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- カテゴリ:小学生
- 発売日:2004/06/02
- 出版社: BL出版
- サイズ:22cm/1冊
- 利用対象:小学生
- ISBN:4-7764-0071-5
紙の本
ちいさな赤いとうだい
著者 ヒルデガード・H.スウィフト (ぶん),リンド・ウォード (え),掛川 恭子 (やく)
ニューヨークのハドソン川べりに立つ小さな赤い灯台は、行き来する船に、休まず光を送る毎日でした。ところが、巨大なジョージ・ワシントン橋が建築されると…。1942年から読みつ...
ちいさな赤いとうだい
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商品説明
ニューヨークのハドソン川べりに立つ小さな赤い灯台は、行き来する船に、休まず光を送る毎日でした。ところが、巨大なジョージ・ワシントン橋が建築されると…。1942年から読みつがれる名作絵本。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ヒルデガード・H.スウィフト
- 略歴
- 〈ウォード〉1905〜85年。児童書、一般書合わせて200冊以上のイラストを手がける。53年コールデコット賞を受賞。木を使った彫刻でも有名。
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紙の本
合衆国の人々に愛されたちいさな赤いとうだいの存在を語るあたたかい絵本です
2005/01/02 13:00
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投稿者:まざあぐうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハドソン川沿いの岩場の突端に建てられた赤い灯台は、気のいい、誇り高い灯台でした。大きな蒸気船や細いカヌーやタグボートが灯台に声をかけて通り過ぎてゆきますが、昼の間は返事をしませんでした。
夜になると「ピカッ! ピカッ! ピカッ!」「あぶないよ、あぶないよ、あぶないよ! ここに いわがあるよ! ちかよっちゃだめだよ!」とみんなに分かる言葉で声をかけます。ちいさな赤いとうだいは、そんな自分を得意に思っていました。どの船も、ちいさな赤いとうだいがいてくれて、ありがたいと思っていました。霧が出た時は、鐘を鳴らします。「そうさ、ぼくはハドソン川のぬしなんだ」とちいさな赤いとうだいは思っていました。
ところが、ある日のこと、大勢の男たちがやってきて、地面を掘り始めました。そして、巨大な鋼鉄の柱が何本も何本も空に向かって、のび始めました。なんておおきいんだろう! なんてすごいんだろう! なんてちからづよいんだろう! 巨大なジョージ・ワシントン橋がハドソン川に建築されたのです。
ちいさな赤いとうだいは、自分がとても小さくなったような気がしました。夜は、灰色の橋の塔の上で強力な光が輝き、一回りしています。ぼくはもう いらなくなっちゃったんだとちいさな赤いとうだいは思いました。
ふさぎこんで、心配しているとうだいに、大きな灰色の橋が呼びかけます。「ちいさなきょうだいよ、おまえのひかりは どうなってしまったのだ」と。
ちいさな赤いとうだいと灰色の大きな橋がまるで生きているように語られ、描かれている絵本です。『ちいさな赤いとうだい』は、1942年からアメリカで読み継がれている名作“The Little Red Light And The Great Gray Bridge”の掛川恭子さんによる翻訳絵本です。
私は、『誘拐犯はそこにいる』(メアリー・H・クラーク&キャサリン・H・クラーク)(新潮文庫)という推理小説の中で、この名作絵本の存在を知りました。誘拐された父親が、自分の居場所を犯人に分からないように娘に知らせるために、娘が幼い頃、くり返し読み聞かせた絵本をメッセージの中に潜ませました。父親は、ハドソン川の川べりの船の中に拉致されていたのです。
それほどに有名な灯台ですが、1932年、ジョージ・ワシントン橋の開通とともに、灯台としての役目を終えることになりました。その後のちいさな赤いとうだいについては、絵本のあとがきをお読みください。皆さん、ほっとなさるでしょう。合衆国の人々に愛されたちいさな赤いとうだいの存在を語るあたたかい絵本です。
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