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商品説明
投機史を彩る敗軍の将と覇者たち。宗久、モルガン、ジョセフ・ケネディ、金子直吉、高倉藤平、リバモア、紀文、松沢与七、山種、「ギューちゃん」佐藤和三郎…。エピソードで綴る32人の肖像。写真110枚掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
鍋島 高明
- 略歴
- 〈鍋島高明〉昭和11年高知県生まれ。早稲田大学政経学科卒業。日本経済新聞社編集委員、日経総合販売などを経て、市場経済研究所を設立、代表取締役。五台山書房創設。著書に「市場雑観」など。
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紙の本
日本人は相場の天才!
2006/01/16 22:05
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「日本人はもの作りは得意だが金ころがしは不得意だ」「相場でアングロサクソンの右に出るものはいない。日本人は幾ら一生懸命働いても金融取引で全部アングロサクソンにもっていかれていってまう」などという妄説が白昼堂々まかり通っている。まったく「馬鹿も休み休み言え!」と叫びたくなるのは私だけではなかろう。「日本人は投機が下手だ」なんていう野郎は鍋島高明さんの著作を一冊たりとも読んだ事が無いに違いない。「買い一本の怪物・金子直吉(大正期に相場で当たりまくり鈴木商店を三井物産を上回る大商社にのし上げた大番頭の物語)」「初代成金王・鈴木久五郎」「公会堂将軍・岩本栄之助(相場で大儲けし、大阪中ノ島公会堂を私財を投じて建設しそれをそっくり大阪市に寄付した大立者)」「東大出の飛び将軍・太田収(山一證券の基礎を築いた東大卒インテリ相場師の物語)」「天下の糸平(熱海を私財を投じて整備した生糸相場師)」「K紡・近藤信男」などなど戦前の日本で相場を縦横無尽に張り大儲けしたり破産
したりした「大相場師」がこんなにもいたんだということを少しは学んで欲しい。相場を愛し、相場に生きた日本の相場師たち。しかし、しかしですぞ。
読後一番印象に残ったのはK紡・近藤信男の以下の述懐である。「世の中のことはすべて金で解決がつくと思い込み、何でも彼でも。金を握らねばと夢中で働き、はっと気がついたときには『大金持ち』になっていた。....『大金持ち』になるということは、苦労がなくなることではなくて、苦労の種類が変わるに過ぎないことが分かった。『大金持ち』も死の前には無価値だ。空しいなあ」
いまが我が世の春であるがごとき振舞う成金「六本木ヒルズ族」に聞かせたい言葉であると思うのは私だけであろうか。