代から約300年も前の武士が、生卵をこのようにして食していたことが驚きである。酒の後のぶっかけ飯ほど美味いものはない。
最後に「どんどん焼き」の話がある。「どんどん焼き」は、今のおこのみ焼きとは違う。作り方は、メリケン粉と鶏卵を別々に溶いておく、他に切りイカ、乾しえび、牛豚の生肉、キャベツ、たまねぎ、揚げ玉、葱などを用意する。溶いたメリケン粉を薄く伸ばした上に具を載せて鶏卵の溶き汁をかけて焼くだけである。我が家でも時々やるが、これがまたとても美味しい。
著者が妻の手料理と酒を愛したように、私も妻の手料理を愛している。どのような料理でも作る人の心が大切ではないだろうか。秋の夜長、妻が作った手料理で一献傾けよう。なにしろ家庭料理はかけがいのない味だから。