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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.11
- 出版社: 双風舎
- サイズ:19cm/247p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-902465-00-0
紙の本
挑発する知 国家、思想、そして知識を考える
メディアよ、知識人よ、そして読者よ。思考停止のままでいいのか? 発言する政治学者と社会学者が、世代を超えて挑発的な討論を展開。2003年6月から8月にかけて行った3回のト...
挑発する知 国家、思想、そして知識を考える
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商品説明
メディアよ、知識人よ、そして読者よ。思考停止のままでいいのか? 発言する政治学者と社会学者が、世代を超えて挑発的な討論を展開。2003年6月から8月にかけて行った3回のトークセッションを、加筆修正のうえ成書化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
姜 尚中
- 略歴
- 〈姜〉1950年生まれ。東京大学教授。著書に「オリエンタリズムの彼方へ」など。
〈宮台〉1959年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。東京都立大学人文学部助教授。
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著者/著名人のレビュー
国家、思想、知識につ...
ジュンク堂
国家、思想、知識について、政治学者と社会学者が世代を超えて論じあう。3つの書店で行われたトークセッション、待望の文書化。
紙の本
なんだか笑ってはいけないようなところで笑ってしまう、おもしろい対談集。装丁にも注目
2004/04/23 20:54
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pipi姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大雑把に言ってこれまで、「姜はオーソドックスな民族主義者」、「宮台はクールでドライなリアリスト」っていうイメージがあったのだが、どうやらそれは間違っていたようだ。
姜は思っていたほど古いタイプ(オールド・ボルシェヴィキってほどの古典派じゃないけど)の在日研究者じゃなかったし、宮台は予想ほどにはぶっとんだ意見を出しているわけでもない。
発話者の名前を伏せて読んだら、いったいどっちの発言なのかわから
なくなるぐらい、二人の意見はよく似ているし、けっこう一致点も多い。
宮台真司が前書きで書いているように、姜尚中は国民国家の幻想性を糾弾するが、宮台は国民国家をひとまず認めた上でそれをいかに制御するかという戦略を立てる。この二人の戦略の違いが対談で顕著になるはずだったのだが、実際に読んでみると、なんだかよく似たことを言っているし、互いへの敬意が満ちあふれていて、もっぱら宮台が挑発し、姜尚中は大人の分別をみせてそれに逆らわず、うまくかわして論を立てているように見受けられる。
だから、本書には、前代未聞のすれ違い対談集(正確には往復書簡集)『動物化する世界の中で』のようなスリルや危機感やいらだちがない。読者に安心と安全を与えてくれるよい本である。とはいえ、「安心と安全」とばかりは言っておられなくて、やっぱり宮台は挑発者であり、宮台ってコンサバだったの? なんていうイメージもふつふつと湧いてくる場面がしばしば。彼は自分が「左翼」か「右翼」かという枠で分類されることを嫌う。というか、そういう二分法を脱構築してみせる。そういう二分法はもう時代遅れなのだ。
本書は対談なので、対談にありがちな論の彷徨や遊撃があり、論者たちのふだんの仕事に接していないとわかりにくいところやまどろっこしいところがあったりするので、やはり、もっと体系的に理解するには彼らの単著を読むべきだろう。
遅まきながら、本書のテーマを紹介しておこう。語られるのは、ナショナリズム、国家論、知識人論。丸山真男の後継者を自認する宮台の国家論はたいへん興味深い。
対談の最後にメディア・リテラシーが話題に上るのだが、これがなかなかおもしろい。敗戦直後のGHQによるメディア・リテラシー教育などは革命的と言えるぐらいにメディアの本質をついた内容だっだことが宮台によって語られる。
ところで、装丁に注目。本の耳の部分に二人の顔写真が隠されている。右から左へページをずらせば宮台が、左から右へずらせば姜の顔が浮かび上がる仕組みになっていて、「ほおぉ〜、凝ってるやんか」と感心した。
本書はテーマが大きく幅広すぎるきらいがあるので、語られた一つずつのテーマについてそれぞれもう少し突っ込んで彼らの仕事に接する必要があるだろう。
とりあえずまず入り口のとっかかりを得るには格好の書といえる。用語解説も欄外についているので、初学者にとって親切な作りになっている。
紙の本
内容紹介
2003/10/24 11:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦争とは何か? 暴力とは何か? 思想とは何か? 知識人とは何か?
漂流する社会に生きる私たちは、いま何を考えなければならないのか?
いま注目される二人の論客が、現代社会の様々な問題にメスを入れる。
姜が宮台を挑発し、宮台が姜を挑発する。
そして二人が日本の知識人を挑発し、読者を挑発する!
都内三カ所の書店でおこなわれたトーク・セッションの記録。
これほどスリリングな対談が、いままであっただろうか?
【目 次】
I 戦争と暴力
九・一一からイラク戦争まで/自由を監視する社会/アメリカ社会に内在する全体主義/他者性がもたらす不安とどう向き合うのか/国民国家とは
II 非暴力の社会はありえるのか
脆弱な国家のネットワークをどうつくるか/分断国家という悲劇/リアリズムなき外交/「イラク戦争」を支持した日本の正当性/日本は国益を考えているのか?/親米愛国の矛盾/非暴力の社会はありえるのか?
III 右翼と左翼
右翼と左翼の現状/思想の一貫性/二項対立という図式の終焉/一九七九年に左翼は終わった?/ナショナリズムと国益
IV 国家を考える
身捨つるほどの祖国はありや 国家をハンドリングするということ/啓蒙主義の化け物としてのアメリカ/ネオコンの「思想」/ナショナリストの本義/ロマン主義とは
V 丸山眞男からアジア主義へ
一国独立して一心独立する?/ナショナリズムの病気/丸山眞男とアジア主義/多国間主義の必要性/マルチレイヤーな社会
VI メディアと正義
北朝鮮報道とメディア/姜さんや宮台さんは複雑なことをいっている?/禁断のふたをあけた九・一一/青臭い正義は必要ないのか/「人食い」と付き合う方法 ミドルマンの役割/カルチュラル・プールラリズムのすすめ
VII 知識人を考える
知識人とは何か/情報を発するということの責任/ニュートラルはありえない/利害集団としての記者クラブ/国を愛するということの意味/この社会で生きていきたい/お祭り大国・日本
【著者略歴】
姜 尚 中(カン・サンジュン)
一九五〇年生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了。ドイツ留学の後、明治学院大学、国際基督教大学を経て、東京大学社会情報研究所教授。専攻は政治学、政治思想史。近著に『マックス・ウェーバーと近代』(岩波現代文庫)『反ナショナリズム』(教育史料出版会)、『日朝関係
の克服』(集英社新書)、『アジアの孤児でいいのか』(ウェィツ)、『在日からの手紙』(太田出版)など。
宮台真司(ミヤダイ・シンジ)
一九五九年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京大学、東京外国語大学を経て、東京都立大学人文学部社会学科助教授。専攻は社会学。近著に『援交から天皇へ』(朝日文庫)、『憲法対論』(平凡社新書)、『絶望から出発しよう』(ウェィツ)、『ニッポン問題。』(インフォーバン)、『アメリカン・ディストピア』(春秋社)。