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紙の本
アメリカン・ファンタジーの傑作新装版で復刻
2005/02/24 16:20
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:苦楽 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ人の理想の一つはインディペンデント・ファーマー(独立自営農民)であるとは遙か昔、アメリカ独立時のベンジャミン・フランクリンの頃から言われていることである。無学だが聡明、家族を愛し、自然に心を動かし、不屈の闘志で困難に立ち向かう独立した個人でありながら、ユーモアを忘れない。
大統領選挙でも求められる魅力的なヒーロー像は元を辿れば独立自営農民に辿り着くのかも知れない。
本書の主人公であるガリオン少年が育ったファルドー農園もそうした場所──理想的な独立自営農民の農場である。旅人を心からもてなす主人ファルドー、無口だが実のある鍛冶屋の青年ダーニク、ガリオンの子供時代を暖かく包み込む調理場の主ポルおばさん、そして少年ガリオンに外の世界のわくわくするような物語をもたらす語り部のミスター・ウルフ。まさに黄金の少年時代を送っていたガリオン少年だが、突然それまでの暖かい農園を後にして冒険の旅へと出ることになる。バイキングを彷彿とさせる赤毛の巨漢バラク、謎めいたすばしこいシルクなどを旅の仲間に加えて、ガリオンの冒険の旅が始まる。
「指輪物語」がどこかイングランドの香りを漂わせる神話めいたイメージを与える叙事詩であるなら、このベルガリアード物語はまさにアメリカン・ユーモアやホームドラマの雰囲気を彷彿とさせるファンタジーである。
「指輪物語」において一行を旅へと誘うガンダルフは半神であり、どこか威厳を漂わせているのに対し、本書でその役割を担うミスター・ウルフは台所から酒や料理をくすねる達人であり、そのコツをガリオン少年に伝授しようとするおよそ“教育上よろしくない”人物なのであり、同行するシルクもまたこそ泥であり、元農民だった王家を「キャベツをを忘れちゃいかん」と、当の王家に使える隊長の前で言ってのける茶目っ気たっぷりの人物なのである。
このキャラクターの造形と掛け合いこそが、著者ディヴィッド・エディングスの真骨頂であり、凡百の翻訳ファンタジーと一線を画している。
冒頭の取っつきにくいとも感じられる神話の部分は読み飛ばしてしまっても構わない。 少年が育つのに最適とも思えるファルドー農園でのガリオン少年の成長を目にし、一行が旅立ちを迎える頃には読者はきっと貪るように先を読んでいるだろうから。分厚い世界に関する設定本が出るほどの奥の深い設定や創作神話などは後からゆっくり理解していけばいい。
壮大でありながら地に足がついた人物造形とキャラクターの魅力が織りなす物語、ベルガリアード物語は本書から始まるのだから。そして、本書を読み終えた頃には登場人物達が偶にたずねてくる面白い親戚の様に思え、次の本がでるのを指折り数えて待つことになるに違いない。
「指輪物語」以降、無数の長編ファンタジー小説が出版されたが、本書はその中でも白眉であり、「指輪物語」とは違ったユーモアたっぷりの“アメリカン”ファンタジーを存分に楽しませてくれる物語の第一巻である。
本書を新装版として復刻してくれたハヤカワ文庫に心からの感謝を捧げると共に、一人でも多くの人がこの本を読むことを願ってやまない。
紙の本
指輪物語の流れを汲むストーリー
2018/02/17 07:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
指輪物語の作品の流れを汲む物語ということらしい。とりあえず第1部の5巻のうちの1巻目。主人公は小さな少年で、ある日突然、魔法使いなどの仲間たちと昔奪われたという『珠』を探す旅へと旅立たされ、という王道ストーリー。
まだ1巻なので面白いかどうかはこれからというところです。