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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2005.4
- 出版社: 現代書館
- サイズ:20cm/269p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7684-6898-5
紙の本
パンツを脱いだサル ヒトは、どうして生きていくのか
著者 栗本 慎一郎 (著)
「パンツをはいたサル」完結編。ヒト・宗教・民族・貨幣・国家の誕生と進化の過程を解明。ユダヤ人の起源、ビートルズの陰謀など、常識を覆す経済人類学の最新成果。ヒトは何処から来...
パンツを脱いだサル ヒトは、どうして生きていくのか
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商品説明
「パンツをはいたサル」完結編。ヒト・宗教・民族・貨幣・国家の誕生と進化の過程を解明。ユダヤ人の起源、ビートルズの陰謀など、常識を覆す経済人類学の最新成果。ヒトは何処から来て、何処に向かうのか。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
栗本 慎一郎
- 略歴
- 〈栗本慎一郎〉1941年東京生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。衆議院議員、経済企画政務次官、帝京大学法学部教授を経て、現在、東京農業大学教授。著書に「経済人類学」ほか。
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紙の本
復活!クリモト節内容も盛りだくさん
2007/04/09 23:26
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲベリン - この投稿者のレビュー一覧を見る
政治家、脳梗塞というニュースを聞いたときには正直「クリモトせんせも、もうだめかな」と思ったが、この本を読んで驚いた。自信満々な語り口、悪口、おちゃらけとかつてのクリモト節が見事に復活していたのだ。
内容の方も、さすが経済人類学だけあって既存の学問の枠組みを超えている。血栓の話(医学)から始まり、人間はなんで血栓なんかができやすい身体に「進化」したのかという問いかけから人類の起源(人類学)に移り、現人類の祖先はある特定の地域で急速に進化したが、気候や地殻の変動によりその地域からの脱出を余儀なくされたことによって遠征や遠征先での征服に対して快感を覚えるという本能が作られ(パンツ)、そこから他者は征服すべきものという非寛容な宗教が生まれ(宗教学)、様々な征服や抑圧の歴史が刻まれ(歴史学)、ひいては9.11同時多発テロにまでつながっていく(国際政治学)。
またそういう歴史の裏には自己増殖し続けていく貨幣というものが存在し(経済学)、それらを操る(実は操られている?)小さくて強大な集団が暗躍している。さらにその集団が自らの出自を隠していることで、中東での民族間の対立は複雑怪奇になっている。そしてこのままではいずれ貨幣のために人類は滅んでしまう。それを防ぐためには…
こうまとめてしまうと荒唐無稽な本と思われるかもしれないが、そんなことはない。単にまとめている人間の実力がないだけである。ぜひこの本を実際に読んで、深くて豊富な内容を味わい、自ら考えていただきたい。
紙の本
過激なストイシズムとしての経済人類学へ
2005/05/31 01:51
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SELECT900AMD - この投稿者のレビュー一覧を見る
パンツシリーズの完結である。前作2著を背景にして、著者は私達に21項目にわたって、とうとうパンツの正体を明らかにしている。そのパンツは思っていた以上に古く、且つデカかった。
このパンツの正体については、本書を読むなりして理解していただきたいが、カザール人というユダヤ人の正体を暴露するくだりは、注意して読む必要がある。これを単なる陰謀史観として読むならば、本書を大きく誤読することになる。つまり、ここには、経済人類学の出自が述べられており、ここに語られるカザール人のエートスの内に、経済人類学の不の側面が述べられていると見るべきである。
カザール人の子分的存在であったマジャール人であるポランニー兄弟によって創始された経済人類学は、まさしく彼らアシュケナージのエートスでもある。マジャール人が現代社会に与えた影響はブダペスト物語に詳しいが、アシュケナージ全体が現代までこの世界のさまざまな側面で動かしていただろうことは想像に難くない。彼らは我々以前に既に経済人類学を駆使していたということだ。
著者栗本氏は、人間の顔をした経済を! という。エコノミーとはエコについてのノモスだが、氏は人間諸科学を駆使してこのノモスの内にロゴスを見出そうとする。そして、個々のエゴではなく、共にあることとしてのエコを取り戻そうとする。イデオロギー抜きにいえば、そのようなエゴノミーとしてのエコノミーをより普遍的なエコロジーとして捉えなおす試みが栗本氏の経済人類学だ。これを実践するとなると、ストイックにというだけでは足りず、世界を敵に回すほどの過激なストイシズムが要求される。毒をもって毒を制す。まさしく氏は今も毒入り教授だ。その処方箋が、ようやく本書によって明らかにされた。
そして、良薬は毒をも越えそうなほど苦かった…。