打海文三さんのことが書かれています
2014/11/13 00:38
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投稿者:伊坂幸太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家、打海文三さんのことが書かれています。打海さんは、『時には懺悔を』(KADOKAWA/角川書店)という障害児の出てくる小説を書いていますが、その打海さん自身が、障害を持った息子さんを育てていたことを、僕はその上原さんの本で初めて、知りました。生まれた時から目が見えず、喋ることもできない息子との生活を語る打海さんには、強がる様子も嘆く様子もなく、淡々としながらも力強く、そのことに胸を打たれました。
【『honto+ vol.9』掲載】
リコン日記にはむかつくが。。。
2006/07/09 22:15
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
事情は人それぞれ。
何の因果かはしらないけれど、様々な不運というか、不幸に取り巻かれている人は多い。
しみじみと、己の今に幸せを感じる一冊である。
しかしながら、本書の中の『リコン日記』だけは、むかついて仕様がなかった。
親の勝手でついたり、離れたり。その狭間で右往左往する子ども達がいることを両親が気にもとめていない。
私は私。私は誰にも干渉されない自由人であって、娘とも別人格だから何をやっても良いという身勝手な言動に、無性に腹がたって仕様がなかった。
何故、著者はこんな身勝手な人間を不幸、つまり、「喜びは悲しみの後に」という範疇に入れたのかが理解できないままでいる。
前作が力作であり、個人の力が及ぶべくも無い世界の人々のことであっただけに、今回、このリコン話ひとつで興ざめした感じである。
何も、流行の軽軽しいお涙ちょうだいのドラマは必要ないが、社会の底辺で懸命に生きている人のなかで、好いた惚れたという通過儀礼の展開には解せないものだった。
親が簡単に実の子を殺め、子が一瞬の憎しみから親を殺す時代である。
その背景を探れば、親の身勝手さ、周囲の無理解に行き着いているのではないか。
リコンの主人公も娘からのしっぺ返しを食らうのではと思いながら、リコンの主人公の娘の不幸話を著者がまとめるなどという展開になったら、誰が不幸で誰が幸せなのか分からないだろう。
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『友がみな我よりえらく見える日は』にいたく感銘を受けまして、
ジャジャン第二弾!とな、拝読してみましたです。
前作よりもちょっと前向き。んー!淡々じんわり。こういうのっすごいです。
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以下のページで感想書いてます。
http://blog.livedoor.jp/subekaraku/archives/25739652.html
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071128読了。好きな作家、上原隆さん2冊目。1冊目の方が書き方がスキかも。でもこういう本、とてもいい。
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筆者の上原さんにインタビューしたこともある、BBのきよたくんに貰った本。
インタビューはここ。WEB MAGAZINE この惑星http://konohoshi.jp/interview/UeharaTakashi/index.html
一冊を読みおわってあとがきを読むまで、取材をする上原さんの自我を全く感じなかった。最後までずっと透明だった。
人は、みんな自分の視点からしか、世界をみることができない。
文庫版のためのあとがきに、恋人や友達に「おまえは人の気持ちが全然わかってない」と批判されたことについて書かれている。
どんなに細部まで観察して、一緒にいて、どれほど心を寄せているつもりでも、相手が「私のことなんてちっとも分かってない」と感じるのは、それがやっぱり自分中心の視座からしか人を観れていないからだと思う。
上原さんが書くときに思い出すのは、取材をした人々の、小さな仕草や表情なのだという。話すのが苦しいような話をするときに、手元のグラスの刺さったストローを回す手のこと。解説を書いてくれた鶴見俊輔さんを師とあおぐ人が、鶴見さんの前であおげば尊しを歌ったときの顔の皺。
私の鶴見さん贔屓を含めても、鶴見さんの解説がすてきなのは、上原さんをこう評価しているところ。
「売り物になる文章を書くところまで達した人は、そこでなんとなく、あとは、侫人になる。へつらう人という意味だ。だが、この人は、そういう人にならずに書き続けた。」
そう、人は、みんな自分の視点からしか、世界をみることができない。
鶴見さんは、「そのことは、しかし、共同の世界があることを否定しない」という。上原さんの提示するエピソードが、ひとを語る。それは確かに彼の目が観た、彼の書いた世界なのだけど、たくさんの小さな仕草や、表情や、周りの匂いや、色やそういうものがたくさんの人々の言葉と一緒に優しく包まれて、提示される。
上原さんの作品はこれが一冊目だったけど、アマゾンで探して出て来た本のタイトルがどれもそそるので、ほかにも読んでみようと思う。
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(「BOOK」データベースより)
脳に障害のある子を持つハードボイルド作家、倒産した地方新聞社の元社員たちの困難な再就職、「子殺し」の裁判ばかり傍聴し続ける女、十年間第一線で活躍しながらある日突然「戦力外」通告されるプロ野球投手。人は自らの存在を道端の小石のように感じる時、どのように自分を支えるのか?安らぎと感動のコラム・ノンフィクション第二弾。
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ノンフィクション短編集 友がみな我よりえらく見える日は の第2弾。
実話なので重いです。
でもいろんな世界があるんだなって思わされるし、いろんな悩みがあるんだなって思わされます。
そして悲しみの底から這い上がってくる人間のパワーを感じたりもします。
落ち込んだあとに、悩みが晴れた時の感覚とかそういうのも味わえます。
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上原隆の切ないシリーズ2冊目。さらに透明感を増した文章と、前作よりもほんの少し希望がある分、非常に読みやすかった。相変わらず切なかったけど。平易で上手な文章はかなり好み。
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916
「友がみな我よりえらく見える日は」に続くノンフィクション・コラム。
第一線で活躍しながらある日突然球団から戦力外通告されたプロ野球投手、
脳に障害のある子を持つハードボイルド作家(打海文三)、デパートの実演販売の男…
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前作も読んだんですけれども、今作はタイトル通り、なんとなく希望が持てる終わり方をしている…エピソードが多いように思いますね!
ヽ(・ω・)/ズコー
それにしても著者は文章がうまい…グイグイ読んで行けますね。それは解説者も指摘していることですけれども…
個人的にこういう、人の生活のエピソードを集めた本というのは大好物ですので、今後も著者の本を読んで行きたい!
と切に思った本書なのでした…おしまい。
ヽ(・ω・)/ズコー
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ノンフィクションなのでいいとか悪いとかは言えないが個人的にはあまり読まない。
でも最初の「小さな喜びを糧に」の最後のところで泣いた。
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地元のとある高校の図書室が小論文対策図書に推薦していたので、読んでみた。
とくに印象に残ったのが、「子殺し」の裁判ばかりを傍聴し続けているという女性の話。
その女性は虐待された過去があり、また自らも長女に対して同じ過ちを犯してしまったという経験がある。ある時「子殺し」事件の新聞記事に心動かされた彼女は、以来これを自分のテーマと決め、母子関係やそれを取り巻く社会の仕組み等について考え続けている…。
本書にも〝人は自らの存在を道端の小石のように感じる時、どのように自分を支えるのか?〟という、著者自身の明確で一貫したテーマが根底にある。
自分のテーマを持って生きることは、自分自身をよく知ってコントロールすることや、時に自分を支え導くものとして大事なことなのではないかと感じた。
それぞれが悩み傷つき葛藤しながらも、ただひたすら懸命に今日を生きる姿が心に刺さった。
問題との向き合い方や気持ちの整え方ということを考える上でも、とても参考になった。
本書はコラム・ノンフィクションのシリーズ第2弾であり、既に第1弾『友がみな我よりえらく見える日には』(1999年)と第3弾『雨にぬれても』(2005年)が刊行されているということを読み終わってから知った。
なので、機会があれば是非そちらも読んでみたいなと思う。
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・・・そうか、あの小説に出てきた障害児は、打海さんの息子さんだったのか、と驚く。
世に名の知れてる人、まったく知られてない人、いろんな人の辛さ、悲しみ、寂しさ、との向き合い方。
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「つらいことや悲しいことがあり、自分を道端にころがっている小石のように感じる時、人は自分をどのように支えるのか?今回はつらい場面の描写だけではなく、それを乗り越えた瞬間にパッと輝く喜びの表情を記録したいと思うようになった。」
『小さな喜びを糧に』
二分脊椎症と水頭症を併発して生まれてきた息子について語られた言葉で息が詰まりそうになった。
「なんていうかな、将来のことを考えては今日は生きられないってことなんです」
『ブロンクス生まれのウェイター』
人に親切にすること、お洒落をすること。彼の生活信条は至って単純だけど、その単純な生活信条が日々を生き生きとさせる。
『タイムマシーンに乗って』
「学校でいじめられても、家に帰れば親は普通の子として扱ってくれる。ホッとする。」そうなの。心配されたくないし、気も遣われたくない。ただ普通の子としていられる唯一の場所が家だった。
『ロボットの部屋』
私がミニマリストにならない理由。
「これを持ってるとその時代のことを忘れない。遺産みたいなものです。」
『復讐のマウンド』
まさに七転び八起き。もちろん彼の精神的な強さもあるんだけど、コーチや奥さんあっての復讐劇でもあるよね。周りの人は自分を写す鏡。
「後ろを振り返っても過去はついてこない。前を見て切り開いていこう」
『リコン日記』
翠の心情や行動が生々しくて読むのが苦しかった。でも最後、とても短い一文なのだけれど意志の強さと清々しさと軽快さが感じられて胸にガツンと来る。
『天安門から遠く離れて』
終始イライラしてしまった。でもこれって決して小説の中の話だけじゃなくてこういう視野も心も狭くて人間の器が小さすぎる人っているよね。自分は臆病だしいまの仕事を失いたくないっていう台詞も頭に来たけど、とてもリアル。
『わたしはリカちゃん』
これを否定されたら生きる意欲を失ってしまう、それでも世間は否定的で誰も自分の欲望を肯定してくれない。
『愛想笑い』
ごますりごますり。
『六十八回目の恋愛』
「人の気持ちは努力でつかめないでしょう?」
「メジャーになって、自分のランクが上がって、もうここでイイと思った時に、自分の女を決めたいんだ」最低。
『インポテンスの耐えられない』
ゴメンナサイ。
『実演販売の男』
孤独な杭、かぁ。
『黄昏時』
なんか、いい。残された時間を心地の良い距離でそれぞれが大切に過ごす。
「なるべく、楽しいことは一緒にやろうと思って」
『子殺し』
「つらい体験からテーマをつかみ出し、自分の研究や表現の対象とすることができたら、その時にはもう、人はつらい体験から一歩遠のくことができている。」
最近読んだルポタージュ「聖なるズー」を思い出した。私が目指すところでもある。
『我にはたらく仕事あれ』
お父さんの静かな応援が心に染みます。
『会社がなくなった』
「好きな仕事ができ、仲間を信���できて、会社を愛せることがどんなにすばらしいことかがよくわかった。失ってはじめてわかることがたくさんある。」
こういう時期だからこそなおさら心に響くお話。
『キャッチ・セールス』
うーん。
『大晦日』
「違うわよ。結婚したい。毎日一緒に暮らしたいわよ。でも、一緒に暮らしたら、あなたはいまのように私を愛してはくれないのよ」
そうなのそうなの。