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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2004.6
- 出版社: 晶文社
- サイズ:20cm/294p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7949-6611-3
紙の本
平和と平等をあきらめない
平等に基盤を置く社会では戦争は起きにくい。兵士確保の階層社会と、自国を絶対視する世論が整った時、戦争は遠くないだろう。我々が育った戦後の「平和と平等」の理想はどうなる? ...
平和と平等をあきらめない
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商品説明
平等に基盤を置く社会では戦争は起きにくい。兵士確保の階層社会と、自国を絶対視する世論が整った時、戦争は遠くないだろう。我々が育った戦後の「平和と平等」の理想はどうなる? 同世代の哲学者とジャーナリストが語る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
高橋 哲哉
- 略歴
- 〈高橋〉1956年福島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。
〈斎藤〉1958年東京生まれ。『週刊文春』等の記者を経てフリージャーナリスト。
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著者/著名人のレビュー
建前にせよ、平等に...
ジュンク堂
建前にせよ、平等に基盤をおく社会ではなかなか戦争はできない。兵士を確保する階層社会と、自国を絶対視する愛国心が整ったとき、戦争は遠くないだろう。
自衛隊がイラクに派遣され、憲法改正が迫るこの時代をどう見るか。私たちが空気のように育った戦後の「平和と平等」の理想はどこへ行ってしまうのか。昭和三〇年代生まれ、団塊〈直後〉世代の哲学者とジャーナリストが、生い育ってきた戦後の時間に背を押されるようにして語り尽くした。
今の状況と一〇年前のちがいを一言でいえば、「強者の論理」に居直るということだろう。一方に弱肉強食の新自由主義。他方に強い国家を求める国家主義。前者は自由化を謳い、後者は統制を求めるゆえ、両立しないように見える両者がワンセットで進んでいる。
自分さえよければよいという生活保守主義は、やがて自分たちにはねかえるだろう。このまま行っていいのだろうかと思っている人も多いはず。今ならまだ間に合うかもしれない……。
愚直なタイトルの向こうに、時代の危機と希望を告げる一冊。
出版ダイジェスト:2005年3月
テーマ『今、この時代をどう読むか 身近なナショナリズム』より
紙の本
嘆かわしき日本人の国民性
2005/11/10 03:04
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひどく消極的なタイトルである。「平和と平等をあきらめない」。
あたりまえだろ、と言いたくなるが、本書を読めば納得する。
日本という国は、もう「平和」も「平等」もあきらめざるを得ないほど末期的症状を呈しているのだ。歴代自民党政権による反動政策・右傾化を言うが、それを許してきたのは一般の大衆なのだ。日本の国民なのだ。いや、むしろ積極的に“世の勝ち組”に加わろうと体制側を後押ししてきたのだ。
自分が勝ち組に居る限りは、負け組みを見下し、物質的豊かさを享受できる。勝ち組に居ることによって、たとえ日本が再び他国に軍隊を送ることになろうとも、自分は、自分の子や孫は命を捨てる必要は無い。戦場の駒は、負け組みから選出される。
そうやって、自分の最低限の人間性さえも破棄し、自分の理想を語ることも夢見ることも放棄し、ただただ勝ち馬に乗ることだけに邁進する。
そして、彼らは気付くことになる。爪をたてるようにしてでもしがみついていたはずの勝ち組席だって、最後には一部の“毛並みのいい”権力者たちが座るだけ。さんざん他人を蹴散らして、弱いものを踏みつけて上った階段も、一般大衆には結局のところ最後の段は用意されていないのだ。
それまで自分がしてきたように、今度は他人に蹴散らかされるのだ。
それが今の日本の政治を許してきた日本の国民たちなのだ。
本書は、靖国問題などに関し近年さかんに発言を続ける哲学者と、国民総背番号制反対などのルポを通し国家による管理強化を常に監視し続けてきたジャーナリストの対談の形式をとっている。
しかし、これは二人の著者による怒りの書なのだ。物言わぬ一般大衆に向けての挑発の書なのだ。
人間として生まれてきたからには、絶対失ってはいけない物があるはずだ。いまなら間に合う。大切なものを見失わないように、そして大切なものを奪い去ってしまおうとしている敵に対し、今こそ声をあげていかなければならないのだ。
まさしく「平和と平等をあきらめ」てはいけないのだ。
紙の本
「能力主義」蔓延の恐ろしさ
2008/05/05 12:08
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの業界でも「能力に応じて」給料や退職金、ボーナスの差をつける「能力主義」が蔓延している。
他人の評価を必要以上に気にする必要はないとは思っても、平均点を超えればうれしいし、下回ればいい気分はしない。上司に気に入られる仕事もしないといけないかなあ、とか考えてしまう。
昔のちょっと大きな会社には、いつも窓際で鼻くそをほじっているような奇人・変人社員がいたもんだが、今はそんな存在は払拭された。そういう人が消えたあと活力ある職場になったか? むしろ「仕事をしない」とレッテルをはられたら居場所がなくなる、という恐怖感だけが広まったのではないか。
自分が「勝ち組」だと信じているのか、能力評価をする上司の力量を信じているのか、多くの会社員は能力主義を支持しているという。そんななかでは、「能力主義反対」は負け犬の遠吠えとしか思われない。
時流に乗らない仕事、上司の気に入らない仕事をしていたら飛ばされるから、萎縮する。人権やら憲法やらは「時流に乗らない」最たるものになりつつある。国立大学法人化のとき、あまりに流れが速いのでもはや抵抗できないと教員たちは思いこんでしまったという。
職場でも、地域でも、国レベルでも、戦後「当たり前の価値」と思われてきた平和と平等が危機に瀕している。そんな今だからこそ、せめて教育者やマスコミや弁護士といった一定の教育をうけてきた人間は、ちゃんと声をあげよう、それが責任じゃないのか、と本書は問いかけている。
警官の巡回連絡で勤め先をたずねられて回答をことわるとき、NHK受信料を「うちは払わないことにしています」と断るとき、君が代斉唱のときに座りつづけるとき……上気して顔がかっかとしないだろうか。興奮とも恐れともビビリとも言えるそんな気持ちを、一人一人が体に刻みこみ乗り越える必要があるのだろう。
紙の本
平和と平等をみんなで実現しよう
2004/07/10 05:49
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学者高橋哲哉とジャーナリスト斉藤貴男の対談。ポスト団塊世代の二人が、戦争と差別の時代をどう生きるかを熱く語る。
斉藤貴男はかねてから知っていたが、高橋哲哉は最近までまったく知らなかった。東京大学の「知の三部作」の『知の論理』に論稿を載せていたことから知ったばかりである。
よく知らない哲学者と斉藤貴男がどんな対談をするのか興味を持った。もちろん『平和と平等をあきらめない』という題名に二人の決意を知ることはできたが…。
新自由主義による「弱肉強食」の社会、憲法を改悪し戦争する国へと突き進む日本に対する危機感を、現実の政治や著名人の発言をもとに分析。
自らの成長期の体験と、今の社会を生きる中で感じていることを述べているだけに、現代の危機感がリアルに述べられている。
「勝ち組が恩恵を受け、負け組は切り捨てられて当然とする『強者の論理』がまかり通っている。その根底には人間観の大きな変化がある。
人が人を見下すことが日常化しなければ、戦争はできない。不平等が拡大した階層社会と、自国を疑うことのない愛国心が整ったとき、戦争は遠くないだろう」
二人は、新自由主義を推し進める勢力を批判すると同時に、長きものには巻かれる処世術を身につけた無批判・無抵抗の国民にも厳しい意見を述べる。
そして、平和と平等を守るためにできることをするという熱い決意が語られる。斉藤貴男は『「非国民」のすすめ』で、山本宣治や小林多喜二の生き方にあらためて注目する趣旨のことを述べているが、本書でも暗黒の時代にも抵抗した人々のいたことを忘れてはならないと述べる。
憲法改悪が俎上にあがっている。その目的は第9条の骨抜きと強者の論理による人権の抑圧である。断じて許してはならない。
「今度こそ『それなりに』ではない、本当に平和で平等な世の中を築くために、みんなで努力したい」
そう、みんなが同じ思いで努力すれば、現実を変えることはできるはずである。
二人の熱き思いに私も共感する。みんなもっと考えようよ! そして行動しようよ!
紙の本
この国の一体誰が、「平和と平等をあきらめ」ているのだろうか?
2005/11/12 10:42
18人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
賢くも昭和天皇陛下を、あろうことか強姦罪で有罪に処してニンマリとしている男・高橋哲哉から見ると、今の日本は「平和と平等」を諦めかけているんだそうだ。おいおい、馬鹿も休み休み言ってくれ。今の日本の一体誰が平和をあきらめているんだというのだ。だいたい日本の平和を守ってくださっているのは、高橋、お前のようなサヨクではなくて、ブッシュ大統領率いるアメリカ軍さまだし、日本が中東に自衛隊を派遣しているのだって中東の、イラクの平和を守るためなんだ。平和を守るためには強力な軍隊が必要だということは、今や誰でも知っている当たり前の事実だ。そうでないと強力なテロリストが支配する暗黒の世の中になってしまう。高橋は、もしかしたら、それが狙いなのかもしれないけどな。そもそも「反動」という言葉自体、歴史の法則からいって世の中は資本主義から社会主義・共産主義へと発展することになっていて、この歴史の必然の流れを逆回転させようとするのが保守・反動だというところから来ているわけだが、既にこの「マルクス主義歴史法則」そのものが根底から覆り、完全否定されているにもかかわらず、いまだにこの古ぼけた「反動」という言葉を使っていること自体、高橋君の視点のおかしさを雄弁に物語っている。平等という概念も俎上に上げたい。平等には2種類ある。努力能力に応じた平等と結果の平等だ。人間には生来能力差がある。歴然とある。だからほっておけば強いものが弱いものを完全に支配する階級社会になる。しかし強いものがなぜつよいのかといえば、それは能力があるからであり努力するからなのだ。努力すれば報奨があっていいのは当たり前だし、サボっているもの、怠けているものが罰をくらうのは「アリとキリギリス」の童話を引くまでもなく、昔から当たり前のことだ。ただ、この差異が制度として固定化し階級化すると、いろいろ宜しくない効果が出てくる。金持ちの子弟は本人はあまり努力していなくても、先祖の努力の恩恵で非常に有利な立場に立てるというのが、それだ。幸いにして日本は世界一過酷な相続税があり、こうした階級の固定化はアメリカ、英国、フランスに比べてもずっとましだ。ましてロシアや中国に比べたら天国のような状態なのだ。このことを知っていながら議論を捻じ曲げ負け犬達に迎合しようとする高橋君のあざとさが鼻につく。いいかげん、学べよ。
紙の本
責任転嫁のプロ愚痴のパレード
2006/02/03 13:59
14人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「書」を評するというのは、難しい。そもそも「書」とは当該書籍すなわちその内容をいう。そして「評」とは評価を加える。つまり書評とはその本の内容について評価を加えるということだろう。そして、書を著す名義人と併せて評価する必要がある。会社員Aさんの意見と医師Bさんの意見とでは同列に並べるのでは正確な書評は出来ない。
本書の内容を見てみると、憲法やら靖国、教育基本法など並べ立てているが、改憲反対・靖国参拝反対・愛国心大嫌いという意見を手を変え品をかえアピールしているに過ぎない。
マスメディアが大政翼賛会になっている?なにをとぼけているのか。いつ、読売や産経が翼賛会になったというのか。朝日新聞だってマスコミの一員だが、朝日などは歴史教科書の内容を検定よりさらに前に中韓に密報し、国内外からネガティブキャンペーンを繰り広げた。政府の公式見解である「竹島」を韓国に譲れ、などといってるではないか。
また、読売・産経などは中道保守としてまっとうな新聞作りに勤しんでいる。それをして重箱の隅を突くような揚げ足をとって、「大政翼賛会」などふざけた事をいって消費者を欺くのはよろしくない。
自分たちの意見とマスコミの意見が違うだけで、大政翼賛会とごねるなど、まったく驚きの堕落ぶりだ。これを受けた一般国民はどう思うかといえば、みんなもやはり呆れるだろう。政府にはマスコミを統制する権力などありはしない。記者クラブなどは愚行だが、日本ほど政府の統制力が弱い先進国はない。なぜなら、日本には情報機関がなく、スパイ捜査も有効的盗聴なども出来ないからだ。
高橋らが尻尾を振るう韓国などは、日本擁護の言論は一切封殺されている。実際に、『親日派のための弁明』の著者金完泳氏は住所を変え逃げ惑っている。韓国は法治主義、立憲主義なのに平気で言論統制をする。
大体、高橋哲哉は「子供と教科書全国ネット21」という極左反日団体と共同戦線を張り、わざわざ韓国などにつくる会の教科書をばら撒き、「日本の軍国主義が復活する」と大騒ぎして韓国世論を一転「反日」に呼び込んだ張本人である。高橋哲哉はガチンコの反日思想家なのである。そう思わざるをえない。いったい、まともな人間が果たしてただでさえ微妙な関係にある中韓にわざわざ反日宣伝をするだろうか。そしてつくる会の教科書は実にまっとうで、軍国主義など一文もない。秀吉を悪と教え、天皇陛下を悪と教え、聖徳太子を「厠」と呼び、反日で埋め尽くされた、日教組の思うがままに左翼史観で埋め尽くされる現教科書に一石を投じただけである。
高橋らは国民が堕落したなどといっているが、堕落というか国民が極左の意見に流れ出したら、それこそ国はお終いである。つまり、高橋らが国民を『堕落」といっている限りは、世論は健全ということだ。
読者は、ゆめゆめこの男が実に変わった考えを持っているということを忘れてはならない。我々の日本は、これからが試練である。大地震、人口減少、なにより財政破綻・・。細木和子は「30年後日本人は難民になる」(占いはインチキだが)と泣きながら訴えていたが、その意味はこの3つであろう。そうなったとき、はじめて靖国や皇室という「ああ、日本人はみんな家族だな」「俺には(私には)祖国があるんだな」と初めて心から感謝するはずだ。靖国とか皇室などの国家統合の「シンボル」そして「国家」の大事さは、豊かな時代には忘れがちだ。しかし、失って初めてその尊さに気付く。
私は、十分に本書他高橋の書物を読んでいるが、怒りというより本心から憐憫の情を誘う。本書もお互いが空疎な意見を並べるだけで、実に虚しい。そして国民が堕落したように見えるのは、ただ自分の意見が世論とかけ離れているという単純な話だろう。