紙の本
純愛小説として読めばかなりの力作と言えそうです。きっと主人公の切ない気持ちに脱帽することでしょう。
2004/11/06 19:33
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投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に永井さんの作品を読んだけど巷の予想通り(?)やはり評価の分かれる作品といえそうです。
個人的には恋愛小説として読めばなかなかのもの、ミステリーとして読めば少し物足りないと思った。
主人公の緋沙子のようにたとえ報われないと分かっていても、いつまでも愛する人との純愛を育んで生きている姿は共感を呼びました。
個人的には決して永井さんのいい読者ではないが、最近の作品より過去の作品の方が良かったという声をよく耳にする。
元来筆力の高い方だから周囲の期待も大きいのだろうか?
物語は一応、殺された凛子の理由と誰が殺したかの2点が焦点となって進んでいくのであるが、前者は永井さんにしてやられたという感じで収束し、後者は少しあっけなかったかなという感じであった。
著者の得意分野でもある社会派部分(キッズスクールのあり方、あるいは事故後のマスコミの報道の仕方など)は本当にリアルである。
幼児がいらっしゃる女性が読まれたら身につまされるかもしれませんね。
あと、周平と希央の子供のロマンスが微笑ましかったのも付け加えておきたい。
子供の視点からの世界、ハッという描写にゾクッとさせれらた方も多いんじゃないかな。
ミステリー的にはもうひとひねりあっても良かったのかとも思うが、ほとんど登場しない(といっていいんだろうね)知らぬ内に、凛子の存在感というか固定イメージが読者の中に出来上がっていたのは著者の人物造形の確かさと言えるだろう。
少し余談であるが、果たして緋沙子と凛子のどちらの立場の方が苦しいのだろうか?
どちらもひたむきに生きているのには違いない。
女性読者に聞いてみたいと思う(笑)
でも私なりには男性読者の方が共感出来る作品だろうと思ったりしている。
なぜなら亡き妻の命日に内緒で墓参りする高柳氏に対して、強烈に嫉妬した後妻の凛子とかつての恋人の緋沙子。
とっても素敵な女性2人に愛された高柳氏。
この2人の愛情には打算のかけらもない。
男性読者ならきっと高柳氏にジェラシーを強く感じるに違いない。
ジェラシーを強く感じる要因は2人の女性の魅力につきる。
男性読者の大部分は凛子に対するイメージがいい意味で読み始め部分から違ってたので胸をなでおろして本を閉じられた方も多いことだと思う。
少し儚い作品かもしれないが、儚さも人生においては美しいと思う。
健気に生きている彼女たちから吸収すべき点はとっても多い。
純愛小説として読まれた方はきっと満足して本を閉じたことであろう。
少し人生に冷めた読者には恋愛にとどまらず、大切な何かを思い起こさせてくれる1冊となり得る力を本作は持っているということは強く感じた…
トラキチのブックレビュー
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あのとき、身を切る思いで彼と別れたのに。16年後、彼女の前に男は現れた−。確かな自分を求めて揺れ動く、現代の女性を描く恋愛ミステリー。ミステリーというか、こじつけというか、こんなとこに犯人が…と。
そんなことがあったのね、と。
不思議な展開で面白かった。
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小説。愛人だった母と、母子2代で営むプレスクール「ラウンドテール」を舞台に起こる、恋愛サスペンス。かつて愛した男性の子供が、プレスクールに通ってくる。しかし彼の妻が殺され、初めて再会を果たす。ミステリーの謎解きと恋愛ドラマが同時進行。でもミステリーは伏線が弱いまま、あっけなく終末に。既婚男性を好きになった主人公の半生記も、最後にバタバタっとサプライズも飛び出して完。あれこれ詰め込みすぎた印象が残る。私のリクエストとしては、じっくり、恋愛だけを書いたものが読みたかったかな。
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フツウな印象だが、読むとやめられない。とまらない。一気に、でも大事に。
謎のかげにかくれた秘密に、読んでよかった。
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凛子というしっかりした女性経営者が妹の恋人を必要以上にをなじる、無理な設定では?という疑問。丸尾母娘は知的で思慮深いのになぜ家庭ある人の子供をつくっちゃうのか?こんなにきちんとした女性なら排卵日くらい知ってた気がしますが。などと疑ってしまう。もっと美しい恋愛として主人公母娘を見たい。ステキな人物だとは思うのですが・・・・
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力になってくれる人間を確保しておくのは、…誰にとっても大切なことだ。そして、そういった人間が家族以外にもいるというのは、とても幸運なことだ。
第4章より
気持ちを開いて、肩の力を抜いて、交わす会話。どれほど望んでも手に入れられないと諦めていたものだった。
終章より
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あのとき、身を切る思いで彼と別れたのに。16年後、彼女の前に男は現れた―。錯綜する思いと疑惑。確かな自分を求めて揺れ動くミステリー。
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なにもミステリー仕立てにする必要はなかったんじゃないの?
未婚の母でもしっかりと前を向き、地に足つけて歩いてく。
かっこいい女の生き様を描いているのに、
殺人事件は余計だったなぁ。
殺人現場のK市や、ネールアーティストの被害者が通っていた
老人ホームなど一見広がりを見せたかに思えたけど
結局は衝動的に行われた殺人。ということで一気に解決。
母志乃が娘のために奮起して事件解明に乗り出し
老人ホームやK市に出向いていった、その努力は一体どうしてくれる?
作者も書き始めには別の展開を考えてたんではないのかなぁ
急にめんどくさくなって、事件解決しちゃった感じ?
犯人に仕立てられた人も「え?俺っすか?」って
びっくりしたと思う(笑)2005.10.10
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主人公・緋沙子が主宰するキッズスクール『ラウンドテイル』で
お迎え時間になっても娘・希央を迎えに来ない母親の凛子。
行方不明が一週間を過ぎ、凛子は縁もゆかりもない土地で殺害された遺体で発見される。
緋沙子がかつて愛した男が希央の父・高柳であったという筋書きには、正直、B級恋愛映画かと鼻白んだ。
でもその事実を踏まえると、緋沙子の全ての行動が怪しく裏があるように思えて仕方なくなったし、一見いい人そうに見える緋沙子の母“おばあちゃん先生”や保育に熱心な大学生・栄介などみんな怪しく思えてくる。
べただけど、犯人捜しをしながら読む読者の心理をうまく衝かれたと思う。
一番良かったと思うのは、犯人が何の気なしに発した一言が、実は後の犯行のトリガーになっていた場面。
登場人物には“なぜ?凛子は・・”と思うのだが、俯瞰で見ている読者にとっては、誰もがなるほど!と思う、そのあたりが面白い。
惜しむらくは、犯人逮捕後の緋沙子のエピソードは蛇足だと思う。
関係ないが、偶然にも作中の重要な日にちである“9/6”その同じ日に
この作品を読んだ。
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帯には「恋愛ミステリー」と書いてあるが、ミステリー要素は低い。
恋愛小説というほど恋愛の要素も強くない。
けれど、いい意味で肩肘張らず楽しんで読めた。
主人公の緋沙子は母が興したプレイスクール「ラウンドテイル」の経営者。
子供達がのびのびと遊ぶ場所を提供している。
この「ラウンドテイル」がとても魅力的な場所なのだ。
きっとどの子供も虜になると思う。
ゆったりと子供達に向き合える緋沙子も母親の志乃もとても素敵だ。
その「ラウンドテイル」はある事件がきっかけで窮地に立たされる。
実は志乃も緋沙子も秘密があるらしい。
事件の真相は?
母子がお互いにも明かさない秘密は?
と、粗筋をまとめるとこんな感じ。
で、事件の真相はふーんといったところ。
ミステリーの種明かしや本筋に関係ないところで、私がおもしろかったのは子供達と母親達の描写だろうか。
子供はよく大人を観察している。
母親達のよくやる井戸端会議も、実はよく聞いていて、子供ながらに色々感じ取っている。
母親の声や表情の些細な変化にもすぐ気付く。
一方母親達の子供への接し方も、まるで自分をみているようで時々身につまされた。
我が子はかわいい、けど四六時中つきあうのは疲れる。
そんな母親の本音がちらほら浮かんでくるのだ。
きっと、作者もそれが分かってるんだな、と最後のセリフを読んでにやにやしてしまった。
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読みやすかったので、するすると世界に入ることが出来ました。
面白かったです。
でも犯人がねぇ。
どうして?と思ってしまう。
犯行理由がいけないんだろうな。
人を殺すことは決して許されない行為だと思います。
どんな理由があっても、人を殺してもいいとは思えない。
消えて欲しいと思うことがあっても、殺すことで消すことは許されない。
そこまで人を憎んだことがないから、こんな風に思うのかもしれないけれど。
でも、実際の事件や、架空の物語での殺人で、
それなら仕方がなかったのかなと思える殺人もないとは言えない。
殺すしかなかったのかなと思える犯行。
だけど、この本の犯行の理由は許せない。
だから読後感が悪いです。読みやすいですけどね。
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要点が恋愛なのかミステリーなのかわからなくて中途半端なイメージ。
結末も薄くて、犯人の動機にも納得いかない。
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む、む、、
ちょっと浅い感じがしてしまったのが残念。
もっと人間てグロいものだとあたしは思っていて、
だから、彼女の描くきれいな人間像には共感しづらい。
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どちらかというと、ミステリーよりも恋愛色が強いです。周平くんの子供ながらに俯瞰的なところが好きです。かわいい。
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恋愛とミステリーあり、また海外に飛んだりと
いろんな場面を見せてくれました
母娘とも同じ道を選んだ
とても切ないです
でもやっぱり、不倫はいけません
(ここにはこだわります)