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商品説明
童貞を捨てる奴、命を捨てるバカ。寒風吹きすさぶ土曜の夜の六本木、17歳の高校生たちがあるパーティーに結集した時、運命が…。トカジが挑んだ青春小説。「新潮ケータイ文庫」連載に加筆して単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
戸梶 圭太
- 略歴
- 〈戸梶圭太〉1968年東京生まれ。学習院大学文学部心理学科卒業。98年「闇の楽園」で第3回新潮ミステリー倶楽部賞受賞、以後作家活動に入る。著書に「トカジャングル」など。
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紙の本
十七歳の生の声を聞いたような気がしました。
2005/05/19 14:37
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
学園ものと言えば爽やか、青春という文字が似合いそうですが、戸梶氏に限ってはそんな綺麗な言葉は全くと言ってもよいほど似合いません。
そんな戸梶氏が直球の青春ものを書いた時、一体何が起きるのか?今まで戸梶氏の作品を読んだことがある人には想像出来そうですが、ご想像の通りそこには生の十七歳の飾らない叫びが本から飛び出してきます。特に男の子の心の叫びが・・・。
芸能科に通いテクノに没頭する悠伍。
自分の作り出す音に酔いしれる日々を送りながらもやはり十七歳そろそろ初体験を済ませたいと思うのだが、同じするならいい女としたいと考えている。
一方パンジン科に通う隆弘は頭の中ではいつも誰かに暴力を振るうか女とすることしか考えていない、そして友樹は一度だけ女の人と経験できれば自殺しちゃってもいいやと考えているほど鬱状態に陥っている、ともに悠伍と同じ高校の十七歳。
モテナイ最低の日々を過ごす隆弘と友樹の前に現れたのは誰がどうみてもマトモじゃない男・広野。広野の企みによってパーティに芸能科の女の子を呼ばなくてはいけないことになった日からそれぞれの運命は分かれていくことに・・・。
基本的には三人の男の子からの視点で物語が進むので十代の男の子の性欲と言いますか欲望の大きさが本から溢れ出そうな感じです。
笑える人には笑えるのでしょうが、十七歳の年頃の息子を持った方は読まない方がいいかもしれないですね。それくらいリアルというか生々しい若者の叫びなので。
そして同級生の女の子達がまた彼らに比べると何倍もませているし度胸も人生の渡り方も上手いところが現実味があっていいんですよね。
戸梶氏の特徴は救われない者は最後まで救われないし、最低の人間は最低のままで終ってしまうところです。また運命によって大きく分かれた三人の少年達の最後も淡々としていて、そこに友情も愛情も美しさも感じないところが逆に良さを引き出しているような気がします。
今までの作品に比べると比較的壊れ具合が柔らかいので著者の作品を初めて読む方にはこの作品からがオススメですね。