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紙の本
あたたかな包み
2004/11/28 17:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:北祭 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の和田宏さんは、文藝春秋で30年近く司馬遼太郎さんの担当編集者をつとめた人である。しぜん司馬さんについて書くことは山ほどあったにちがいないが、そばに見ている人が大勢いるので「なにも私が書くことはない」のだと、追悼文を一つ二つ書くのみでその殻を閉じていた。このあたり、執筆はプロやお身内に任せておくのだという凛とした編集者たる職人肌を感じさせてくれる。
しかし、司馬さんが亡くなられてから8年になるいま、著者のこころにある転機が訪れる。
「もしいま書くとしたらなにが書けるだろうかと思った。
そして愕然とした。
自分が考えていたより記憶が薄れていることに気づいたのである。
…
なにか私しか知らないこともあるのではないか。それが書く意義があることなら、いま書いておくべきではないのか」
奇を衒うのではなく、著者のこころの内側から生じた「書いておきたい」という衝動が本書を著す発端となった。
本書には、著者が司馬さんと接してきた長い年月の記憶をさぐり丹念にメモをとる要領で、司馬さんの言葉を表題として108の短い文章が収められている。その表題の言葉がまた余韻のあるいい響きなのである。
「言葉には表情がある。かすかにゆらめく香りがある。言葉は一語一語それぞれ違った雰囲気に、ふんわり包まれながら現れる」とは、谷沢永一氏が『人生を豊かにする日本語』(幻冬舎)のあとがきに記した言葉である。
司馬さんが著者のまえでもらした言葉の数々。そのひとつひとつが司馬さんという人にふんわり包まれている。それがどれほどあたたかな包みであったことか、そのことを著者は淡たんと綴ってゆく。ときに司馬さんを失ったことへの声にならないため息がきこえもし、著者にとって司馬さんがどれほど大切な人であったのか、それがじんと伝わってくる。
さあ、これでもう、司馬さんの記憶は薄れることはなく消えることもない…。そう著者は思ったであろうか。ここに残る本が誕生した。
紙の本
偉大さ、気さくさ、寛容さ、など肯定的な面ばかりを強調しがちな筆致に辟易
2021/05/27 11:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
編集者としてかの作家に関わった
著者が彼の思い出を綴った本です。
この本を読むより、ウェブ上で記事を
探した方がずっと広く且つ深く、
かの作家の「素顔がわかる」と思います。
そしてその素顔は、彼の信奉者にとっては
必ずしも快いものではないかもしれません。