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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.3
- 出版社: 岩波書店
- サイズ:22cm/233p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-00-010973-1
- 国内送料無料
紙の本
岩波講座都市の再生を考える 1 都市とは何か
著者 植田 和弘 (編集委員),神野 直彦 (編集委員),西村 幸夫 (編集委員),間宮 陽介 (編集委員)
住みやすい都市、活気に溢れた都市とは何か。公共空間としての課題を問い、再生の条件を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
岩波講座都市の再生を考える 1 都市とは何か
紙の本 |
セット商品 |
- 税込価格:25,520円(232pt)
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収録作品一覧
都市の思想 | 間宮陽介 著 | 7-35 |
---|---|---|
都市のかたち | 布野修司 著 | 37-66 |
場所と空間 先行形態論 | 中谷礼仁 著 | 67-99 |
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紙の本
本当の都市の再生とは。目指すものは何か。
2011/09/02 03:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
さまざまな都市問題が問われはじめてから、すでに日は長い。しかし、それは解決に向かうどころか、より一層、混迷の度合いを深めているといえる。
そして、都市の衰退に対して、この国の政府はこれまでも様々な対策を試みている。近年では小泉内閣が打ち出した「都市再生」のかけ声が思い出される。しかし、それは、この国の政治の貧困さをあらためて知らしめさせてくれるもの以上ではなかった。
少子高齢化などといった言葉も使い古され陳腐化するほどとなった現在、日本の都市が、交通弱者・生活弱者に十分な生活権を保障しているとはとても考えられない。都市の再生は、いまこそ本当に急がれているはずなのに。
本書が示すとおり、現在求められている『「都市の再生」とは、衰えゆく工業社会における都市にかわって、脱工業化社会において「都市を再生させること」に他ならない』もののはずである。『グローバリゼーションに伴って国民国家によって保障されてきた人間の生活が破壊され始めるとともに、都市のルネサンスによって人間の生活する「場」を再生しようとする動きが台頭して』きたものだったはずである。
しかし、日本の政府が示す「都市再生」は、あいかわらず視線の向きが逆なのである。
本書は言う。『小泉政権のいう「都市再生」は、「不良資産対策に目を奪われ、規制緩和によって大手開発業者の所有する土地の高層利用を可能にしようという、まさに近視眼的政策に矮小化」されていないか。特に問題なのは、この政策が何ら都市の未来についてのグランドデザインを示していないことである。』
小泉内閣の打ち出した都市再生特別措置法により、都市部では驚くような高層ビルを主体とした都市再開発が進んでいる。これまで、住民の生活を主眼として考えられ、かけらていた規制が、この法律によりことごとく骨抜きにされた。
政府は言う。都市のコンパクト化、集約型の都市形成。しかし実体は、住民の生活を無視した「都市の産業構造への売り渡し」でしかない。
いま本当に求められている都市の再生とは何か。
『「サスティナブル・シティ」を合言葉に進められているヨーロッパの「都市再生」は、人間の生活の「場」として都市の再生を目指すものである。人間の生活の「場」としての「都市再生」では、工業によって汚染された自然環境を蘇らせるとともに、地域文化を再生させることが車の両輪となっている。』
このままでは、日本における住民の生活はまちがいなく破綻する。自然環境の面だけでなく、経済性、快適性、すべての面でサスティナブルな都市の未来像をはやく描き出し、それに向かう努力をはじめていかないと、日本の都市はまちがいなく近いうちに滅びる。すなわち、日本の都市住民の生活は破綻する。
危機意識の共有が求められている。