紙の本
コンパクトだが中身は濃い。
2019/09/23 00:54
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投稿者:一読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
BCG発の代表コンセプトを紹介した書籍です。各コンセプトについて、説明、実例、使い方、肝となる言葉が書かれている作りになってます。
読み物として面白かったですし、また戦略立案時の基本ツールを確認するのにも役立つと思います。
紙の本
出版社コメント
2003/11/19 11:40
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投稿者:ダイヤモンド社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
経済環境は変化しても、競争優位の原則に変わりはない。世界的トップ企業を抱えるBCGが、構築してきた普遍的競争優位の原則!
マッキンゼーと並ぶ2大コンサルティング・ファーム、ボストンコンサルティング・グループ(BCG)は本年設立40周年を迎える。この間、世界的トップ企業を引きつけてきたのは、そのコンサルティング能力のみならず、数々の戦略コンセプト構築能力とも言える。古くは、PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)、ケイパビリティ、最近ではバリューマネジメント、デコンストラクションなど、経営学の教科書に載るほどの普遍性あるコンセプトを開発してきた。本書は、それらBCGが40年間に亘って構築してきた数々のコンセプトを一挙に公開し、今日でも通用する競争優位の原理を解説する。
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ボストンコンサルティンググループにおける経営戦略手法について記載された書籍。数々の経営戦略手法についてどのような手法なのか紹介されている。
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7/26
・儲かるセグメントと儲からないセグメントをきちんと把握し、それぞれの経済性に応じた合理的対応を考え実行する。
・デコンストラクターになるために?自己否定?常識への挑戦?他人の力の活用?意思決定のスピードアップ
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PPMの基本概念を学ぶことができて非常に満足。様々な経営戦略のコンセプトや手法が紹介されている。ちなみに現場でタイムベース競争を行えている日本企業が、戦略的意思決定の場では時間の概念を意識できていないところ。まさにうちの会社。
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バリュー・ドライバー
KPI Key Performance Index 主要業績管理指標
意思決定にも工程管理の思想や工期という発想を
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戦略フレームワークについて、各種事例と共に分析紹介されており、参考になる本。変わらず大事な本質部分もあるが、やや今更感はあるように感じてしまう。
<メモ>
・競争優位の6つの視点①誰に対してどのような価値を提供して勝つか(価値創造)②どのような儲けの仕組みをつくるか(事業創造)③どのように価値パターンを永続させるか(競争要因)
・強固な持続性をもった競争要因は幻想。自社の強みを常に見直し、深めていくこと。成功は終わりではなく、次の成功要因につなげる努力こそ重要。
・モノサシの例 株主価値指標(時価総額・TSR)
パフォーマンス指標(EVA・CFROI・ROE・ROA)
バリュードライバー(キャッシュフローマージン・資産回転率)
KPI(セグメント別売上・セグメント別CF・在庫量)
・株主からみた投資収益性→経営トップから見た各事業の投資収益性→パフォーマンスに大きな影響を与えるオペレーション上のレバー→バリュードライバーと直結した現場の行動指標体系
・事業によって事業価値にしめる核コスト等要因の比率は異なるため、バリュードライバーも異なる。原価・販促費etc
・TSRはキャピタルゲインと配当金合計を購入時株価で割ったもの
・または、事業価値変化額+FCF合計を購入時の事業価値でわったもの
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■競争優位の6つの視点
<価値創造>株主価値(バリューマネジメント)、顧客価値(セグメントワン)
<事業構造>バリューチェーン(デコンストラクション)、事業構造(PPM)
<競争要因>コスト優位(エクスペリアンスカーブ)、時間優位(タームベース競争)
■株主価値(バリューマネジメント)
・指標TSR(Total Shereholder's Return)=(Σ配当+キャピタルゲイン)÷購入時の株価 ※一定期間の差分
・外のモノサシがTSR。内のモノサシはレベルにより、変える必要があり。
経営トップ(パフォーマンス指標):CFROI、ROE、ROA、CVA等
ミドル(バリュードライバー):キャッシュフロー・マージン、資産回転率等
現場(KPI):セグメント別売上等
・外と内のモノサシを繋ぐのがTBR(Total Business Return)指標=(事業価値の変化額+Σフリーキャッシュフロー)株式購入時の事業価値
■顧客価値(セグメントワン)
・セグメンテーション≠分類。以下の要件を満たす必要あり。
①セグメントを具体的に特定できるか?
②セグメントに効果的にアプローチできるか?
③アプローチしたうえでの効果的な打ち手があるか?
・セグメントの規模(人数等)でなく、経済性(どれだけ利益に貢献しているのか?どれだけコストが掛かるのか?)でアプローチするセグメントを決める
■顧客価値(セグメントワン)
・デコンストラクションの4パターン
①レイヤーマスター(専門特化型企業)
バリューチェーンの1つに特化。インテルやMS等
②オーケストレーター(外部機能活用型企業)
バラバラのバリューチェーン全体をコントロールすることで価値提供。コアのみ自社で提供し、他は外部資源を活用。デル等。
③マーケットメーカー
既存のバリューチェーンの間に入って新たな市場開拓。満たされていないニーズや業界の非効率がある場合に有効(分散市場等)。リクルートの週刊住宅情報や中古車販売のガリバー等。
④パーソナルエージェント
・消費者の側にたって最適なカスタマイズを提供するコンシェルジュとしての価値提供。アマゾン等。
■事業構造(PPM)
・キャッシュフロー需要(市場成長率)×キャッシュフロー創出力(相対的マーケットシェア)
・相対的マーケットシェア=自社のシェア÷最大の競合シェア ※分母は1位か2位かで異なる
・金のなる木で創出したキャッシュを先発企業は研究開発に投入して花形事業を創造し、後発企業は問題児に投入して花形事業に育てる
・事業組織ではなくSBU(Strategic Business Unit)で考えることで、全体での資金配分の最適化を図る
■コスト優位(エクスペリアンスカーブ)
・累積生産量が2倍になると、コストが一定割合で低下(経験則では20~30%)
・前提は、企業努力が継続され、健全な競争が行われている事業。
・後発事業の事業計画や、プライシング戦略に活用
・技術革新はエクスペリアンスカーブをジャンプできる
■時間優位(タームベース競争)
・時間短縮のメリットは4つ
①生産性の向上
②価値向上とそれに応じた価格設定
③リスクの軽減
④シェア拡大
・フレキシビリティを高めるとコストは低減できる。フレキシビリティが倍になるとコストは3割~4割低減。
・意思決定プロセスの短縮が肝。現状を分析し、OODAサイクルを回す。意思決定にも工程管理や工期という思想が必要。
・意思決定のクオリティを上げるためには、
①情報 ②時間 ③メンバー
を吟味する必要がある
・NOT NOWの意思決定は大きなリスクであることを心する
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市場成長率が下がる環境下で生き抜くためには、それなり経営からならでは経営へシフトする事が必要である。
戦略コンセプトとは、自社ならではの強みを考え抜くフレームワーク
競争優位を築く為の3つの問い
・誰に対してどのような価値を提供するのか(価値創造)
・どのような儲けの仕組みを構築するのか(事業構造)
外部での戦い方・内部体制
・どのように勝ちパターンを永続させるのか(競争要因)
競争優位の6つの視点
・株主価値:バリューマネジメント
・顧客価値:セグメント・ワン
・儲かるセグメントと儲からないセグメントを把握し、それぞれの経済性に応じた合理的対応を考え実行する
・平均化の罠:平均値で見ると、事実誤認になる。例:客数増えたが平均単価が下がり売上減少
・最大公約数の罠:二兎追うものは一兎をも得ず
・CRMの蹉跌
ⅠITの呪縛
Ⅱ競争優位の欠落
Ⅲ経済性の欠如
・セグメンテーションの脱分類
Ⅰ実行可能性:実際の行動につながるか
曖昧さ排除・効果的なアプロ―チ・アクションが分かれる
Ⅱ経済性
共通コストと固有コスト
Ⅲ生情報・複眼議論
・バリューチェーン:デコンストラクション
・事業構造:PPM
・コスト優位:経験曲線
・時間優位:タイムベース戦略
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2003年の本だが、全く古さを感じさせない。それだけ本質的でもあり、日本企業がこの20年間であまり進んでいない証でもあると思った。
■3章 顧客価値
1 to 1 マーケやCRMについての章。
1 to 1は下記3つの条件がそろっていないと上手く機能しない。
①顧客一人ひとりの細かいDB蓄積と、それをいつでも呼び出せる体制
②パーソナルサービスのための高い従業員教育
③1 to 1のコミュニケーションプログラムの設計
特に②は「誰でも使いこなせるように情報システムを設計し、サービス内容を詳細に規定しておくこと、つまり従業員まで含んだトータルシステムのデザインが重要になる」と書かれており、定着化のための重要な指摘が書かれている。
2000年代初頭のCRMブームが失敗に終わった反省論として
①ITシステムへの過剰な期待(魔法の杖と勘違い)
②施策ごとの費用対効果が不透明
が挙げられている。どちらも日本の経営能力の低さを物語っている気がする。
セグメンテーションとは脱・分類であり、重要な要素として
①実行可能性(行動に繋がる内容でなけれない意味がない)
1-1. セグメントを具体的に特定できるか
1-2. セグメントに効果的にアプローチできるか
1-3. アプローチしたうえで効果的な打ち手があるのか
②経済性(利益とコストの視点)
2-1. 平均化の罠、最大公約数の罠に気を付ける
2-2. 共通コストと固有コストの比率に気を付ける
③生情報+複眼議論(ただデータを分析するだけでなく、お客様にヒアリングしたうえで軸を考える)
■4章 バリューチェーンのデコンストラクション
・バリューチェーンとは、企業が価値を生み出す上で必要な一連の機能のこと。
・デコンストラクションとは、事業構造を従来とは異なる視点でとらえなおし、旧来のバリューチェーンを分解・再構築することで新しい事業構造を作り出すこと。
・デコンストラクションには4つのタイプがある
①レイヤーマスター(専門特化型企業)
:村田やボッシュなど超強いプロダクトを持っていて、一つの機能に特化して突破できる企業。
②オーケストレーター(外部機能活用型企業)
:バリューチェーン全体をデザインする企業。アップルなど。
③マーケットメーカー
:分散していて非効率・情報の非対称性がある市場に、サプライヤもしくは顧客を束ねることで価値を生む。スーモ、ミスミ、ガリバーなど。
④パーソナルエージェント
:顧客の視点に立って購買や情報収集・選択を支援する。アマゾンや価格ドットコムなど。
・バリューチェーンを見直す3つの視点
①規模の視点
:バリューチェーンをばらしてそこだけまとめることで規模の経済は効くか?
②付加価値の偏在の視点
:バリューチェーンの中で。コストの割りに付加価値の低いところはあるか?またはその逆は?
③顧客の妥協の視点
:現状のバリューチェーンは顧客に妥協を強いていないか(顧客のペイン)
・収益最大化の視点 トールゲート・モデル
①イネーブラ(撒き餌)
②トールゲート(料金所)
③エンラージメント(拡大)
例はドコモの携帯とiモード。
■6章 コスト優位 経験曲線
・経験曲線は企業はコスト削減をする努力を継続的に行っていることが前提(企業努力がないと働かない)
・規模の経済は一時点を取った静的な概念に対して、経験曲線は累積生産量から見る動態的な概念。
・規模の経済は単位当たりの固定費の負担軽減がコストダウンの要因。
■7章 時間戦略
・時間戦略の効果は以下の4つ
①生産性の向上
②価格への転嫁(価格プレミアム)
③リスク低減
④シェア増大
・4つの法則
①0.05~5の法則
:全プロセスで価値を生むのは0.05~5%
②3分の3の法則
:価値を生んでいない時間は以下の3つに分類される
2-1.前工程の待ち時間
2-2.手直しにかかる時間
2-3.次の工程に進む決定までの待ち時間
③4分の1と2と20の法則
:時間を1/4に減らす(75%削減)と資本生産性は2倍になり、コストは20%削減される
④3×2の法則
:時間戦略が上手くできている企業は業界平均の3倍の成長率と2倍の利益率になる。
ということが現象として観測できるらしい。それにしても、このあまりにもセンスのないネーミングはなんなのか・・・。
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フレームワーク集。PPMやExperience Curveなんかはクラシックだけど、でコンストラクションやタイムベース競争は今まで纏まって学んだことがなかったので特に興味深く読んだ。この2つのフレームワークについては日本の大企業に深く突き刺さる内容が多く示唆に富む。読む価値ありあり。
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【文章】
読みやすい
【ハマり】
★★・・・
【気付き】
★★★★・
競争優位の6つの視点
①株主価値:バリューマネジメント
株主からみた会社の価値に大きな影響を与えるバリュー・ドライバーを特定して、KPIに落とし込む。
②顧客価値:セグメント・ワン
顧客のセグメントを特定し、その特性にあった戦略を立てる。
③バリューチェーン:デコンストラクション
3つのレンズ(規模、付加価値の偏在、顧客の妥協)でバリューチェーンを分析して、4つの型(レイヤーマスター、オーケストレーター、マーケットメーカー、パーソナルエージェント)でビジネスモデルを構築する。
④事情構造:プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
市場成長率とマーケットシェアから、展開している事業を4象限(花形製品、金のなる木、問題児、負け犬)に分けて、リソースを投じるべき事業を見極める。
⑤コスト優位:エクスペリエンス・カーブ
累積生産数が増えることで、単位あたりのコストが下がる。将来的なコストを予想することは、価格戦略などに利用可能。
⑥時間優位:タイムベース競争
サービスや製品を提供するまでに掛かる時間を短縮することは、提供価格の向上に貢献する。
会議の位置づけ(報告、議論、決定)を明確にし、適切な情報、時間、メンバーを決めて、意思決定のスピードとクオリティを上げる。
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要約
- 競争優位を実現する6つのフレームワークを章ごとに紹介する構成
1. 株主価値 - Value management
2. 顧客価値 - Segment of One
3. バリューチェーン - Deconstruction
4. 事業構造 - Product Portfolio Management
5. コスト優位 - Experience Curve
6. 時間優位 - Time-Based Competition
- Deconstructionの一例としてガリバーが紹介される。ガリバーは従来の中古車販売の「買って売り、利益はその差分から」だったモデルから、在庫を持たずに手数料だけ取る、というビジネスモデルに転換。情報の透明性を担保し、フェアな市場を作り出した。リサイクルショップに対するメルカリの立ち位置に近い。
- セグメンテーションはそのセグメントに対して実行可能性が意味がない。1) セグメントは具体的に特定できるか? 2)セグメントにアプローチできるか? 3)アプローチした上で効果的な打ち手はあるか?が要件となる。
- シェア拡大の為に価格競争に走るのは愚策だと当時アメリカでは考えられていたが、この戦略で急激に経済成長していたのが日本だった。この秘密はシェアを拡大することで、累積生産量を上げ、experience curveによりコストが下がり、結果的に利益が上がる、というものだった。
- 時間優位の4つの法則はそれぞれ面白い(覚えやすい数字では全然ないので法則と括るのも無理矢理感あるが)
1. 0.05~5の法則: 全プロセスで価値を生むのは0.05~5%
2. 3分の3の法則: 前工程の待ち時間、手直し時間、次工程に進む決定までの待ち時間がロスの時間
3. 4分の1と2と20の法則: 時間を1/4に減らす(75%削減)と資本生産性は2倍になり、コストは20%削減される
4. 3x2の法則: 時間戦略が上手くできている企業は業界平均の3倍の成長率と2倍の利益率になる。
感想
- 学生時代にBCGでインターンした時にもらった本。10年以上ずっと本棚にあったにも関わらず一度も開かなかったので読んでみた。
- なんとなく教科書っぽい構成。特に一つのメッセージを伝えるとかではなく、代表的なフレームワークを淡々と説明している印象だった。