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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2003.11
- 出版社: 三修社
- サイズ:19cm/67p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-384-04009-1
紙の本
エーリカ あるいは生きることの隠れた意味
著者 エルケ・ハイデンライヒ (作),ミヒャエル・ゾーヴァ (絵),三浦 美紀子 (訳)
クリスマスの準備に忙しく、そして疲れてイライラしている道行く人も、私とエーリカを見れば微笑まずに入られなかった。エーリカというピンクの大きなブタのぬいぐるみが、生きること...
エーリカ あるいは生きることの隠れた意味
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商品説明
クリスマスの準備に忙しく、そして疲れてイライラしている道行く人も、私とエーリカを見れば微笑まずに入られなかった。エーリカというピンクの大きなブタのぬいぐるみが、生きることの意味をそっと教えてくれる大人の物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
エルケ・ハイデンライヒ
- 略歴
- 〈ハイデンライヒ〉1943年生まれ。作家、コラムニスト。著書に「黒猫ネロの帰郷」など。
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映画「アメリ」にも絵を提供した、ミヒャエル・ゾーヴァのイラストが楽しい
2005/07/21 06:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベルリンに暮らす30代後半の女性ベティは働き通しで人生を振り返る余裕なんかない。かつて人生を共にしていたパートナーのフランツがクリスマスにこちらへ来ないかと、今住んでいるスイスのルガーノへ誘ってくれた。ベティはドイツを出る前にデパートで大きな豚のぬいぐるみを見つけて思わず買ってしまい、エーリカと名づけて一緒に旅に出ることにした…。
ベティとフランツの間には複雑にあざなう関係が、このクリスマス旅行のはるか以前からあったことが推し量られます。「ずっと喧嘩するって誓える?」とベティは尋ね、フランツは「おまえさんなしでもステキに生きていけるさ」と憎まれ口をたたきます。この二人は「どうでもいいくらい」昔に別れた男女ですから、もちろん仲良しというわけではありません。それでもこんな口の聞き方を今も互いに許しあっている大人の関係を保っているということもいえます。
そして先回りして言うならば、この掌編で二人は結局すれ違ったままに終わるのですが、それでも決して死ぬまで二度と会うことがないというほどの重大な事態が訪れたわけでもないということがわかります。
ことほどさように、この物語の始まりと終わりは明確な実線で区切ることが出来るものではありません。長い人生の途上の一部分を切り出してみたところで、その前と後にもやはり物語は続いています。私がたどってきた道のりが私を作り、そしてこれからたどる道のりがこれからの私を作っていく。今このときだけが私を作るわけではない。そのことに気づかせてくれるのが豚のエーリカというわけです。
確かな想い出と、何かを予感させる未来。今立ち止まったこの瞬間に、この二つを肯定的に胸に抱くことが出来る人生でありたいものだと、この物語を閉じながら思いました。