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商品説明
稲妻が突き刺す建前の世界! まあまあ主義で馴れ合っている日本人。時代を見抜き、生き抜くための指標。『産経新聞』東京版夕刊に連載されたコラム「異見自在」を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
著者はしがき
2012/02/08 11:42
3人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レムナント - この投稿者のレビュー一覧を見る
に出てくる三億円事件に関する秘話からしてすでに瞠目させられ、「ペルーにおける早大生遭難事件」にかかわる裏話からはじまって英国人によるアジア支配、白人による有色人種差別意識が過去から現在に及ぼしている様々な影響に関するコラムなど、初めて知らされる衝撃の事実に、半分も読みすすまないうち「この本は絶対買おう」と決心したが、オストリッチファッションなる奇妙な言葉(ダチョウアルゴリズムと言いたかったのだろう)が出てきてからなんだか雲行きがあやしくなってきた。旧約聖書が作った真っ赤な嘘とお書きになっておられるが聖書にはそのような記述はない、「ダチョウは卵の所在地を忘れるという旧約聖書の悪口」などともお書きになっておられるがヨブ記にあるのは「ダチョウは生んだ卵をかえりみない」であり、しかもこれは悪口でもなんでもなく単なる事実だ。旧約聖書に関しては間違いがもう1つ。「妻は髪を短く切って顔も体の線もスカーフなどで隠」せなどという記述もレビ記にはない。それどころか新約に「長い髪は女の誉れである」とさえ書かれてあるのだ。しかしまあこのくらいは瑣末な記憶違いで済ませてもよかろう。しかしながら「南京の真実」を書いたジョンラーベ氏が「蒋介石に武器を納入していた」はちょっとヒドい。彼の日記に書かれた日本軍による暴行はデッチあげと言いたいのだろうがしかし、彼が中国に武器を売っていたなどという証拠はどこにもなく、ただ当時の国民党軍がドイツ製の武器を使っていたからラーベも武器を扱ってたんだろう程度のいい加減な憶測にすぎない。「ボーリントン女史(ヴォートリン女史のことか?)は『日本軍が秩序を守った』と」などともお書きになっておられるが、この記述に至っては何のことだがさっぱりわからない。日本軍の暴行・虐殺を恐れた中国人たちがヴォーリントン女史が「秩序を守っていた」金陵女子大に逃げ込んできたという事実を又聞きの又聞きで勘違いでもされたのだろうか。
極めつけはロッキード裁判に関するコラムだ。当時のロ社副社長コーチャン氏による証言が聖書に手を置いたうえで宣誓してからなされたものだから真実とみなしましょう、と最高裁が宣明書を出したなどとお書きになっておられるが、いったい「コーチャンの証言を真実とみな」すとはどういうことなんだろう。彼の証言は刑事訴訟法321条の要件を満たしているから(偽証の可能性はもちろんあるにしても)とりあえず証拠として採用しましょうと認定されたにすぎないのであって、判決においてはむしろ伝聞証拠だからという理由で「関係者を裁」く有罪の証拠としては採用されてもいないのだ。
さてこのように、私のような浅学の徒にさえ見破られるようなデタラメが並んでいることを知ったいま、なんだか他のコラムも眉唾に思われてきてすっかり購買意欲を失くしてしまった。