紙の本
善良なる白戸くんが巻き込まれる事件集。
2012/01/26 14:33
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマ化されるとのことで、再読してみた。
(調べたら関西地区は放送されないみたいだけれど…)
すごく好きなキャラクタが主人公のミステリ短編集だ。
お人好しでどこにでもいそうな冴えない大学生、白戸修。
彼はいたって普通に日常を過ごしているだけなのに、
気が付けばいつも事件に巻き込まれてしまう。
「巻き込まれ型」のミステリは少なくないけれども、
本書がちょっと特異なのは、主人公がいたって「普通」なところだろう。
巻き込まれたからといって自力でぐいぐい解決するわけでもなく、
あれよあれよと流されて、
良心に従って行動していくうちに
ときたまひらめきがあって、
でもそのひらめきもひとりでは実行できなくて、
周りの人に協力してもらって
やっとこさ解決する。
正義のヒーローとも
美形のモテモテ男子との程遠い白戸くん。
最近じゃ「白戸」といえば犬のほうが有名だし、
最近の言葉でいえば彼は間違いなく「非・リア充」だろう。
なのに…。
いや、「だから」、
愛される白戸くん。
彼の善良さに魅せられて、
或いは呆れて、
周りの人はなんやかんやと彼を助けたり
彼のはなしに耳を傾けたりする。
これが癒し系ミステリと呼ばれる所以だろう。
好きだなぁ。
ただ欲を言えば、
各短編、パタンが一定なので
ここらでいっちょ
ワンパタンからの脱却をはかってもらいたいところ。
期待してます!
『白戸修の事件簿』収録作品
・ツール&ストール
・サインペインター
・セイフティゾーン
・トラブルシューター
・ショップリフター
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人のいい主人公の、巻き込まれ型ミステリ。ゆるい進行の中にきちんとした物語や謎かけが込められているので、読んでてとても心地が良い連作でした。どのお話もテンポがいいので、するっと読めてしまいます。話同士のつながりも秀逸。続編が読みたい、あと引く感じの一冊。
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レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/99891688.html
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典型的な巻き込まれ系の天然の超おっとりさんが
主人公の連作もの。作者あとがきにもありましたが
確かに最初の話しと後半の話しでは主人公のキャラが
少々大袈裟なくらいのお人好しになってます(笑)。
でもこのくらいやり過ぎなのが丁度いいかも。
探偵としても非常に脆弱な推理と行動力が
キャラにぴったりでストーリーを無理なく読ませてくれます。
いい味の出てるほのぼのミステリーとして楽しめます!
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「お人よし探偵」とはさもありなん。お人よしにもほどがある! でもって事件に巻き込まれて、でも解決しちゃって……という活躍っぷりは大層楽しく読めました。こういう友人がほしいですねえ(笑)。
お気に入りは「セイフティゾーン」。謎部分については分かりやすいし、些細といや些細だけれど、白戸と芹沢の活躍にはらはらどきどきしっぱなし。そしてこのラストの一文がものすごく効きました。
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続編が読みたくなる作品でした
でも、翌日が入社式と言うので続編は無いのかな??
しかも、高価なスーツで入社式に臨むみたいです(笑)
主人公の白戸くんのお人よしさ加減が和みますね。
1話目に出てきた女性がラストにも登場。
読みやすいので小学校高学年位から読めそうな感じです。
前回読んだ「福家警部補の挨拶」も同じ作家さんが書かれていますが
こちらも丁寧で優しい文体なのでミステリ好きの中学生位から楽しんで読めそうです。
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一見どこにでもいるフツウの大学生が巻き込まれる事件簿。
そう陰惨な事件は起こらないが、のんびりとした語り口と、
主人公のお人好しなのんびりした感じ、の割には時に鋭く事件を解決する、
その爽やかな語り口がスマート。
ただのほのぼのではなく、スリのやり口や万引きGメンの詳細など、
描かれるべきところはきちんと抑えてあるので説得力もある。
安心しながらも読みごたえもあり、なかなかの良書。読んでよかった!
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サクッと読めて面白かった。白戸君の巻き込まれっぷりやお人好しなところが良い。続編を読みたいけど、出るのかな...。
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巻きこまれ型の名探偵?白戸修を主人公とした連作ミステリ。何が起こっているのかわからず、一緒に巻きこまれていくので、当事者感覚でこちらも巻きこまれてしまう。白戸がお人好しなだけで終わらず、ちゃんと事件を解決し、それは決して気持ちの良い結末ばかりではないけれど、それでも「お人好し」の自分を肯定しているところが気持ちよい。
収録作品
「ツール&ストール」
「サインペインター」
「セイフティゾーン」
「トラブルシューター」
「ショップリフター」
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第20回小説推理新人賞受賞作「ツール&ストール」を含む、お人よし探偵シリーズ集。
受賞作のエピソードから「中野は鬼門」と認識している主人公。
卒業試験から就職前日までに巻き込まれ過ぎでしょう!と軽くツッコんでみたり(笑)
巻き込まれ限定・中野周辺で。。。一冊五編だもんなぁ。
巻き込まれる内容は伏せますが、久々に共感を呼ぶキャラクターだわ。
晴れて就職叶った我らが白戸クンのさらなる活躍?が見たぁい!
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どこにでもいる善良な大学生・白戸修にとって東京の中野は鬼門である。殺人の容疑者が飛び込んで来たり、ピンチヒッターで行ったバイトが違法だったり、銀行で強盗に銃を突きつけられたり…。だが次々に事件を解決する彼を人は「巻き込まれ探偵」「お人好し探偵」と呼ぶようになる。小説推理新人賞受賞作を含む、ちょっと心が優しくなれる癒し系ミステリー。
《ブックデータベース より》
《2010年6月24日 読了》
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「お人よし探偵」と言われることになった「白戸修」シリーズ第一作です。
あらすじは・・・特にないんですよねえ。中野にいくといつもロクな目にあわない白戸修くん。毎度毎度事件に巻き込まれるんですが、それが大体本人のお人よしゆえにというか・・・・いや、これはおもしろいわ。
ひどい目にあいながらもひたすらに人のことを思う白戸くんに読んでいて非常に癒されます。癒し系ミステリ。
連作短編形式で読みやすいのでご一読をおすすめいたします。
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中野に行くと災難に巻き込まれる。中野を避ければいいのに何故か呼ばれてしまう、という災難記というべきシリーズ物。いつも事件に巻き込まれてしまうお人よし探偵という設定がよかった。主人公が安直にスーパーマンにしなかったので作品がほんわかとした温かいテイストになっている。どこにでもいるちょっと運動不足の大学生だけに、感情移入がしやすい。ちゃんと伏線が光る内容になっており、この作者ならではの擽り付のあとがきも印象的。それにしても時効当日に銀行強盗に巻き込まれる犯人って・・・すごくご都合主義な感じがしなくもなかったが、それを上回るストーリーだった。
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善良でお人好しな大学生の白戸修が、
何故か様々な事件に巻き込まれるという短編集。
カバーに「癒し系ミステリー」って書いてあったけど、
確かにそんな感じだナァ。緊迫感のある場面も多々あるんだけど、
全体を通じて非常にほのぼのしている印象。
スリ、ステ看貼り、万引きなど、主に日常の軽犯罪を主題としている。
シリアスだったり、時にコミカルだったりしながら、
テンポよく話を進めていく中で、所々蘊蓄を織り交ぜていく感じは、
「無法地帯」にも通じるスタイル。
その辺りの手腕は、流石だなぁと思います。
短編集ということもあり、気軽に楽しく読める一冊です。
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人の見え方が終盤でカラリと変わるのが小気味良い。ただ…白戸くんがお人好しで、優しすぎて、不憫で仕方ない。けど、彼の人の良さ、行動がこの本を爽やかなものにしてるんだなあ。それにしても、山霧さんは一体ナニモノ!?