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紙の本
ココロとカラダはつながっている〜女の底力〜
2005/12/16 16:30
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
内藤みか作品は、読んでいて、痛くなることが多い。
ヒロインの生き方が「痛い」。
もうやめようよ〜と思うのに、
行ってはいけない方向に、
行ってしまうヒロインを見ながら、
見につまされたりもする。
その生き方は同世代の女性として極端だと思うのだけど、
何か目が離せない・・・みたいな。
『恋愛症状』は、さらに違った意味でも「痛い」。
心の痛みみたいなものが
ぜーんぶ、カラダに出ちゃっているお話ばかりだから。
しかも、その痛みの表現が、
自分も一緒に経験しているような
内側からの痛みなんです。
症状から考えて、ありえないのだけど、
著者には、この痛みを全部経験して書いてませんか?
と聞きたくなるような表現なのだ。
そんな感じで、今回も、自分は経験したことのないはずの
痛みが全部自分の経験として体感できてしまったような
読後感となりました。
だって、そういう「症状」としては出ていなくても、
同世代の女性として、共有している不安とか痛みは
たくさんある。
そして、だからこそ、彼女の作品を読むと、
自分のココロとカラダを見ないわけには
いなかなくなってくる。
ヒロインたちは、たぶん、私と同世代が、
少し若い20代後半くらい。
それは、『いじわるペニス』の咲希とも重なる。
そして、世代だけでなく、悩みや根源的に求めているものも、
咲希のそれとなんか微妙に重なるようだ。
男性に必要とされることで自分の存在価値を見出すところ。
もういいよ、やめようよ、
自分の価値を決めるのは自分じゃん!
と泣きそうになるだけど・・・。
本能なのだろうか?
自己実現が一番大事だと公言しながら、
自分の中にも、そういう気持ちが確かに
あることを認めざるを得ない。
「生きていていいんだ」
咲希も、そして、他のヒロインも、つぶやいている。
彼女達は、「症状」が治って幸せになりました・・・
というわけではない。これからも「それ」をある意味
抱えて、生きていかなくてはならない。
ハッピーエンドではないけれど、悲壮感たっぷりという
わけでもない。
なにか、内藤みか作品のヒロイン達は
それでも、なんでも、生きていくんだという気概がどこかある。
強いとまでは言い切れないけど、何か、ある。
そう思わせるのは、終わらせ方にもあるのだろうか?
起承転結の結があるわけでもなく、
それは、流れている日常の中の非日常部分をざくっと
えぐりとったような、
そこで話が終わったわけではなく、
彼女達の「日常」は、そのまま続いているのだという
終わらせ方。
フェードアウトしたものではなくて、
何かまだ終止コードを弾いていないのでは!?という感じ。
続きはどうなったのと突っ込みたくなるような感じ。
落ち着かないのである。
とにかく、落ち着かないのである。
頭は、ぐるぐるしたまま。
でも、不安・・・ではない。
女のカラダは、こんなにもココロの状態に正直なんだなと思い、
そして、そういう痛みをカラダに拡散させながら、
やっぱり女は強いのだ! と思ってみたりもした。