紙の本
殺人事件の謎とともに、桃太郎の真実をあばく!
2005/02/16 13:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:カルバドス - この投稿者のレビュー一覧を見る
このQEDシリーズはまさに博覧強記! 探偵役のタタルの口から発せられるのは、さながら蘊蓄のマシンガン攻撃。古典文学、幕末の志士、平安時代の風習、コナン・ドイルなどなど、単に事実を列挙するだけでなく、文献や資料を参考にしながら独自の解釈まで付けてしまうのだからスゴイ。今回の舞台となるのは岡山県。蘊蓄の題材は鬼の伝説と桃太郎だ。
殺人事件の謎解きが面白いのはもちろんのこと、もう一つの楽しみがその土地にまつわる話。日光や高知など、その土地その土地の成り立ちや地名の由来を知ることができる。語ってくれるのは、もちろんタタル。気の良い棚旗姉妹をちょっと頼りないワトソン役に、知っているのがさも当たり前というように知識を披露してくれる。
今回も参考文献を数多く使用しているため、一般的な事実についての間違いはほとんど無いと思われる。ただ注意しなければならないのは、タタルの語る解釈を鵜呑みにしてはいけないということ。いくら理路整然としていても、フィクションはフィクションだからだ。おそらくは正解に近い解釈なのだろうが、そっくりそのまま自分の知識にしないよう気を付けたい。
誰もが知っている桃太郎の話は、勧善懲悪のヒーロー物。鬼=悪者、鬼を退治する者=正義の味方、という図式に当てはまった物語だ。これまでのQEDシリーズを読んだことがあったり、または古代日本や平安の歴史に詳しい人ならば、それほど単純ではないことが分かるだろう。
「桃太郎と三匹の家来は、本当に正義の味方なのか?」
その答えは本書にある。きっと、“真実に近い”答えが。
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とりあえず、事件のほうはこっちにおいておいて、奈々と祟の関係が非常にやきもきする〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!お互いいい年なんだからもっと、こう・・・さ!次巻で進展がありそうで楽しみ。で、さっき置いておいた事件について。ウンチクは相変わらず絶好調!ちょっと突っ込みいれたい箇所もあったが、気にしない。
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も〜もたろうさん 桃太郎さん♪お腰につけた吉備団子ぉ〜♪ひっとつぅ 私に下さいナ♪
の桃太郎がテーマのQEDシリーズです。
私は竹取物語とか桃太郎とか。日本の昔話をテーマにした作品も好きだな〜とコレを読んで思いました。(一番好きなのはシリーズ1作目ですが)
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高田崇史さんの「QED 鬼の城伝説」読み終わりました。
これは稀にみる早期解決話ではないでしょうか?早期解決というのは探偵さんの解決の仕方です。タタルが事件のあらましを聞いたらあっという間に解決してしまいました。ほとんど安楽椅子探偵状態です。事件の解決の雰囲気が漂ってきたときに本の厚みを見てみると、ああ、これはまだ解決ではなくてここから二転三転するんだろうな、と思っていたら解決でした。その厚みはウンチク王タタルがしっかりうめてました。今回も語る語る。
やっぱり高田さん鬼話が好きだなあ。
タタル好きとしてはやはり現金なもので、タタルが登場する後半になると断然楽しく読み始めました。助手が女の子であるのでは珍しくあんまり腹が立たない話なんですよね(笑)。助手が女の子だと大体恋愛話につながってうっとおしくなるし。探偵小説ファンってそういうのあまりすきでないでしょう。でもこの助手奈々さんはタタルのことが好きであるのにも関わらず、そうは思わないです。今回なんてもろ好き好きオーラだしてましたけど。不思議なもんで。その対極が森さんのS&Mシリーズでしょう。萌絵の存在は・・。
ちなみに内容をしっかり理解するには10回くらい読み直さないといけないでしょう。
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QEDシリーズ第9弾の本著。
ミステリなのだけれど、どちらかというと歴史の謎解きがメインになりがちのこのシリーズ、日本史好きならきっと楽しめるハズ。
本作品は「桃太郎」について。
密室殺人事件はうーんというカンジだったけれど、桃太郎についてはなるほどというカンジでした。
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今回は熊本県の温羅伝説です。
もうすぐ読み終わります。今タタルさんが犯人を言い当てたところです。
今回はタタルさん、本の半分を読んでやっと登場しました。
そして登場したら即事件解決の兆しです。タタルさん・・・おまえは一体。。。
内容を書くとネタバラシになるので書かないとして、今回面白かったことを箇条書きに。
・熊つ崎&沙織、タタル化!!この二人の歴史の知識も普通じゃなかった・・・。奈々ちゃんの知識量が普通なんだってば!てか、奈々ちゃんでよく知ってるほうなんだってば!!
・タタル、奈々ちゃんに物理的且つ男性的な力強さを否定される。・・・それでも君はタタルを好きなんだね。。。
・タタル、ますます我儘化。事件を無視して観光に行きたがり周りに諭されます。このまま我を通したら面白いことになったかも。。。タタルさん最高!大好き!
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QEDシリーズ9作目。
舞台は岡山になります。温羅伝説と殺人事件が見事にリンクしていてとてもおもしろいです。
本作を読後、桃太郎のお話の見解がきっと変わると思います。
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QEDシリーズは「鎌倉の闇」に続き2冊目!
実際に起きた現代の殺人事件の動機づけや深層の解明としてタタルの口から語られる古代吉備王朝の闇‥
以前から大和王朝が鉄をどう支配していったのかが疑問だった私にはとても興味ある内容でした。
一番驚いたのは奥州の安倍氏を滅ぼした手口と温羅を葬った手口が同じ裏切りの構造、、ってこと。
歴史は裏切りによる勝利の積み重ねでその裏で恨みをもって歴史の中に消えた人がどれだけいるのだろう?と思いました。
PS:歴史小説のジャンルに入れましたが、推理小説&歴史推理小説です。
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QEDシリーズ第九弾。桃太郎の謎。
奈々さんとの関係も気になるところですが、やっぱり最後はキッチリ決めてくれる本作。
『式の密室』『竹取伝説』から引いていた鬼についての謎をストンと纏めてくれます。
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QEDシリーズ第9弾!
タタル登場シーンが笑えた。(ぉぃ
奈々の妹沙織と小松崎の名コンビに1人振り回される奈々がちょっと不憫に思えたが、タタル登場と共にすぱっと行動決めちゃうあたりさすがデスw
薀蓄については、もう定番かな?と思えるほど最初から出ている鬼について。。。
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今回のテーマは「桃太郎」。
というより、桃太郎に成敗された鬼こと
温羅の薀蓄がメイン。
桃太郎の正体って…
鬼(温羅)って本当は…等等、
御伽噺って本当はすごいのねと感嘆。
このシリーズを読むと、
裏日本史というか、真日本史が伺えて面白い。
こんな歴史の授業があってもいいんじゃないかなぁと思うくらい。
それにしても、
奈々の恋の晩生ってぷりが
だんだんうっとおしく感じてきたよ(笑)
早くどうにかしてあげてください。
読者の私も生殺し状態は辛いわ(笑)
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QEDシリーズ第九巻目です。
『不吉の釜が鳴り、土蔵に長男・健爾の生首が!?旅の途中、事件に遭遇した崇は、事件の核心“桃太郎伝説”の騙りを衝く。』
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岡山・吉備津神社に今も伝わる、占卜「鳴釜神事」。大和朝廷によって退治され、土中深く埋められた鬼神―温羅の首が、釜を唸らせて人の吉凶を告げるという。一方、これとは逆に、総社市の外れ、鬼野辺家に先祖代々伝わる大きな釜には、鳴ると凶―主が死ぬという言い伝えがあった。そして…、不吉の釜が鳴り、土蔵に長男・健爾の生首が!?旅の途中、事件に遭遇した崇は、事件の核心“桃太郎伝説”の騙りを衝く。
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タタルさんの行動が素敵でした(何度笑ったか)
タタルワールド全開で楽しめました。
大まかな説明を聞いただけで解決しちゃう彼は何者なんでしょう…。
輪廻、DNAの話の時ぞっとしました。
デジャヴとかもその類なんでしょうね。
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おなじみQEDシリーズです。前々回くらいの作品から前作の末尾で少し次回作の舞台に触れて終わるという感じになってきました。ストーリーとしてつながっているなという感じがして僕としてはすごく心地良いです。
今回は岡山県の桃太郎伝説にまつわる事件です。事件と歴史的説明が交互に入り重なっていくというおなじみのスタイル。しかし、最近の作品は主人公が直接事件に関わるということはなく、「安楽椅子探偵」のように話を聞いているだけで解決してしまうというなかなかに天才的かつそれはやりすぎではという感じがしてきました。それでも歴史的な解説は大変楽しく読めているので大ファンには違いないですが。